2013年「戦争と一人の女」の舞台挨拶で監督の井上とともに愛知・シネマスコーレを訪れた際、支配人・
本作に、黒澤明の監督作「生きものの記録」と同じタイトルを付けた井上。同作では三船敏郎演じる男が、原爆実験による放射能の恐怖に怯え、狂っていくさまが描かれており、井上は「黒澤は狂っているのは三船か、何も感じないお前らか、と観客に問うている。これは三船のその後の話だ」とその意図を語った。
撮影は「極悪女王」の鍋島淳裕、プロデュースは木全が担当。主題歌は、昨年亡くなった
井上は「今年、師である若松孝二監督の十三回イベントで上映することになった時は不安でした。映画としての賞味期限が切れているのではないかと。幸いにも、それは杞憂でした。若松さんが言っていたように、映画に時効はありませんでした。それでも、まさかテアトル新宿で公開できるとは思ってみませんでした。今はただ、あの頃、永瀬さんや僕が思っていた祈りや、今なお思い続けている願いが一人でも多くの肩に届くことを願うのみです」とつづった。井上のコメント全文は下記の通り。
映画「いきもののきろく」予告編
井上淳一 コメント
「いきもののきろく」は、11年前、名古屋にある中川運河という今はもう使われていない運河を文化的に再開発しようという助成金で作られた、小さなご当地映画です。助成金、ご当地映画――当時からそうやって量産される映画が日本映画の質を落としているんだと批判してきました。だから、自分がそういう映画を作るのに躊躇いがありました。しかし、永瀬正敏さんから送られてきたプロットを見て、驚きました。それは、どんな条件であれ、自分たちのやりたいものを作るという意志に裏打ちされた強固な物語でした。どんな条件であれ、自分たちの信じる映画を作り続けることが、結局は今の映画状況に一石を投じることになる。この映画はそう願って、作られました。しかし、47分の短篇はなかなか公開するすべがありませんでした。今年、師である若松孝二監督の十三回イベントで上映することになった時は不安でした。映画としての賞味期限が切れているのではないかと。幸いにも、それは杞憂でした。若松さんが言っていたように、映画に時効はありませんでした。それでも、まさかテアトル新宿で公開できるとは思ってみませんでした。今はただ、あの頃、永瀬さんや僕が思っていた祈りや、今なお思い続けている願いが一人でも多くの肩に届くことを願うのみです。
ノッピー星野 @noppy5034
#永瀬正敏 さんが原案・主演、映画「#いきもののきろく」公開 監督は #井上淳一 さん(コメントあり / 予告あり) - 映画ナタリー
#ミズモトカナコ さん出演 https://t.co/NHbRJmWCIn