「仮面ライダーガッチャード ファイナルステージ」が、10月20日の東京・昭和女子大学 人見記念講堂における公演で最終日を迎える。本イベントは「仮面ライダーガッチャード」テレビシリーズの最終回後を描くオリジナルストーリーのショーと、トークおよびキャラクターソングの歌唱で構成されるもの。千秋楽の3公演は「スペシャルデー」として行われ、uP!!!(アップ)およびTELASA(テラサ)で生配信される。
恒例となっている仮面ライダーのファイナルステージは、レギュラーキャストたちが全国を回るのが人気の秘訣。今年はなんと、レギュラーキャスト10名に主題歌アーティストのBACK-ONを加えた12名が全公演に参加し、ファイナルステージ史上最多人数で全国4都市のファンに感謝を伝える。映画ナタリーでは千秋楽を前にキャストの座談会を実施し、イベントの魅力やテレビシリーズの裏話を語ってもらうことに。せっかくなので本島純政、松本麗世、藤林泰也、安倍乙、富園力也、熊木陸斗、宮原華音、坂巻有紗、福田沙紀、加部亜門という10人全員に参加してもらった。「ガッチャード」特有のわちゃわちゃした化学反応を文字でも味わってほしい。記事末にはフォトギャラリーも用意しているのでそちらも楽しんでほしい。
取材・文 / 桐沢たえ撮影 / 塩崎智裕
uP!!!およびTELASAでは、最終日・スペシャルデーの模様を3公演とも独占配信!
「仮面ライダーガッチャード ファイナルステージ」東京会場 DAY2(SP公演)
配信情報
日時:2024年10月20日(日)
1回目 開演 10:00
2回目 開演 13:30
3回目 開演 17:00
アーカイブ配信期間
各公演ライブ配信終了後~10月27日(日)23:59
「仮面ライダーガッチャード ファイナルステージ」
公演情報
東京公演 DAY1
2024年10月19日(土) 東京都 昭和女子大学 人見記念講堂
1回目 開場 9:15 / 開演 10:00
2回目 開場 12:30 / 開演 13:15
3回目 開場 15:45 / 開演 16:30
東京公演 DAY2(SP公演)
2024年10月20日(日) 東京都 昭和女子大学 人見記念講堂
1回目 開場 9:15 / 開演 10:00
2回目 開場 12:45 / 開演 13:30
3回目 開場 16:15 / 開演 17:00
ヤスが最初の読み合わせで言ったこと、覚えてない?(本島)
──「仮面ライダーガッチャード」1年間お疲れ様でした! 今回はファイナルステージにご出演の10名のキャストの皆様にお話を伺えるということで楽しみにして来ました。まずは本島さん、松本さん、藤林さんにお伺いします。今年は「仮面ライダーガッチャード」一色だったと思いますが、振り返るとどんな1年でしたか?
本島純政(一ノ瀬宝太郎 / 仮面ライダーガッチャード役) 僕はもう本当にこのメンバーみんなと出会えてよかったなって思いますね。作品にもこのメンバーだからこその魅力を出せたんじゃないかなって。プライベートでもみんな仲が良くて、思ったことをすぐ言い合えるんです。その仲の良さが観てる方にも伝わっていたらすごくうれしいです。
松本麗世(九堂りんね / 仮面ライダーマジェード役) 長いようで本当に短い1年間で。一瞬で終わっちゃったなっていう寂しさもあるんですけど、このメンバーと、りんねちゃんという役と出会えて成長できたことが多かったなって思ってます。
藤林泰也(黒鋼スパナ / 仮面ライダーヴァルバラド役) 僕はもう何年も連続で(仮面ライダーシリーズのオーディションを)受け続けてきたんです。だから「受かってたらこうなんだろうな」っていう想像はしてたんですけど、それをゆうに超えてくるワクワクとドキドキと、経験。そしてこのメンバーに出会えたことが自分の中で予想外であったし大きな収穫だったなって。
──あっという間でありながら、いろいろなことがあった1年だったとも思います。1年の撮影を通して、このキャストはこう変わったな、成長したなと思うことをぜひ教えてください。
坂巻有紗(ラケシス役) まあヤスは変わら、ない……?
藤林 ある意味変わってない。
福田沙紀(枝見鏡花役) 本当にずっとこんな感じだよね?
加部亜門(加治木涼役) カラ元気。
藤林 カラ元気じゃないよ! 詰まってる! 牧場で食べるソーセージぐらい詰まってるよ!
