間違えた部分を二重線で消して、実印を押すんだ。



◆間違いを訂正する方法　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


例えばこんな風に、名前を書く欄を間違えてしまったとするね。






あ～。やっちまったね。



大丈夫。訂正していくよ。
書き間違えた部分を二重線で消して、実印を押せばOKだ。




なるほど！


◆たくさん間違えてしまっていたら　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


一枚の用紙の中で、あっちもこっちもそっちも間違えちゃって、
誤字の訂正だらけになってしまう場合は、新しい用紙に最初から
書き直そう。



訂正だらけで見づらくなっちゃうもんね。


◆訂正の印鑑は、シャチハタでもいい？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



誤字を二重線で消した上に押す印鑑は、シャチハタ印でもいいの？



基本的には、年末調整の書類ではシャチハタは使っちゃダメなんだけど、
会社によっては認められているから、確認してから押してね。
⇒年末調整でシャチハタを使ってもいいの？

うさちゃんは、どう説明したの？




ええっと・・・いい説明が思い浮かばなくて・・・



なんのために年末調整をやるのかを理解するには、源泉徴収や
所得税について知っておくことが大事だよ。



源泉徴収と、所得税か。



給料をもらうと、所得税が差し引かれる。
うさちゃんの給与明細書も、所得税が引かれているでしょ。





本当だ。
引かれてる。



所得税っていうのは、収入に対して課される税金のことだ。
収入を得ると、得た金額に見合った税金を払わないといけないんだ。
だけど、みんなが税務署に行って所得税を支払おうとしたらどうなる？



税務署は人でごった返して、大変なことになるだろうね。



そう。それに、税金の制度は難しいし、しょっちゅう制度が変更される。




よくわからない人は、納税金額を間違えちゃうかもしれないね。
わからないからって、払わない人もいるかも。


そうそう。国は効率よく確実に税金を集めたい。
だから、会社勤めをしている人の所得税は、給与を支払う会社が、
従業員に代わって所得税を集めて国に納税するんだ。



ふむふむ。


うさちゃんの給与明細書から所得税が引かれていたように、
毎月のお給料を支払う時に、事前に所得税を差し引いてしまう。
これが、源泉徴収だよ。




所得税と源泉徴収の話はよく分かったけど・・・
年末調整は、どう関係してくるの？



毎月の給与から差し引かれる源泉所得税は、実は正確な所得税額じゃないんだ。




？？？




源泉徴収の所得税額は、源泉徴収税額表という表に基づいて計算されるんだ。
「扶養親族等の数」が「0人」の列を見てみようか。





う～んと。
今月の給与額が88,000円以上89,000円未満だったら、所得税は130円なんだね。
あれ？でも、88,000円の場合も、88,999円の場合も、同じ130円なの？


そうだよ。
源泉徴収所得税額は概算、つまり、大体いくらですよ、という金額なんだ。
大体の所得税額を毎月、給与から差し引くんだ。



ほうほう。


それにね、所得税は、生命保険に入っていたり、扶養する家族がいたりすると
控除してくれる、つまり、支払う金額を減らしてもらえるんだ。
いろいろな条件で控除を受けることができるんだけど、それらの条件は、
毎月の源泉所得税額には反映されていない。



ほうほう。


1月から12月までの給与金額が確定したら、年間の収入合計を計算する。
その金額に対して、控除の条件を含めて所得税をちゃんと計算する。
そうすると、源泉徴収で差し引かれた所得税額との間に差額が生まれる場合がある。



その差額を、年末に調整するんだ！


そう。
税金を多く支払いすぎていた場合は返してくれる（還付）。
足りなかったら、追加で支払わなくちゃならないんだ（徴収）。



さっき、会社勤めをしている人はって言っていたけど、サラリーマンじゃない人は
年末調整はないの？


自営業の人とか、年末調整の対象にならない人もいるんだ。
そういう人は、翌年の3月に確定申告をすることになる。

サラリーマンでも、確定申告をすることで税金が控除されることがあるから、
　　　　サラリーマンだったら確定申告は絶対にしなくていいわけじゃないんだけど、
　　　　通常は、会社が年末調整を行ってくれることによって、納税が完結するから、
　　　　確定申告は不要といえるよ。



なるほど！