大森が心酔するハロー!プロジェクトの公演が多々行われる中野サンプラザホール。彼女はこの場所でのライブを迎えるにあたって、Twitterで「いよいよ聖地中野サンプラザでライブ どんなライブハウスより通った、思い入れのある場所 もらってきた愛を返すよ!」とコメントしたほか、開演前の場内BGMに道重さゆみ(ex. モーニング娘。'14)の「ラララのピピピ」を選曲した。
開演時間を過ぎて照明が落ちると、ステージに幕が降りた状態で大森の歌声を複数パターン重ねた未発表曲が流れ始める。しばらくして幕が上がり、森をイメージしたステージセットに1人で立つ大森が姿を現した。アコースティックギターを提げた彼女はピンク色のスポットライトを浴びながら「PINK」を演奏。1曲目から激情的な歌唱で観客を圧倒した。
大森は「秘めごと」「夏果て」「デートはやめよう」を弾き語りで次々と繰り出していく。そして彼女が「魔法が使えないなら」を演奏していると、ピエール中野(Dr /
拍手を送る観客に向かって「このアホらしい名前のツアーに来るバカがこんなにいるなんてうれしい」とうれしそうに話す大森。彼女はライブ中盤に「子供じゃないもん17」を歌いながらキュートに踊ったり、「おまけ▽~スーパーフリーポップ~」の歌唱時にステージを降りてオーディエンスに借りたメガネをかけてみたりしながらパフォーマンスを展開。そして肩の開いたドレスに着替え「キラキラ」「歌謡曲」をピアノの弾き語りで、「さようなら」をアカペラで、それぞれ情念を込めるように力強く歌い上げる。ファンは歓声も上げずに彼女のパフォーマンスをじっと見守った。
ライブ後半のMCで彼女は過去2回のツアーと今回の全国ツアーを回想しながらそれぞれに紆余曲折があったことを明かして観客を笑わせ、「これから先もいろいろやりたいことがある」と意気込んでみせた。そして「春の公園(調布にて)」と題した詩を朗読し、「新宿」でバンドと一緒に轟音を響かせると、オフマイクで「音楽は魔法ではない! 音楽は魔法ではない!」と声を上げ、「音楽を捨てよ、そして音楽へ」を歌い始める。客席のファン1人ひとりとコミュニケーションを取りながら至近距離で楽曲を歌い、最後はステージにあったマイクスタンドを客席中央通路に立て、そのままホールをあとにした。
アンコールに登場した大森は7月15日にシングルをリリースすることを発表し、収録曲「マジックミラー」を初披露した。彼女はこの楽曲について「私は鏡になりたいんです。みんなが持ってきたものを増大して返せるような、そういう芸術に私はなりたいと思っています」と語り、疾走感のあるバンドサウンドと切なさを帯びたメロディを届けた。後半にはステージ背面に現れた鏡で観客を映すという演出も行われた。
最後に彼女は音楽番組「MUSIC JAPAN」でモー娘。卒業前に道重と共演できたこと、一部で解体が報道されている中野サンプラザでライブができたことを振り返り「間に合ってよかった」と話す。続けて「これからもいろんなことに間に合い続けたいなと思ってます」と口にし、ファンから万雷の拍手を浴びた。この日のラストナンバーはロックアレンジが施された「ミッドナイト清純異性交遊」。道重の卒業公演の衣装と同様にたくさんの花をあしらったスカートを履いた彼女は楽曲のアウトロ部分「ラララ ピピピ」というフレーズを歌い上げ、“聖地”での公演を完遂した。
大森靖子全国ツアー▼爆裂!ナナちゃんとイくラブラブ洗脳ツアー▼ ~ノスタルジック 中野サンプラザ~
2015年4月26日 中野サンプラザホール セットリスト
01. PINK
02. 秘めごと
03. 夏果て
04. デートはやめよう
05. 魔法が使えないなら
06. 絶対絶望絶好調
07. きゅるきゅる
08. イミテーションガール
09. ノスタルジックJ-POP
10. あまい
11. エンドレスダンス
12. 子供じゃないもん17
13. 君と映画
14. おまけ▽~スーパーフリーポップ~
15. KITTY'S BLUES
16. キラキラ
17. 歌謡曲
18. さようなら
19. 呪いは水色
20. 絶対彼女
21. 少女3号
22. あたし天使の堪忍袋
23. 春の公園(調布にて)(朗読)
24. 焼肉デート
25. 新宿
26. 音楽を捨てよ、そして音楽へ
<アンコール>
27. マジックミラー(新曲)
28. ミッドナイト清純異性交遊
※記事中の「▼」「▽」はそれぞれハートマークが正式表記。
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緋村 月 @himuralight
大森靖子「間に合ってよかった」聖地の中野サンプラザ公演 - 音楽ナタリー http://t.co/KMGCEAPBF1