“深み”増した「FACTORY GIRLS」本日開幕、柚希礼音「パワーがお客様に届くと思う」にソニン涙

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本日6月5日に東京・東京国際フォーラム ホールCで「ミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』」が開幕。それに先駆け同日昼、囲み取材が行われた。

後列左から水田航生、平野綾、清水くるみ、板垣恭一、前列左からソニン、柚希礼音、実咲凜音。

後列左から水田航生、平野綾、清水くるみ、板垣恭一、前列左からソニン、柚希礼音、実咲凜音。

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本作は、2019年に日本で初演を迎えたオリジナルミュージカル。19世紀のアメリカ北部で、自身の尊厳と労働環境の向上を求めて立ち上がった女性たちの姿が描かれる。作詞・作曲をクレイトン・アイロンズ&ショーン・マホニー、脚本・歌詞・演出を板垣恭一が手がけた同作は、第27回読売演劇大賞優秀作品賞に選ばれた。再演となる今回は、柚希礼音ソニン実咲凜音清水くるみが続投するほか、新たなキャストが迎えられる。

後列左から水田航生、平野綾、清水くるみ、板垣恭一、前列左からソニン、柚希礼音、実咲凜音。

後列左から水田航生、平野綾、清水くるみ、板垣恭一、前列左からソニン、柚希礼音、実咲凜音。[拡大]

囲み取材には柚希、ソニン、実咲、清水、平野綾水田航生、板垣が参加。柚希は今回の再演を喜び、「初演メンバーも新メンバーも、それぞれの3年半がすごく詰まっているなと思うくらい、深い作品になっています。『FACTORY GIRLS』にパワーをもらったり、背中を押してもらったりしながら稽古をして参りました。そのパワーがお客様に届くと思いますので、多くの方に観ていただきたいです!」と語った。ソニンは柚希のコメントに涙を浮かべ、「初演のあとにコロナが始まり、(今回の)稽古中でマスクが外れ、初日まで来ることができたんだなと思うと……」と言葉を詰まらせながら、「初演と変わらず前進し続け、切磋琢磨して、試行錯誤しながら再演ver.を作り上げてきました。紡績工場のお話ですが、みんなの太い糸が重なり合って、お客さんを交えて布になる、その瞬間を今日迎えられると思うとすごくうれしい。さらにパワーアップしたものをお届けできると確信しています」と言葉に力を込めた。

「ミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』」囲み取材の様子。

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実咲は「誰よりも早くお稽古場に入られて自分の準備をしている柚希さん、誰よりも役のことを考えてお稽古場で調整されているソニンさんの背中を見て、良いチームワークで稽古を重ね、今日を迎えられました。私が演じるアビゲイル役には、共感できる部分が多くて、さらに大好きになったと実感しています」、清水は「再演に出るのが初めてで、そういう思い入れもありますが、お客さんの反応がどうなるのかとワクワクしています」と言い、来場を呼びかけた。

「ミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』」より。

「ミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』」より。[拡大]

「ミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』」より。

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今回から作品に参加する平野は稽古場の様子を振り返り、「毎日すごい熱量で。作品を終えると一気に“解散!”となってしまうのですが、公演が始まる前から『解散したくない』と思ってしまうような、濃い時間を過ごして、(共演者と)家族になったような感覚で取り組んできました。たくさんの方に観に来ていただきたいです」とコメント。また、水田は「FACTORY GIRLSから生きる力を感じますし、そういうパワーはお客さんに絶対に伝わる。それぞれが必死に生き抜こうとしている力をぜひ劇場で感じていただければ」と述べた。

「ミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』」より。

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また、板垣は「見どころについて僕にも言わせてください」と口火を切ると、「女性が主人公ではありますが、現代を生きる我々にも関係のある、労働や差別、貧困の問題を描いた人間ドラマです。今回は再演かつオリジナル作品なので、好き勝手にブラッシュアップができる。そこで、振付は全部変えましたし、新たな舞台美術に合わせて人の動きも違います。まったく新しいものを改めて作った、というのが見どころです」と話す。また、出演者については「3年以上の時を経て、人としての重さが明らかに増した」という。それを反映するかのように「ドラマに深みが増して、重みが付いたんじゃないかなと。新メンバーの(平野)綾ちゃんはいろいろな技術で作品に新しい風を吹かせてくれましたし、(水田)航生くんは綺麗なプリンス姿に僕が見惚れてしまうくらい、素晴らしい演技ぶり。寺西(拓人)くんは移民の役で、ダークサイドを背負わなければならないのですが、彼自身がとても爽やかなので『屈折してみようか?』と言ったら、翌日からちゃんと“屈折キャラ”を作ってきてくれました。いろいろな発見がある稽古場だった」と振り返った。

「ミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』」より。

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最後に、サラ・バグリー(柚希)が文章の力で労働争議へと身を投じる物語になぞらえて、記者から「今、誰かに伝えたいこと」を尋ねられると、水田が元男役の柚希に「僕の髪型大丈夫ですか?」と聞き、ソニンが今朝、タクシーの運転手に落とし物を見つけてもらい「感謝を伝えたい」と答えるなど、エピソードを披露。柚希は作品について言及し、「早くお客様にお会いしたい、闘志がメラメラと燃えている、ということ」を伝えたいと意気込む。さらに「女性が男性を責めるお話ではなく、この作品で伝えたいのは、女性も人間としての人権を得るために闘ったということ。19世紀のアメリカのお話ですが、今の皆様にも刺さるものがあると思います。私も稽古をしながら(はらわたが)煮え返りましたし、いろいろな感情で毎日過ごしました。その思いを一緒に感じていただきたいですし、また明日からがんばろうという気持ちになれる作品です。ぜひ多くの方に観に来ていただければ」と語り、場を締めくくった。

上演時間は休憩ありの約3時間。東京公演は6月13日まで。その後、24・25日に福岡・キャナルシティ劇場、29日から7月2日まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールでも上演される。

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「ミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』」

2023年6月5日(月)~13日(火)
東京都 東京国際フォーラム ホールC

2023年6月24日(土)・25日(日)
福岡県 キャナルシティ劇場

2023年6月29日(木)~7月2日(日)
大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

作詞・作曲:クレイトン・アイロンズ&ショーン・マホニー
脚本・歌詞・演出:板垣恭一

キャスト

サラ・バグリー:柚希礼音
ハリエット・ファーリー:ソニン

アビゲイル:実咲凜音
ルーシー・ラーコム:清水くるみ

マーシャ:平野綾

ベンジャミン・カーティス:水田航生
シェイマス:寺西拓人

ヘプサベス:松原凜子
グレイディーズ:谷口ゆうな
フローリア:能條愛未

アボット・ローレンス:原田優一

ウィリアム・スクーラー:戸井勝海

ラーコム夫人 / オールドルーシー:春風ひとみ

佐々木崇丸山泰右、酒井翔子、杉山真梨佳、井上花菜、舩山智香子、半澤昇、國末慶宏、山崎感音、久信田敦子、鈴木里菜

※山崎感音の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

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