まふまふがファンとの再会誓った活動休止前ラストライブ「僕のわがままに付き合ってくれてありがとう」

70

12524

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 2413 10103
  • 8 シェア

まふまふが6月11、12日に東京・東京ドームにて「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」を開催した。

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」の様子。

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」の様子。

大きなサイズで見る(全7件)

6月5日に、本公演をもってソロ活動を無期限で休止することを発表したまふまふ。この公演は彼にとって3年ぶりの有観客ライブとなり、6月11日は「表-OMOTE-」、12日は「裏-URA-」と銘打ってそれぞれ異なる楽曲と演出でパフォーマンスが披露された。

1日目

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」の様子。

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」の様子。[拡大]

ステージを覆っていた巨大なLEDスクリーンがせり上がると、そこには純白の衣装に身を包んだまふまふの姿が。スモークが立ち込めるステージに神々しい出立ちで現れたまふまふは「神様の遺伝子」を歌い始め、2日間にわたる東京ドーム公演をスタートさせた。2曲目「輪廻転生」の冒頭では特効が焚かれ、「ブレス」では無数の火柱が上がるという豪華な演出の中、まふまふはつんざくようなハイトーンボイスをドームに響かせ、オーディエンスを圧倒していく。

昨年5月に東京ドームで無観客ライブを開催していたまふまふは、観客で埋め尽くされた会場内の景色に感動。「圧巻ですね。すごい」と声を漏らし、白いペンライトが灯る客席をじっくりと奥まで見渡す。1日目と2日目でまったく異なるセットリストを展開することを説明したまふまふは、「このライブのために新曲を持ってきました。聴いてください」と曲振りし、「エグゼキューション」を初披露。さらに彼は「携帯恋話」「ユウレイ」といった切ないラブソングを歌い上げ、会場内をしっとりしたムードへと変えていった。

ファンから根強い人気のある「林檎花火とソーダの海」の歌唱中には、ステージを囲むように赤提灯が灯り、ドーム内は一気にお祭りムードに変わる。横に広く伸びたステージを歩きながら歌唱した「快晴のバスに乗る」、ギターを手にしてギタリストとしての一面を見せた「ひともどき」「栞」など、初日公演は「表-OMOTE-」の名に違わないアッパーなロックサウンド中心のセットリストが繰り広げられた。

ハイタッチをするまふまふとそらる。

ハイタッチをするまふまふとそらる。[拡大]

ライブ後半、「1・2・3」のイントロが鳴るとステージにまふまふの“相方”であるそらるが登場。思わぬサプライズゲストの登場に客席が沸く中、そらるとまふまふは花道を駆け出し、センターステージで「1・2・3」を熱唱した。2人は向かい合って「キミにきめた!」という最後の一節を歌うと、そのまま駆け寄ってハイタッチ。息ピッタリの2人のパフォーマンスに万雷の拍手が贈られた。ここまで1人でMCをつないできたまふまふは、相方の登場にリラックスした表情を見せ、ステージから見える壮観な景色をそらるにも見せて喜びを共有した。「楽しいときばかりじゃなく、病めるときも、健やかなるときも一緒にやってきた」と、出会ってからの10年を回想した2人はAfter the Rainとして「ラクガキサマ」「桜花ニ月夜ト袖シグレ」を歌唱。「桜花ニ月夜ト袖シグレ」では、観客がペンライトの色を、桜を表すピンクに変え、ドーム内に綺麗な桜を咲かせた。名残惜しそうにしながらもステージからそらるを送り出したまふまふは「そらるさんが出てくれて勇気付けられた。本当にいつも支えられている」と、相方への感謝の言葉を送った。

ミラーボールに当たった光が乱反射し、ドームの天井に星空のような光を映し出した「水彩銀河のクロニクル」を経て、ライブは最終盤へ。最後にまふまふは振り絞るような気迫あふれるパフォーマンスで「夜空のクレヨン」を歌い上げ、ライブ本編の幕を閉じた。

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」の様子。

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」の様子。[拡大]

