「小河ドラマ 徳川☆家康」特集 三宅弘城インタビュー&入野自由が過去作をおさらい|“非”本格派時代劇が帰ってきた!小河が先に家康をやってどうする!?

三宅弘城と細川徹のタッグで贈る“非”本格派時代劇「小河ドラマ」が帰ってきた! 「織田信長」「龍馬がくる」に続く第3弾では、江戸幕府を築いた天下人・徳川家康が主人公に。超大物俳優役に松平健を迎え「小河ドラマ 徳川☆家康」が誕生した。東京・ユーロスペースでの3月27日からの特別上映、カンテレと時代劇専門チャンネルでの放送を前に、映画ナタリーでは本作の見どころを紹介。三宅のインタビューや小河ファンを公言する入野自由による過去2作の復習もお見逃しなく。

取材・文 / 奥富敏晴

大河じゃない「小河」ってなんだ!?

言わずと知れたNHKの時代劇枠「大河ドラマ」。毎週、豪華絢爛な大型時代劇を放送し続け、1963年の第1作「花の生涯」から半世紀以上も国民に親しまれている唯一無二のドラマだ。そんな大河の人気を逆手に取ったのが、24時間365日、時代劇だけを放送する時代劇専門チャンネル。本格的なオリジナル時代劇を作り続ける一方で、スケールは小さいがアイデアで勝負だ!と言わんばかりに生まれたのが自称“非”本格派時代劇「小河ドラマ」だ。描かれるのは史実ではあるけれど、マニアックでちょっと笑えるエピソード。大きな河のように豊かな物語じゃなくても……面白いドラマは作れる!

これが「小河ドラマ」だ!
主演は三宅弘城
掟一
三宅弘城

毎年世間をにぎわす大河ドラマの主演発表ニュース。選ばれた俳優にとっては長期間1つの役を演じる大仕事、ファンにとっては毎週必ず好きな俳優を観られる1年が約束される。しかし、小河ドラマで次の主演は誰だろう?とそわそわする心配は無用。主人公の偉人を演じるのは、三宅弘城と決まっているからだ。小河ドラマの主演は変わらない、三宅がなりきる偉人が変わるのみ。織田信長、坂本龍馬、そして徳川家康と作品ごとの三宅の七変化っぷりもお楽しみの1つ。

偉人が現代へタイムスリップ!
掟二

織田信長は本能寺の変、坂本龍馬はかの有名な肖像写真の撮影時、徳川家康は関ヶ原の戦いに勝利した瞬間。そんな文字通りの歴史的瞬間に、三宅演じる偉人たちは現代へタイムスリップしてしまう。特に種も仕掛けも理由もあるわけではないが、時空を超えた先はドラマの制作現場。しかも自分を題材にした時代劇だから、本人もスタッフもてんやわんやの大騒ぎ。そう、小河は“非”本格派なので実は主な舞台は現代。偉人がTikTokやTwitterを駆使するさまにもご注目を。

偉人が自分のドラマを作る!?
掟三

信長や家康が現代に来たからといって、そのまま劇中ドラマで主演を張るわけではない。彼らは下っ端ADとして撮影に参加し、監督やプロデューサーたちと自身を題材にしたドラマを作る! 劇中ドラマで偉人を演じるゲスト陣も毎回の見どころ。ロバート秋山竜次の織田信長、武田鉄矢の坂本龍馬に続いて今回登場するのは、数々の時代劇で活躍する松平健だ。松平演じる大物俳優の新様こと白川新太郎は「本物の家康とリアルな時代劇を作る」と超前のめりな姿勢で、家康本人をも困惑させるのだった。

掟についてこの掟は2021年製作「小河ドラマ 徳川☆家康」時点のものです。次回作以降は変更となる可能性もございます。

入野自由と一緒に小河をおさらい!
小宮山

かねてよりシリーズのファンを公言していた入野が、新様のマネージャーでかなり適当なイエスマン小宮山役でついに小河デビューを果たした。ここでは入野と一緒に過去2作の魅力をおさらい。時代劇専門チャンネルでの一挙放送も控えているので要チェック。

「小河ドラマ 織田信長」(2017年)

あらすじ

「小河ドラマ 織田信長」ビジュアル ©時代劇専門チャンネル

本能寺の変の真っ最中、織田信長(三宅弘城)が現代にタイムスリップ。やってきたのは「連続時代劇 織田信長」の撮影現場だった。しかし、短気な信長は「本当の自分は違う!」とブチ切れ、脚本を勝手に書き換える。それは桶狭間の戦いも鉄砲隊も登場しない、迫力ゼロのちょっと笑える時代劇だった。新人ディレクター太田(松井玲奈)と意気投合した信長は、ドラマの世界でも天下を狙う!

入野自由

衝撃的なゆるさです(笑)。三宅さん演じる織田信長が現代の出来事に驚く姿、そして、それを受け入れる速さが最高に笑えます。何より、ロバート秋山さんの秋山さんらしさが、この小河ドラマにピッタリ。そんなバカなと画面に突っ込みながらも、その強引さと投げっぱなし感が、とても気持ちがいいんです。リピート確定です。

「小河ドラマ 龍馬がくる」(2018年)

あらすじ

「小河ドラマ 龍馬がくる」ビジュアル

自他ともに認める龍馬ファンの武田鉄矢(本人役)は「大型連続時代劇 坂本龍馬」で人生最後の龍馬役に臨もうとしていた。そこへ現れたのは、幕末からタイムスリップしてきた坂本龍馬(三宅弘城)。いち早く本物と気付いた武田は、リアルな龍馬像を生むため本人監修を頼むが……。新しい脚本は、武田が愛する“幕末の風雲児・坂本龍馬”のイメージを台無しにするものだった!

入野自由

この「龍馬がくる」が初めて見た小河でした。まさに脳天を撃ち抜かれたような衝撃。何度もツッコミたくなる楽しさが満載です。そして極め付けは、武田鉄矢さんに対する数々の無礼な演出(笑)。小河ドラマならでは、細川監督ならでは、です。
ラストシーンには気がつけば涙が、、、!? 思わぬ感動、必見です!

入野自由(イリノミユ)
2月19日生まれ、東京都出身。「千と千尋の神隠し」のハクや「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のじんたんこと宿海仁太役で知られる。声優だけでなく、音楽活動や舞台・映画出演も精力的に行う。主な出演作には「機動戦士ガンダム00」「ハイキュー!!」「おそ松さん」「深夜!天才バカボン」「映画『聲の形』」「言の葉の庭」など。大河ドラマでは1996年の「秀吉」に出演している。