決断
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

決断

作者: 土竜

私の学生時代のクラスメイトに、

『怒ったら負け』

という言葉を座右の銘にしている人がいた。

この言葉の意味は、

『怒ってしまうと冷静さが失われ、ミスをしてしまうから、冷静さをたもつようにせよ』

というものだと、大半の人がそう理解していると思う。

しかしそいつは、

『怒ったら負け』=『怒らせたら勝ち』

と、信じているため、他人の過去の失敗や身体的な特徴をあげあつらってからかい、相手がそれに対して怒ると、

『言われたくなかったらしなけりゃ良かっただろ』

と、返してくる。

既にやってしまった事なのだから、絶対にかえられるわけはない。

それがわかっていてその台詞を吐くのだ。

さらには、この世界で正しいのは自分だと思い込んでいるため、なんにでもマウントを取りたがり、ちょっとでも反論されたり正論で返されたりすると、

『あーもういいもういい!勝手にしなよ!ムカつくんだよバーカ!』

と、悪態をつく。

さらには銭ゲバで、小遣いや貯金額を聞いてきては、

『それだけあるならちょっとちょうだい。もしくは何かおごってよ』

と、いってくる。

学生時代はそいつにずっとからまれていた。


そんなゴミ以下と、卒業して離れられてからは平穏な生活をし、彼氏もできて、結婚も秒読みだった。


しかし、昔の友達に会いたくなって参加した同窓会で

そいつに再会してしまった。

そいつはまったく成長した様子はなく、旦那の年収や貯金額を聞きまくり、昔の事を持ち出しては不愉快にさせていた。

結婚はしたらしいが、旦那さんは病気でなくなって、今では子供と2人暮らしらしい。

しかし、子供の友達に両親の職業や年収を聞きだして金の無心をしたらしく、そのため子供がいじめられ、不登校になったらしい。


そしてどうやって調べたのか、私の彼が高給取りだとしると、私から紹介されたと嘘をついて金の無心をするために彼の会社にまで押し掛けた。

彼とは違う会社だったこともあり、そいつが彼の婚約者だと勘違いまでされた。

もちろん私にも連絡があり、当然そのことを非難したが、

『あんたお金あるのにくれなかったでしょ?だからあんたの彼氏からもらおうとしただけじゃない。なにカッカしてんの?怒ったら負けだよ?そ・れ・よ・り!彼氏格好よくて稼いでるなんていいじゃない!私は子供もいて苦労してるんだから私がもらうべきじゃない?』

と、いってきた。

これで自分になびかなければ、本人や交際相手の過去を調べあげ、なければ捏造してでも自分を選ばせる。

こいつの亡くなった旦那は、おんなじ手口で奪い取ったものだ。


こいつはまた()()()()()をしようとしている。


私は迷った。

こいつが後ろを向いて颯爽と帰っていこうとする背中に、隠し持っているものを突き立ていいものかと。

してはいけないと理性が訴える。


しかし、


『じゃあ、つぎに来た時は()()彼氏もらっちゃうね』


この奴の一言で私は決断した。


こいつは絶対に生かしていちゃいけない。

死んでいい人間なんて居ないなんて、本当に酷い奴に酷い目に合わされた事のない奴の戯言だ。


だから私は隠し持った出刃包丁を、


()()()()の背中に突き立てた。

貴方は先人の言葉を自分の都合の良いように曲解していませんか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ああ、前々から妹の振りして既成事実作っていたのか。 それはもう、消すしかない罠。
2024/03/11 12:54 dekesan
[一言] 人を煽るのに命かけてるようなのいるよね
2022/06/04 13:00 メガネマン
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