「やっぱりこれでしょ!」というまふまふの言葉が会場内に響くと、2019年のメットライフドーム公演でも使われた“まふてる”の気球に乗ったまふまふが登場。気球の高度に少し怯えながらも「すーぱーぬこになれんかった」と「女の子になりたい」を歌ったまふまふは、無事ステージに降り立つと「命の危険と精神的な危険が同時に襲ってきた」と後悔しながらも「また空を飛びたかった」とドーム公演への思いを語る。さらに「子供のときからいろんな夢を追ってきたんだけど、『ミュージシャンになりたい』と思ったときからは『ミュージシャンになりたい』を貫いてきた」と話し始めた彼は、「活動休止を発表してから、昔の友人からたくさん連絡が来た」「まふまふになってからの11年が僕のすべてだと思ってきたけど、僕が生まれてから30年間、ちゃんとつながっているんだなと思った」と、自身の歩みを振り返る。さらに「僕がお休みするのは、みんなと大きな一歩を踏み出すため。戻ってきたときは最強になってるから、よろしくな!」とファンに呼びかけた。長らくまふまふのライブを支えてきたバンドメンバーには「ヤバい曲、いっぱい作ってきちゃうよ」と声をかけ、彼はこの日最後の楽曲「眠れる森のシンデレラ」を歌唱。「本当に感謝してる。本当に心から感謝してる。緊張でいっぱいだったけど、終わってほしくない」とこぼしたまふまふは、名残惜しそうにしながら改めてファンに感謝の言葉を述べ、ステージをあとにした。

2日目

客席でペンライトの眩い光が揺れ動く中、1日目の純白な装いとは打って変わって漆黒の衣装を身に纏ったまふまふが登場。「サクリファイス」で得意のハイトーンボイスを響かせ、2日目の火蓋を切って落とす。「自壊プログラム」では、激しいサウンドと呼応するかのようにステージ上で炎が勢いよく噴射するという派手な演出も。「立ち入り禁止」歌唱後に会場がしばしの間静寂に包み込まれたのち、まふまふが「東京ドームの皆さん、こんにちはー! やっほー!」と朗らかに挨拶すると、会場は温かな拍手に包まれる。その後彼は「僕の曲の中には、つらい曲もたくさんあって、今日のライブでは、そういうさみしさなどをつづった曲をたくさん歌います」と“裏”と銘打ったライブ2日目のコンセプトを説明しつつ、「ここにはなんと仲間しかいません。敵がいないぞ。みんな仲間だぞ! 今日は笑おうが泣こうが何をしようが、許されてしまうと思うんです。だから今日は、思い切り自分の感情を爆発させてください」と語りかけた。

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」の様子。

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」の様子。[拡大]

MC後にまふまふは、1日目に引き続き新曲「エグゼキューション」を披露。続けてサビで大胆な転調を見せる「空腹」などがパフォーマンスされ、激しさを増していくバンドメンバーの演奏と比例するように、観客のペンライトの揺れも次第に大きくなっていく。「もう少しアップテンポの曲にもお付き合いください」と、和テイストの曲にまっすぐな恋心を乗せて歌った「夢のまた夢」から「ひともどき」「栞」を畳みかけたのち、まふまふは煌びやかな装飾があしらわれた白と黒の衣装にチェンジ。ラウドなサウンドや過激な歌詞が印象的な「ハローディストピア」、ぎゅっと詰め込まれた言葉とギターのカッティングが耳を引く「デジャヴ」を披露し会場のボルテージを高めていった。

中盤では「今日、友達が観に来てくれてるんだけど、『俺らのことMCで話してくれよ』って厄介なこと言われて。キヨとEveに!」という“友達”とのエピソードに会場が沸き立つ場面も。EDMナンバー「フューリー」が披露されると、観客の体の揺れが大きくなり東京ドームがさながら広大なダンスホールのように様変わり。「イカサマダンス」ではまふまふが客席中央のステージに移動し、ライブ終盤に向けてさらなる盛り上がりを作り出していった。

「僕は幸せだよ、ありがとう! 終わってしまうのが名残惜しい、どうしよう。今日はここが僕たちの世界です! 悔いのないように楽しんでおくれ!」という言葉に続けて披露されたのは「神様の遺伝子」。白煙が漂う神秘的な雰囲気のステージから、エモーショナルな歌声がまっすぐと伸びていく。立て続けに歌われた「暗い微睡みの呼ぶ方へ」では耳をつんざくような鮮烈なハイトーンボイスが響き渡った。そして本編ラストに彼は、カンザキイオリ作のボカロ曲「命に嫌われている。」を情感たっぷりに歌い上げステージをあとにした。

