荒倉神社の手水鉢 - 凡そ4Kmの道程を20日間かけて運んだ巨岩造り | 南国土佐へ来てみいや

荒倉神社の手水鉢 - 凡そ4Kmの道程を20日間かけて運んだ巨岩造り

荒倉神社の手水鉢 (春野町弘岡中)

[ 高知県高知市春野町弘岡中 ]


鳥居の右脇の狛犬の脇に、ざまーな(大きな)巨岩があるがですが、実はこれ「手水鉢」ながです。

神社やお寺の参拝前に手や口をすすぎ、身を清めるための水を貯めておく鉢が普通の「手水鉢」じゃけんど、これは鉢じゃのうて岩造りながです。

現在、高知市の市指定有形文化財に指定されちょります。

春野地域最大の手水鉢(ちょうずばち)で、縦142cm、横121cm、高さ151cmの大きさです。
上面は121×200cmの平面で、そのなかに125×69cm、深さ8cmの楕円形の水溜部があります。
あまりに大きいため、それに登る三段の石段がついています。
手水鉢の正面には「奉寄進」と大文字で刻み、その横には小さく「氏子中」とあります。
またその裏面に、「維天保十一年庚子/春三月弘岡闔郷之/衆相謀□之于根木/谷山下施拽而移于/以供賽人盥漱之/用焉庵道一里餘費/日ニ萬夫/之功云」とあり、この石は根木谷山(弘岡下)から切り出したもので、荒倉神社まで約4kmの道のりをのべ2万人の手により、20日間かけて運ばれたということがわかります。

【 参考・引用 】  
文化財情報 有形文化財 石造 こま犬 - 高知市公式ホームページ


荒倉神社の手水鉢 (春野町弘岡中)
「維天保十一年庚子/春三月弘岡闔郷之/衆相謀□之于根木/谷山下施拽而移于/以供賽人盥漱之/用焉庵道一里餘費/日ニ萬夫/之功云」

これ天保11年(1840)庚子春三月、弘岡全郷の衆で計画して、この岩を根木谷山から採取して、此の地(荒倉神社)まで、曳運んで来た。
参詣する人々が、手を洗い口を漱ぎ身を清めるために、約立てて欲しい。
此処まで約4Km余りの道程を運ぶのに、約20日程かかった。
凡そ、延べニ万人の協力による

荒倉神社の手水鉢 (春野町弘岡中)

『荒倉神社文書』によれば、曳き手を励ます木遣節は高岡村(土佐市)の岩次、潮江村(高知市)の常次、弘岡下ノ村の兼次がつとめ、また十歳から十八、九歳の年頃の娘が、十五人美装して参加する「誠に見事也」という光景であった。
棟上落成の祝いには何と餅三万五斗を撒き、酒を二石も飲ましている、
寄進金が弘岡中、下両村で三貫五百五十四匁もあったという。

【 参考・引用 】  『春野町史』


当時は、畦道や山裾のデコボコ道でしょうから、 道幅も狭く雨でも降ればぬかるんで大変だったがでしょう。

当時の寛永通寳(一文銭)1000枚の重さが1貫文(3.75 kg)ですので、3,554文(13.3Kg)の寄進があった
後期 1842年(天保13年) 金1両=銀60匁=6.5貫文(6,500文)


荒倉神社 - 奈良県吉野・丹生川上神社下社より御祭神・闇龗神を迎える 2016-09-23



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