PFF2023全上映作品が決定、大森一樹の自主制作映画や山中瑶子のセレクト作品など

15

69

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 26 42
  • 1 シェア

第45回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)2023が9月9日に東京・国立映画アーカイブで開幕する。このたび全ラインナップ明らかになった。

第45回ぴあフィルムフェスティバル2023ポスタービジュアル

第45回ぴあフィルムフェスティバル2023ポスタービジュアル

大きなサイズで見る(全13件)

第45回ぴあフィルムフェスティバル2023ラインナップ発表会にて、左から荒木啓子、山中瑶子、岡田詩歌。

第45回ぴあフィルムフェスティバル2023ラインナップ発表会にて、左から荒木啓子、山中瑶子、岡田詩歌。[拡大]

自主映画のコンペティションを中心に、“映画の新しい才能の発見と育成”をテーマに掲げて1977年にスタートした同映画祭。8月9日に行われたラインナップ発表会には、映画監督・大森一樹の長女である大森美季、「あみこ」で知られる監督・山中瑶子、第29回PFFスカラシップ作品「恋脳(れんのう)Experiment」の監督・岡田詩歌、PFFディレクターの荒木啓子が出席した。

自主映画を対象としたコンペティション・PFFアワード2023では、557本の応募作品の中から入選作品22本を上映。グランプリをはじめとする各賞は9月22日の表彰式で発表される。荒木は今年の傾向について「つい最近まで地方に住んでいた人が東京にやって来て、周りに知り合いがいない中、インターネットを通じて仲間を募り、俳優をオーディションして制作したという方が3名ほどいて、すごい時代になったなと思いました。映画制作を始めるにあたってのスタートラインが広がっている、開かれていることを感じています」とコメントした。

「暗くなるまで待てない!」場面写真

「暗くなるまで待てない!」場面写真[拡大]

PFFでは2028年の第50回を見据えて新企画を始動。PFFが生まれた1970年代から、毎年10年区切りで、自主映画のみならず国内外の当時の傑作の数々を紹介していく。今年は招待作品部門で「イカすぜ!70~80年代」と銘打ち、1970年代から1980年代にかけて発表された作品を上映し、PFFの初期を彩った映画人を偲ぶ。「大森一樹再発見」では、2022年11月に死去した大森一樹による8mmおよび16mmフィルムの自主制作映画や、斉藤由貴の主演作「女優時代」、高岡早紀の主演作「悲しき天使」の35mm上映などが行われる。

「ホーリー・マウンテン」場面写真

「ホーリー・マウンテン」場面写真[拡大]

「ポゼッション」場面写真

「ポゼッション」場面写真[拡大]

また「イカすぜ!70~80年代」内の企画「山中瑶子『あみこ』への道」では、自身もトークゲストとして登壇予定の山中が、自身が影響を受けた1970年代から1980年代の作品としてアレハンドロ・ホドロフスキー監督作「ホーリー・マウンテン」とアンジェイ・ズラウスキー監督作「ポゼッション」をセレクト。山中は「『ホーリー・マウンテン』は映画監督になりたいと志した高校2年生のとき、美術の先生に勧められて出会った作品。『映画監督とは作家なのだ』ということを突き付けられた1本でした」「『ポゼッション』からは、映画監督は観客に内容を理解させるよう、理路整然と撮るのが当たり前と思っていたが、そうではないことを教わった」と両作について語った。このほか2022年12月に死去した斎藤久志の監督作や、PFFの礎を築いたプロデューサー・日比野幸子が関わった作品なども上映される。

アルノー・デプレシャン (c)2019 Why Not Productions Arte France Cinéma

アルノー・デプレシャン (c)2019 Why Not Productions Arte France Cinéma[拡大]

さらに新作「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」の日本公開を控えるフランスの監督アルノー・デプレシャンの特集上映も。劇場未公開作「イスマエルの亡霊たち」を含めたラインナップの上映に加え、デプレシャンが偏愛する「女囚701号・さそり」を語り尽くす来日イベントも企画されている。

「恋脳Experiment」場面写真 (c)2023 ぴあ、ホリプロ、電通、博報堂DYメディアパー
トナーズ、一般社団法人PFF

「恋脳Experiment」場面写真 (c)2023 ぴあ、ホリプロ、電通、博報堂DYメディアパー トナーズ、一般社団法人PFF[拡大]

