2020.9.18 鑪ら場 後藤雪絵 / Radical Humanism / 浩太郎 (ペンギンラッシュ)
トレードマークの長髪をアップに結んでマスクをしていても、そのやさしい目をみれば浩太郎さんだとわかる。
ピアノ弾き語り、インストスリーピースバンド、ソロベース、というかなり変わった組み合わせのスリーマン。
鑪ら場、やるな。
トップバッターは浩太郎さん。
前日にはペンギンラッシュの『皆空色』リリース記念配信イベントがあった。
フレットの上を縦横無尽と動き、歌いまくるフレーズは望世さんとデュエットしているかのよう。
オープニングで演奏された『二〇二〇』。
アルバムは聴けば聴くほど、言葉のチョイス、譜割り、リズムチェンジ、アレンジの妙、etc すべてのパーツの細部にまで拘りが感じられ、パーツの組み立ても絶妙。
ソロベースライブでは、ペンギンラッシュでのプレーとは一味違った浩太郎さんの笑顔に似たやさしい音色。
ソロベースアルバム『demo #1』。
ご本人曰く「眠れないときにどうぞ」とのこと。
確かにリラックスできて心地好い。
四半世紀前、ヨーヨーマのチェロリサイタルに名古屋市民会館大ホール (現フォレストホール) まで足を運んだが、『無伴奏チェロ組曲』では、ずっとまどろみの中に居た。
眠りを誘うというのは肯定的な意味である。
その時、一変して荒々しく弓を動かした『サラエボのチェリスト』は、今まで聴いてきた中で一番心に残っている圧巻の演奏であった。
一般的にソロベースのライブと聞いても馴染みは薄いだろうが、ギターとは音域だけでなく表現技法も違っていて、なかなか味わい深いものがある。
実は私も20年以上前に初級編のソロベースをライブでちょっとだけ弾いていた。
当時はいかにも自分でアレンジしましたという顔で弾いていたが、実はスペクトラムなどでご活躍された渡辺直樹氏の『ソロ・ベースのしらべ』をまるまるコピーしただけ。
中でも細野晴臣氏が作曲された『ガラスの林檎』はお気に入りで、音の重ね方とかが何とも乙で気持ちいい。
YouTube にそのアレンジを弾いている動画があったので、よろしければ。
ライブは、後藤雪絵さん、Radical Humanism、と進むにつれ、どんどんテンションが上がっていき、最後は打ち上げ状態。
京都から来られた雪絵さんの弾き語りの枠を超えたピアノはえげつなく上手かったし、歌も沁みた。
Radical のキーボードの方のヘッドバンキングはアンガス・ヤング超えてて楽しかった。
どちらもリピありです。
今日のライブのキーワードは「偶然」。
偶然にまつわるトークをそれぞれされていた。
ソロベースと一括りで言っても、アプローチはいろいろである。
浩太郎さんのは5弦と6弦の違いはあるが、方向性としては服部龍生さんに近いのかなと感じ、久しく龍生さんのライブを聴いていないなぁと、ふと思った。
帰り道で車をコンビニの駐車場に停めると、メッセージが届いているのに気づいた。
なんと、その龍生さんからである。
開いてみると「大変な夏でしたね」とあった。
ライブで全国を回ってみえる龍生さんは特に大変だったであろう。
雪絵さんも人前で演奏するのは6ヵ月ぶりだと仰っていた。
そして、来月ソロで名古屋に来られるとのこと。
2年半もご無沙汰していたのに、ふと龍生さんのことを思ったタイミングでメッセージが来るとは、まさに偶然。
ライブの日程は書いてなかったので調べたところ、10/3(土) 名古屋・池下テンダリー、10/4(日) 岐阜・羽島MagicIsland とあった。
どちらか伺えると思います。
追伸
ペンギンラッシュがテーマ曲の『色彩』を歌う『スナイパー時村正義の働き方改革』が、2020年 日本民間放送連盟賞 番組部門テレビドラマ番組「最優秀」を受賞されました。
おめでとうございます!
曲がいい場面で効果的に使われいて、ドラマも面白かった。
ゴゴスマでもコーナーの間、ずっとバックで流れてました。
時村正義に撃たれたくらい衝撃的な1日だった。