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」の様子。

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」の様子。[拡大]

アンコールでは、1日目と同様に“まふてる”のイラストが描かれた気球に乗ったまふまふが、「すーぱーぬこになれんかった」を歌いながら観客の前に姿を現す。さらに「女の子になりたい」のパフォーマンスとともに気球で場内をぐるりと回遊。笑顔で観客に手を振りながら、再びステージへと戻っていく。気球から降りたまふまふは「こんなの茶番だ! 思ってたミュージシャンと違う!」とユーモラスに悪態をつきながらも「本当に11年間ありがとうございました」と改めて感謝の気持ちを述べる。会場が大きな拍手に包まれ感動的な空気が漂うも、「今日のライブを楽しい記憶で終わらせたら、きっとまた次も幸せな顔で会えますよ。しめっぽく終わらせないぞ。楽しんでいくぞ!」とあくまで明るく振る舞うまふまふ。そして「1つ、ずっとやりたかったことがあるんだ。みんな内緒にしてくれるかな?」と問いかけながら神様、僕は気づいてしまったの「CQCQ」をカバー。演奏後に彼は「いい曲だな。声が似てるってよく言われるんだよなあ」と笑みをこぼしながら呟いた。

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」の様子。

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」の様子。[拡大]

ラストにまふまふは「僕のわがままに今まで付き合ってくれてありがとう。またどこかで会おう。ありったけの声で歌うぞ!!」と「輪廻転生」を披露。2日間で計46曲を歌ったまふまふは、無数の観客が波を打ったように激しく動く中、最後まで力強いハイトーンボイスを枯らすことなく響かせ続ける。そして最後は彼のジャンプとともに火花が激しく散り、大団円でライブが終了。パフォーマンス後にまふまふは「今まで本当にありがとうございました!」という感謝の言葉とともに深々とお辞儀をし、「いつかまた会おーう!」と一点の曇りもない晴れやかな声で観客と再会を誓う。そのまま静かにステージを去っていくまふまふを見守るように、客席からは惜しみない拍手が送られ続けた。

この記事の画像(全7件)

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」2022年6月11日 東京ドーム セットリスト

01. 神様の遺伝子
02. 輪廻転生
03. ブレス
04. エグゼキューション
05. 携帯恋話
06. ユウレイ
07. 林檎花火とソーダの海
08. 快晴のバスに乗る
09. ひともどき
10. 栞
11. 曼珠沙華
12. 動かざること山の如し
13. あさきゆめみし
14. 夢のまた夢
15. 1・2・3(After the Rain)
16. ラクガキサマ(After the Rain)
17. 桜花ニ月夜ト袖シグレ(After the Rain)
18. 水彩銀河のクロニクル
19. 君のくれたアステリズム
20. 夜空のクレヨン
<アンコール>
21. すーぱーぬこになれんかった
22. 女の子になりたい
23. 眠れる森のシンデレラ

「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」2022年6月12日 東京ドーム セットリスト

01. サクリファイス
02. 自壊プログラム
03. 立ち入り禁止
04. エグゼキューション
05. 悔やむと書いてミライ
06. 空腹
07. 夢のまた夢
08. ひともどき
09. 栞
10. ジグソーパズル
11. ハローディストピア
12. デジャヴ
13. フューリー
14. 忍びのすゝめ
15. イカサマダンス
16. ブレス
17. 神様の遺伝子
18. 暗い微睡みの呼ぶほうへ
19. 命に嫌われている。
<アンコール>
20. スーパーぬこになれんかった
21. 女の子になりたい
22. CQCQ(神様、僕は気づいてしまった)
23. 輪廻転生

全文を表示
撮影:小松陽祐[ODD JOB] / 堀卓朗[ELENORE] / 加藤千絵 [CAPS] / 岡部守郎 / 飯岡拓也[Tenrich]

読者の反応

  • 70

さくら🎀💜 @kimetukeruna

まふまふがファンとの再会誓った活動休止前ラストライブ「僕のわがままに付き合ってくれてありがとう」

まふまふが6月11、12日に東京・東京ドームにて「ひきこもりでもLIVEがしたい! ~すーぱーまふまふわーるど2022@東京ドーム~『表 / 裏』」を開催した。

#まふまふ https://t.co/HqaSszi63D

コメントを読む(70件)

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 まふまふ / そらる の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。