PFFが企画、製作、公開までプロデュースするPFFスカラシップでは、「Journey to the 母性の目覚め」でPFFアワード2021審査員特別賞を受賞した岡田の新作「恋脳Experiment」を初披露。祷キララ平井亜門中島歩が出演した同作では、“恋愛にまつわる呪い”に翻弄されながら生きてきた女性が描かれる。

第45回ぴあフィルムフェスティバルは9月9日から23日まで東京・国立映画アーカイブで実施したのち、10月14日から22日まで京都・京都文化博物館でも開催。すべての上映作品は映画祭公式サイトで確認を。

第45回ぴあフィルムフェスティバル2023

2023年9月9日(土)~23日(土)東京都 国立映画アーカイブ
2023年10月14日(土)~22日(日)京都府 京都文化博物館
※いずれも月曜休館

PFFアワード2023 入選作品

「完璧な若い女性」
「ホモ・アミークス」
「リテイク」
「ちょっと吐くね」
「鳥籠」
「サッドカラー」
「USE BY YOUTH」
「ただいまはいまだ」
「移動する記憶装置展」
「また来週」
「ふれる」
「Flip-Up Tonic」
「ParkingArea」
「逃避」
「うらぼんえ」
「こころざしと東京の街」
「リバーシブル/リバーシブル」
「肉にまつわる日常の話」
「Sewing Love」
「じゃ、また。」
「ハーフタイム」
「不在の出来事」

招待作品部門「イカすぜ!70~80年代」

大森一樹再発見

「革命狂時代」
「ヒロシマから遠く離れて」
「空飛ぶ円盤を見た男1」
「空飛ぶ円盤を見た男2 銀幕死闘編」
「空飛ぶ円盤を見た男3 エネルギーマン」
「明日に向って走れない!」
「死ぬにはまにあわない!」
暗くなるまで待てない!
「夏子と長いお別れ」
「女優時代」
「悲しき天使」

斎藤久志再発見

「うしろあたま」
「0×0(ゼロカケルコトノゼロ)」
サンデイドライブ
ワンピース「Whatever」
ワンピース「DON'T LOOK BACK IN ANGER」
草の響き
特別企画「斎藤監督の現場で出会った3人が語り、秘蔵映画をみせる」(ゲスト:鈴木卓爾矢口史靖田中要次

日比野幸子プロデューサー再発見

「杳子」
風櫃(フンクイ)の少年
旅人(ナグネ)は休まない

山中瑶子「あみこ」への道

「ホーリー・マウンテン」
「ポゼッション」
「あみこ」
「おやすみ、また向こう岸で」

塩田明彦監督がみつめる相米慎二の少年少女

ションベン・ライダー
どこまでもいこう
お引越し

アルノー・デプレシャン監督「女囚701号 さそり」を語る

「女囚701号・さそり」

驚異のデビュー作

ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け
「ビハインド」
WANDA/ワンダ

「陽炎座」4Kデジタル完全修復版 ワールドプレミア上映

陽炎座

アルノー・デプレシャン監督特集

二十歳の死
魂を救え!
そして僕は恋をする
「イスマエルの亡霊たち」

ピーター・バラカン氏による音楽映画シリーズ ブラック&ブラック

ワッツタックス

特別企画 生誕120年・小津安二郎が愛したふたり

有りがたうさん
明日は日本晴れ
人情紙風船

特別企画 20代監督の衝撃作!

ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地
わたしはロランス

第29回PFFスカラシップ作品「恋脳Experiment」世界初上映

「恋脳Experiment」

関連する特集・インタビュー

この記事の画像(全13件)

読者の反応

塚本晋也tsukamoto_shinya @tsukamoto_shiny

去年亡くなった斎藤久志さんと作った『サンデイドライブ』を上映します。この作品に出演したことはお芝居をする上で大きな転換に。オリジナルの短編も同時上映します。 https://t.co/ZRrRNx5zEa

コメントを読む(15件)

関連記事

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの映画ナタリー編集部が作成・配信しています。 暗くなるまで待てない! / 女優時代 / 悲しき天使(2006年) / サンデイドライブ / 草の響き / 風櫃(フンクイ)の少年 / 旅人(ナグネ)は休まない / ホーリー・マウンテン / ポゼッション / あみこ の最新情報はリンク先をご覧ください。

映画ナタリーでは映画やドラマに関する最新ニュースを毎日配信!舞台挨拶レポートや動員ランキング、特集上映、海外の話題など幅広い情報をお届けします。