兼山神社 - 高岡平野に仁淀川から灌漑用水を引き鎌田井筋を築く
[ 高知県土佐市高岡町丙 ]
鎌田井筋を挟んで、土佐市高岡の高岡第一小学校の東側に鎮座しちょります。
御祭神は、土佐藩2代藩主・山内義忠に仕えた家老で、土佐の各地で土木工事、港湾の整備、産業の奨励、用水路の開発等、多岐に渡って功績を残した人ながです。
県内各地に野中兼山公を祀る神社や祠がありますけんど、此処もその一つながです。
野中兼山は、似淀川の東側に弘岡堰（現八田堰）を築き、春野平野に弘岡井筋を完成させた二年後の明歴元年（1655)に、仁淀川の西側の高岡平野に鎌田井筋の工事に着工し、明歴3年(1657)に完成させちょります。
鎌田井筋 高知県：吾川郡伊野町鎌田村鎌田井筋
近世初期、鎌田村から新居村（現土佐市）の仁淀川右岸に構築された用水路で、高岡平野を灌漑した。
鎌田溝・高岡井ともいわれた。
取水口は鎌田堰の鎌田閘であったが、昭和12年(1937)以後は上流の現・高岡郡日高村立岩に移された。
承応三3（1654）野中兼山が普請奉行：渋谷長右衛門に命じて着工、明暦3年（1657）に完成するが、高岡村（現土佐市）までの水懸りが悪かったことから、延宝3年（1675）同村庄屋・真辺五郎兵衛が再改修した（「水路土工志」皆山集）。
『南海之偉業』（皆山集）に
「深所一丈浅所九尺広七間余緩流長一里廿一丁船筏ヲ通ズ、鎌田閘ニヨリテ仁淀川ヲ引キ大内・高岡・中島ノ諸村ヲ経テ新居村ニ至リ再ヒ仁淀川ニ帰ス、以テ耕田五百五十四町九反余ノ養水ニ供ス」とある
【 参考・引用 】 『日本地名歴史大系40 高知県の地名』 平凡社刊
鎌田堰跡 - 仁淀川右岸高岡地方の新田開発のために野中兼山が造る 2016-09-15
野中兼山先生頌徳碑 - 昭和15年(1940)鎌田堰築造事業所遺跡地に建てられた碑 2021-03-08
因みに、NHKのニュースで、土佐市で17日の夜に長さが約80m、重さ約１トンもある巨大な綱を引合う「大綱まつり」が行われたと報じられたがです。
この「大綱まつり」の始まりは、野中兼山が灌漑用水の工事に携わった人々の士気を高めるために始まったと伝えられちょります。
境内には、 昭和15年に建立された「野中兼山先生」と言う大きな石碑があり、書は内閣総理大臣公爵・近衛文麿とある。
近衛文麿は、日本の政治家。
位階は従二位。
勲等は勲一等。
爵位は公爵。
貴族院議員、貴族院副議長、貴族院議長、枢密院議長、内閣総理大臣、外務大臣、拓務大臣、班列、農林大臣、司法大臣、国務大臣、麝香間祗候、大政翼賛会総裁、東亜同文書院院長、日本放送協会総裁などを歴任した。
【 参考・引用 】 近衛文麿 - Wikipedia
余談じゃけんど、近衛文麿は藤原五摂家の一つ近衞家の第30代当主になるがです。
近衛家は、藤原北家嫡流で、公家の五摂家筆頭になるがでして、藤原忠通の四男（実質的な長男）の近衛基実を家祖とする家柄で、6代前の先祖が現在放送中のNHK大河『光る君へ』の藤原道長になるがです。
藤原道長 - 藤原頼通 - 藤原師実 - 藤原師通 - 藤原忠実 - 藤原忠通 - 近衛基実（家祖）
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