映画「
朝井リョウの同名小説を映画化した本作。家庭環境、性的指向、容姿など、さまざまな“選べない”背景を持つ人々を同じ地平で描きながら、人間が生きていくための推進力になるのは何かというテーマをあぶり出す。稲垣が不登校の息子を持つ検事・寺井啓喜、新垣が特殊性癖を持つことを隠して生きる桐生夏月を演じた。
本作は、11月1日に閉幕した第36回東京国際映画祭で最優秀監督賞、観客賞に輝いた。稲垣から花束を受け取った岸は「世界各国の映画に造詣の深い方々に選ばれまして、この映画は世界にも通ずる作品だと感じています。もっともっと広がればと思います」と明かす。稲垣は「自分のことのように、いやそれ以上にうれしかった。一刻も早く監督に『おめでとう』と伝えたかった」と祝福する。稲垣の厚意で、岸を中心にした記念撮影も行われた。
また稲垣は「キャストの皆さんの演技が本当に素晴らしかった。1人ひとりがいろいろなものを抱えて、大変な覚悟で撮影に臨んでいたと思う」と述べ、新垣との共演について「もう“ガッキー”ではない、違った瞳の輝きをしていた。ご一緒できた時間は短かったのですが、それがすごく印象に残っています」と回想。新垣は「全員がこの作品に誠実に向き合った。苦しくもあり温かくもあり、本当にいろんな気持ちにさせてもらえた。こんなに豊かな映画に出演できたことを幸せに思います」と続ける。
新垣と磯村は、互いの悩みから偽装結婚という関係を選ぶ役どころに臨んだ。新垣は「手を取り合って未来を乗り越えていく2人の形は、不自然なものではない」と話し、磯村は「2人の時間が温かく、愛おしかったです。シーンを重ねるごとにお互いが役を自然と共有できた気がするので、無理せずゆっくりと寄り添うことができました」と振り返った。
佐藤・東野のあるシーンが「本当に素晴らしかった」と言う稲垣は、「佐藤くんの“受け”の顔、そして監督の演出も相まって、観ているこちら側にいろんなことを想像させる。東野さんもびっくりするほど本当に素晴らしかった」と称賛。新垣は「あのシーン大好き。東野さんのあの背中! 心が震えました」と笑みを浮かべる。佐藤は「見えない綱引きをしていたような感覚」、東野は「誰もいない2人だけの時間でしたね」と述懐した。
最後に稲垣は「観る方それぞれにいろんな感じ方があると思いますが、最終的には誰かとつながること、つながった人間を愛すること、そのために自分自身を愛する大切さ、そういったことを肯定してもらえるとても美しい映画だと思います。大切な作品なので1人でも多くの方に観ていただけたらうれしいです」とメッセージを送った。
「正欲」は全国で上映中。
映画「正欲」本予告
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稲垣吾郎「正欲」は美しい映画、新垣結衣はあるシーンに「心が震えました」(写真12枚) https://t.co/rsPVI5ibJE