昨日8月4日、東京・日本武道館にて
休止前最後のライブとなったこの日、360°開放した武道館の客席には1万4000人が集結。開演前からアンジーを呼ぶ手拍子が沸き起こる中、バンドメンバーの村石雅行(Dr, Key, Cho)、沖山優司(B, G, Key, Cho)とアンジーは大歓声を浴びながら登場した。トリオは「告白」「Again」というアップテンポなナンバーで勢いよくライブをスタートさせる。アンジーは最初のMCで「今日はいろんな意味で集大成。演奏もそうやけど、トークも集大成!(笑)」と明るく話した。
その後は、アコースティックギターを抱えて歌う「輝く人」、1stアルバム「Home」に収録された「Kiss Me Good-Bye」「心の戦士」「大袈裟に愛してる」、そしてTHE BLUE HEARTS「TRAIN TRAIN」のカバーなどが続く。途中には「スナックふるさと」と題して、饒舌なアンジーならではのバラエティコーナーも用意され、自身の昔のエピソードを軽快な語り口で披露して会場の笑いを誘った。
この和やかなムードから一転して、公演の中でも異彩を放ったのは「モラルの葬式」。この妖しくエッジィなナンバーでディープなアンジェラ・アキの世界を見せつけたあとは、1人きりのピアノ弾き語りで「乙女心」「ダリア」をじっくりと届け、「This Love」で情感あふれる歌声を響かせた。そして、休止前最後のシングルとなった「夢の終わり 愛の始まり」から多くの人が立ち上がり、アップテンポで盛り上がっていくパートへ。「たしかに」ではアンジーが携帯電話のライトを付けるよう全員に呼びかけ、「小宇宙にいるみたい」という空間で圧巻のシンガロングを巻き起こした。
本編の最後は、「たくさんの人に聴いてもらって、たくさんの人に歌ってもらったからこそ羽ばたいていった1曲。みんな一緒に歌ってくれますか?」と話して「手紙~拝啓 十五の君へ~」を演奏。アンジーの言葉に従って観客の大合唱が全編響き渡り、武道館は大きな一体感と感動に包まれた。
恒例のグッズ紹介トークから始まったアンコール。アンジーは約10年におよぶアーティスト活動を振り返り「素晴らしいスタッフに恵まれたことに感謝」と語る。アンコールの1曲目には、そんなスタッフと歩むきっかけになったメジャーデビュー曲「HOME」を披露した。ここで村石、沖山とのトリオ形式での演奏は終わるため、盟友の2人からアンジーへはなむけの言葉が送られた。まず沖山は「デビュー前から丸10年、ずっとそばにいることができてとても幸せでした。素晴らしい経験と思い出をありがとう」とコメント。村石は「10年間、楽しかったです。ありがとう。今日は絶対最後ではないんで、早くアメリカで用事済ませて帰ってきてください」と話した。
1人ピアノの前に座ったアンジーは、最後のMCを展開。「今までたくさん『アンジェラさんにとって音楽とはなんですか?』と聞かれてきたけど、私がたどり着いた答えは“つながり”でした。デビューしてから、こんなにもたくさんの人に自分の音楽を聴いてもらえる日が来るなんて……」と涙で声を詰まらせながらも、真剣に話を続ける。「このつながりは私の一生の財産。活動を休止するからって、このつながりが切れるとは思っていない」という彼女は、「今月の末からまた新たな夢に向けて歩き出します。壁にぶつかったら、目を閉じてみんなとのつながりを感じてがんばりたいと思います。10年間、心の底から本当に、ありがとうございました」と語り、最後の曲「サクラ色」を始めた。
アンジーは「サクラ色」の曲中にある「Keep on dreaming all your life」(いつまでも夢を見続けて)というメッセージを万感の思いで歌唱。場内ではすすり泣く声も聞こえる中、桜色のハンカチを掲げて振る人や携帯電話のライトを付けて揺らす人が自然と多くなる。さらに大サビでは天井から桜色の紙吹雪が舞い、彼女の旅立ちを祝福するような光景が武道館中に広がった。全20曲を終えたアンジーは、笑顔で全方向に手を降り、長く深いお辞儀をしてオーディエンスに感謝を伝えた。
なお、彼女は夫と息子の家族3人でアメリカに移住し、今月末から現地の音楽大学に1年生として入学する。現在取り組んでいるブロードウェイでのミュージカルを制作するというプロジェクトを成功させるためにも、数年間は新しい環境で勉強に集中し、創作活動に打ち込むという。
アンジェラ・アキ「アンジェラ・アキ Concert Tour 2014 TAPESTRY OF SONGS -THE BEST OF ANGELA AKI」
2014年8月4日 日本武道館 セットリスト
01. 告白
02. Again
03. 輝く人
04. Final Destination
05. Kiss Me Good-Bye
06. 心の戦士
07. 大袈裟に愛してる
08. TRAIN TRAIN
09. 孤独のカケラ
10. 始まりのバラード
11. モラルの葬式
12. 乙女心
13. ダリア
14. This Love
15. 夢の終わり 愛の始まり
16. MUSIC
17. たしかに
18. 手紙~拝啓 十五の君へ~
<アンコール>
19. HOME
20. サクラ色
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