坂巻 りんねちゃんに関しては、マジェードに変身したときくらいから変化を感じましたね。最初はかわいいヒロインだったけど、そこに「強い」が加わって。変身する前のりんねちゃんとしての気持ちの込め方とか……。
福田 顔つきとかもね。
坂巻 そう、顔つきとかも変わったなって。
──特に冬映画(「仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦」)のあとぐらいから、目や声のお芝居に一層引き込まれるようになりました。
松本 えー、本当ですか? うれしいです!
──本島さんはいかがですか?
藤林 ちょっと髪伸びた、以上です(笑)。
一同 (笑)
──ご自身が感じたことでも大丈夫です。
本島 僕だけ自分で? 誰か言ってよ!(笑)
藤林 ちょっと髪が伸びましたね、でいいんじゃない?
福田 愛されキャラだよね。
本島 僕は「変わらせてもらえた」ってすごく思いますね。みんなが僕に「ここはこうしたほうがいいんじゃないか」とかアドバイスをしてくれるんです。現場での居方だったり演技だったり。僕自身気付きたくても気付けないことが多かったんで、みんなが1つひとつ教えてくれました。
藤林 誰かから言ってもらって響いた言葉とかないの?
本島 それで言ったらヤスかな。一番最初に読み合わせしたときに「1日1日を大切にな」みたいなこと、俺に言ったの覚えてない?
藤林 言った! 「主役ってハードル高いけど、がんばろうね」みたいな。あと「これ(仮面ライダーに選ばれたこと)は普通じゃない」って言ったのも覚えてるな。「普通じゃないってことだけ理解したうえで、謙虚に1年、お互いがんばろうね」って。これ、マジで言ったんすよ。
坂巻 知ってる知ってる(笑)。それが響いたんだ。
藤林 でも田崎(竜太)監督に一番最初に言われた演技のアドバイスもよかったな。
坂巻 よかった、バケツの話だよね?
──バケツ?
本島 バケツを最初に監督が用意してくださって、そのバケツに水を注ぐのが役者の僕らという例えなんですけど。水を注いでバケツからあふれたものが表に出てる感情で、あふれさせるまでに気持ちをちゃんと埋めてこいよっていう。しかもそれは現場で相手から得たお芝居と、自分で持ってくるものどっちも必要で、自分の気持ちだけであふれてはダメだからって教えていただいて。それはすごく響いてますね。
「それが宝太郎っぽいから」ってOKになったんだよね(藤林)
──この1年間、TV放送のほかにイベントなども開催されました。私は5月の「仮面ライダーガッチャード ガッチャンコFESTIVAL!!」もリハから見させていただいたんですけど、皆さんすごく楽しそうで、特に本島さんはリハから宝太郎っぽくてほっこりしたのをよく覚えています。インタビューや関係者のSNSなどを拝見していても「本島さんは宝太郎そのもの」「本島さんはピュアだな」みたいな話をよく聞くのですが、皆さんが「本島くんは宝太郎と似てる」と思ったエピソードがあればお聞きしたいです。
藤林 宝太郎ってけっこう奇想天外な料理をしてくれるんですけど、純政も料理がすごい好きで。あるとき、茶色い塊を持ってきて。
本島 おい!(笑)
藤林 見栄えはよくないんですよ、決して。「何これ?」って聞いたら、プロテインで作ったケーキだっていう。
──宝太郎っぽいなあ(笑)。
藤林 あとは自分なりのアレンジレシピで料理を作るのが好きなので、そういったところが宝太郎っぽくていいなと思いましたね。
──サラダを毎日作って現場に持って行かれたり、お料理をよくしてましたよね。
本島 めちゃくちゃ作ってます。いまだにやってます。
安倍乙(銀杏蓮華役) あれは? ロミジュリのセリフ忘れてたやつ。
加部 あれ面白かったな(笑)。
──31話の劇中劇「ロミオとジュリエット」ですね。
松本 宝太郎が「俺、セリフ覚えるの苦手で」っていうセリフを覚えてなくて(笑)。
一同 (笑)
松本 宝太郎らしいねって。
藤林 最終話近くでもさ、変身のポーズしたまま「変身!」って言わずにずっと止まってたことがあった(笑)。変身って言ってよ!みたいな。
本島 いや、これでストップかと思って。言うの忘れちゃって。
──でも熊木さんもサマステ(「テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION」)の「ガッチャード」ステージで変身ポーズを披露するとき「変身」って言い忘れてましたよね?(笑)
熊木陸斗(ミナト役) ……はい。
一同 (笑)
藤林 先生と生徒は似るんですね。
熊木 帰ってから気付きました。
一同 えー?
──気付くまでけっこうかかりましたね(笑)
藤林 (安倍、富園に)2人はないの?
