「悪人」「怒り」の
桃子の夫・真守を小泉、真守の母・照子を風吹、真守の不倫相手・三宅奈央を馬場が演じる。原作ファンだという江口は「映画化するハードルの高さにモヤモヤしていました。しかし撮影現場で、監督の映画作りの情熱や、共演者の方々のお芝居に引っ張られ、森ガキ組の映画としての『愛に乱暴』を作ればいい!と吹っ切れ、真夏の暑さと共に夢中で撮影しました」と述懐した。
監督を務めた「さんかく窓の外側は夜」の
江口のりこ コメント
原作である吉田修一さんの小説「愛に乱暴」が面白すぎて、映画化するハードルの高さにモヤモヤしていました。しかし撮影現場で、監督の映画作りの情熱や、共演者の方々のお芝居に引っ張られ、森ガキ組の映画としての「愛に乱暴」を作ればいい!と吹っ切れ、真夏の暑さと共に夢中で撮影しました。今回演じた桃子というキャラクターは、映画の中で迷い、暴走し、自分の居場所を見つけようとする女性です。みなさま、是非劇場でご覧になって下さい。
小泉孝太郎 コメント
森ガキ監督とは撮影前に役柄について細かく話す機会をいただき、そこで色々話せたので、真守の独特なキャラクターを固めることが出来たことに感謝しています。
真守は何を考え、どんな感情で今いるのか、非常に分かりづらい男だと思います。炎天下での撮影でしたが、そういうとこでも暑いのか暑くないのか、そういう人間の見えやすい感情さえも隠れてしまうような独特な男です。
個人的には江口さんと炎天下のなかでもたくさんの雑談が出来て、役では一切笑わないのに、雑談ではずっと笑っていたような記憶があります。たくさんコミュニケーションを取って下さった江口さんには感謝です。
この映画では僕は非常におとなしい男ですが、実は僕が乱暴な男なのか、奥さんの桃子が乱暴な女性なのか、それともごくごく普通の当たり前の感情を持っている夫婦なのか、観て下さった皆さんが「愛に乱暴」というタイトルの意味をどうとらえるのかとても興味があります。
風吹ジュン コメント
「愛に乱暴」の脚本と出会い、読むとサスペンスチックに心掻き立てられる脚本で、どんな映像になるのかが、私が唆られた部分でした。心理描写が重要で、役者としてのキャラ作りの課題が大きく面白そうで私には断る理由はなく、主演が江口のりこさんと聞いて、二つ返事でした。撮影中は、森ガキ監督が映画に対して“ガキ”そのもの(笑)で、遊び心を忘れず初めから最後まで本当に楽しそうでいらして。演じた照子は、普通によく居そうな息子愛の強い母親だと思いますが、江口さん演じる桃子からの捉え方で嫌な人物に見えていれば私としては成功かなと思ってます。「愛に乱暴」は観る方其々の楽しみ方が有る作品だと思いますので、ご覧になる方の感性に期待しております。
馬場ふみか コメント
森ガキ監督は1シーンごとに役者と言葉を交わし丁寧に映画をつくっていく姿がとても印象的で、そんな作品に携われたことが、とても幸せだなと感じる撮影でした。
三宅奈央を演じる日々は、暑い夏の撮影でしたが役柄も相まって今まで味わったことのない鋭い緊張感で指先が悴み、撮影が終わった瞬間に肩の力が一気に抜ける感覚を覚えています。
ぜひ、劇場で体感していただけると嬉しいです。
森ガキ侑大 コメント
この原作を読んだ時に「今」映画化する意味があると強く感じました。
現代は生産性ばかりを求めている社会が存在していて、世の中の隅に追いやられ孤立している人がいる気がしていました。
主人公の桃子は社会の中で葛藤を抱き、もがきながら一生懸命に生きています。
桃子の姿は時にユーモラスで、時に刺激的で読んでいる自分の心を動かしました。原作者である吉田修一さんとお会いし、映画化を許可して頂いた時の喜びとプレッシャーは今でも心の奥に残り続けています。
この素晴らしい原作を繊細に、そして大胆に演出しました。
灼熱の太陽の下、江口さんを始めとする素晴らしい役者陣とスタッフが一緒に死にもの狂いでフィルムに焼き付けた本作には奇跡の連続が宿っています。
スタッフ全員で紡いだこの映画が多くの方に届くと強く信じています。
吉田修一 コメント
記録的猛暑となった昨年の夏の盛り、神奈川県郊外の撮影現場を訪ねた。これまで何度となくこういった現場には足を運んできたが、こんなにも雰囲気の良い現場は初めてだった。汗まみれのスタッフも熱演するキャストも撮影に協力してくれているご近所の方々も、夏の長い宵の中、誰もが美しかった。今この場所で一つの奇跡が生まれようとしているのが分かった。森ガキ監督の情熱に、江口のりこという俳優の肉体に、スタッフの方々の汗に、この土地が味方してくれているのがはっきりと伝わってきた。
一人でも多くの方にこの映画を観ていただきたいと切に願っております。
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