—はて、前回は何時だったか。
妻に問うが覚えていない。
久方ぶりに、
「映画」
を見に行こうと、促された。
が、私の貧乏性が、また、性懲りもなく、疼き出す。
拘束時間2時間と、一人頭2000円近くの出費。
それよりも何よりも、その映画が面白いのか否か。
私の得意の形。
「斜の構え」
が、年と共に極まって来ているのが悪いのだが。
良い作品と巷で評判であったとしても、素直に楽しめるかどうか分かったものでは無い。寧ろ、アラを探そうとしないか。
いけない。
これも諍いが起こるルートに乗っている。
素直に、見に行こうと言えば良い。
ただ、もう一つの懸念。
妻に言われた映画は、
「ゴールデンカムイ」
私の大好きな漫画なのだ。
アニメから入って、原作も読んだ。
人物が皆、個性的で生き生きと描かれており、物語性も抜群。
シリアスな面も、コミカルな面も違和感なく使い分け、娯楽作品として、完成されている。
それをあろうことか、実写化したのだ。
する必要があるのか。
まず浮かぶ、ネガティブなイメージ。
それを皮切りに嫌な想像が頭をよぎる。
思い入れが無い作品ならいざ知らず。
大好きなんだよこの漫画。
しかし妻は、私が好きだから誘ってくれたのだ。
普段なら絶対行きたく無い私を、これならばと言ってくれたのだ。
その一部分を最大限に膨らまし、私は、重く、重い、更に重い腰を上げた。
そして当日。
田舎なので、映画館もそんなに近くは無い。
車でえっちらおっちら30分、目的地に到着した。
最近は窓口に人がいないんだね。
駅の券売機の様に機械がずらっと並んでいた。
えーと、この時間の、座席はぁ、と進めて行く。
会計画面でなんと、
カード割引なる文言が出て来た。
最初に何の気無しに通したカードで割引効果が発動したのだ。
妻も、それ、持ってるよね。
種類は違えども、同じスーパーマーケットのカードを、最初の画面まで戻り通す。
すると、二人分割引された料金が表示された。
一人1800円が何と、1100円に。
凄い。
嬉しい。
気を良くした我々、ポップコーンも特大を頼み、館内へ。
トイレに行きたくなったらすぐ行ける様、端の、それも出入り口付近の席を陣取った。
そして鑑賞。
うん。
意外や意外。
面白かった。
原作のイメージを損なわず、上手く仕上げていた。
ファンならではの、ここはこんな風にしてほしい場面。そこも、納得の出来栄えだ。
しっかり漫画を読み込んでいるな、と感心した。
ただ、一つ。
この進捗であったら、何作つくるんですかね。
ハリーポッターシリーズより長くなるかも知れない。
結論。
この作品は、ファンでも楽しめます。
是非、お見逃しの無き様に。
皆様のお力添えで、完結まで。
私が観たいので。えへへ。