安倍 ……あるよな?(富園に)
富園力也(鶴原錆丸役) 蓮華、ズルい(笑)。あれかなあ。錆丸回のときに、宝太郎が階段でつまずいたんですけど。
──あれ、マジゴケなんですか?
富園 マジゴケです。そういう場面で、ガチでやらかすんで(笑)。
藤林 でも「それが宝太郎っぽいから」ってOKになったんだよね。
本島 まさかOKになると思わなかったですね。
──蓮華の故郷回(28話、29話)の階段での長回しのシーンで、「テンライナーで行こうよ」「ダメだよ」みたいに皆さんが自由にしゃべっているくだりも面白かったです。
富園 あれもアドリブですね。
──打ち合わせなしなんですか?
安倍 はい。
藤林 田口(清隆)監督がああいう長回しが好きなんで、その中で生まれたシーンですね。
「『アトロポスと一緒に戦う』っていうのが素敵だなって」(松本)
──そんな、みんなから愛されてる宝太郎なんですが、りんねとスパナとともに仮面ライダーに変身して戦ってきました。ライダーに初めて変身したときの感想をぜひ教えてください。
藤林 僕は一番最初が仮面ライダーへの「変身」ではなくヴァルバラドへの「鉄鋼」なんですが、ちょっと硬かったな。
加部 鉄鋼だけに(……と小声でつぶやくがスルーされる)。
藤林 もうちょっとかっこよく言っとけばよかったなって。
──いや、かっこよかったですよ。
藤林 もっと勢いよく「鉄鋼ッ!」って一番最初から……。
加部 (小声で)鉄鋼だけに。
福田 (加部に)もっと大きい声で(笑)。
藤林 何何何? なんすか?
福田 「鉄鋼だけに(硬い)」って。
藤林 ……はい。
加部 響かなかったかあ(笑)。
藤林 初の「鉄鋼」はもうちょっと、自分の中でこうできたなって、思い返すところはけっこうあるかもしれないですね。それでいうと21話はもう、仮面ライダーヴァルバラドになるときは悔いなくできたんで。「鉄鋼!」は、もう1回やりたいなって気持ちはありますね。
坂巻 私はヴァルバラドのチェスをパン!と置くところが好きだよ。
藤林 ああ! 変身ポーズのね! ポーズはすごいこだわりました。
松本 私は初変身が冬映画だったんですけど、ギリギリまで変身できるとは知らなかったので聞いたときはすっごくうれしかったです。近くにツムリさん(映画で共演した、「仮面ライダーギーツ」ツムリ役の青島心)がいらっしゃって「がんばってね」って言ってくださったんです。ツムリさんに温かく見守られながら、初変身を迎えられました。
本島 僕は気合いを入れすぎて声をからしたっていうのと、最初はスチームライナーのカードが(ベルトに)全然入らなくて。
藤林 さっきのリハでもちょっと折り曲げかけてたよな(笑)。見てたぞ俺、横で。
本島 そうなんですよ、スチームライナーのカードは現場で2~3枚折っちゃったかもしれないです。
藤林 1人だけプラスチックのカードが用意されてます(笑)。
本島 10話ぐらいから、ホッパー1とスチームライナーの専用のカードができました。
──ノールックでベルトに挿すのは大変ですよね(笑)。ご自分の変身後のライダーの好きなところ、デザイン、フォームなどありますか?
本島 僕はレインボーガッチャードのガッチャーブラザーズがめっちゃ好きです。ケミーが独立していて何体も出てこられるのもめちゃめちゃいいですし。最終話のジャンクションで一ノ瀬宝太郎とガッチャードが向き合う映像があったじゃないですか。あれってやっぱりガッチャーブラザーズじゃないとできないシーンでもあったので好きですね。
松本 私はトワイライトマジェードがやっぱり一番好きです。アトロポスとやってきたからこそできあがったフォームであって、「アトロポスと一緒に戦う」っていうのが素敵だなって。最初は対立してたのにここまでなれたんだなっていううれしさもあって、あのフォームが一番好きです。
──あのアトロポスのおかっぱみたいな頭部とか、ひらひらのマントがかわいいですよね。
松本 そうですそうです。(デザインに)アトロポス要素があるのがすごく好き。
藤林 俺は全部好きで選びきれない(笑)。最後の2話しか出なかったですけど、ヴァルバラド黒鋼は自分の名前も入ってるし、ヴァルバラッシャーを2本背負ってるのも、「ラケシスの分まで」っていう意味もこもってると思うので。そういう意味では集大成として好きかもしれないですね。
坂巻 いいの選んだ(うなずきながら拍手)。
藤林 背負うものが増えたというか。
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クロトーは新衣装がなかったら退場してたかも(笑)(宮原)