高級時計が一生ものかは自分次第!寿命の目安と長持ちさせるコツ、代表的なブランド
高級時計を購入する際、ネックとなるのがやはり「価格」。特に「一生モノ」の腕時計は、「時計の寿命」を考慮して選びたいところです。
「こんなに高いんだから、半永久的に使えるのでは?」なんて思っている方は要注意。たとえ高級時計であっても、「物」である以上寿命が存在します。特に電池で動くクォーツ時計・ソーラー時計の寿命は、10年程度です。電池交換で対応できるケースが多いものの、心臓部が故障した場合、基本的に修理できません。
今回は、腕時計の購入前に知っておきたい寿命の目安や、少しでも寿命を長くするためのコツ、一生ものの高級時計の代表的なブランドなどを紹介していきます。クォーツ式・機械式・ソーラー式など、仕組み別の寿命をご紹介しますので、腕時計選びの参考にしてください。
高級時計の寿命は、ズバリ何年?
一本あたりの価格が数十万円もするような高級時計を購入する際に、「いったいどのぐらいの期間、この時計を使えるのだろうか」と気にする方は多いことでしょう。
つまりは「高級時計の寿命」ということになります。購入前に知っておくことで、「その時計を購入した際の経済性」について、事前にチェックすることができます。
高級時計の寿命は、「その時計がどのような仕組みで動いているのか」という点によっても左右されます。
時計のタイプ別の最長寿命は、以下のように考えられています。
・クォーツ時計……10年
・機械式時計……50年
・ソーラー時計……10年
それぞれの寿命の理由を、個別に解説していきます。
電池で動くクォーツ時計
クォーツ時計の特徴は、内部に電池と電子回路を組み込み、時計の針を動かしているという点です。
定期的な電池交換が必要となりますが、日常使いに適しているシステムで、多くの高級ブランドでも取り入れられています。
しかし寿命の面から見ますと、決して「長い」とは言えず、最長でも10年程度が限界だと言われています。
これは、クォーツ時計の心臓部とも言える電子回路が、大体10年で寿命を迎えてしまうからです。この回路が故障しますと、交換が難しくなってしまいます。
一生モノのクォーツ時計は存在するのか?
クォーツ時計は、一度電子回路が故障すると修理・交換がほぼ不可能です。そのため、機械式時計に比べると寿命・資産価値が短く、「一生モノ」と呼ばれるモデルも存在しません。
「それならば機械式時計一択では?」と思われるかもしれませんが、クォーツ時計にしかない魅力もあります。
例えば、リセールバリュー。リセールバリューとは、取得した資産(車・住宅・腕時計など)の再販価値を指します。オメガ、ブライトリング、タグ・ホイヤー、グランドセイコーなどのクォーツ時計は、中古市場において高値で取引されており、いずれもリセールバリューに長けた製品ばかりです。頻繁に腕時計を買い換える方なら、機械式時計よりもコストパフォーマンスに優れます。
寿命を基準に「一生モノ」を選ぶ場合、クォーツ時計は選択肢に入らないかもしれません。しかし、ロレックスの「オイスタークォーツ」のように、電池交換さえすれば何十年と使えるクォーツ時計もあります。
また、高級クォーツ時計は、定期的なオーバーホールで寿命をさらに延ばせます。新品に買い換えるよりもコストがかからず、お気に入りの時計をより長く使えるのでおすすめです。
「小まめに皮脂汚れや水気を拭き取る」「磁気に近づけない」など、セルフメンテナンス・管理を意識すれば、メーカー公表の耐用年数よりも長く使える可能性があります。
そもそもクォーツ時計は歴史が浅く、誕生から60年ほどしか経っていません。機械式時計に比べると、技術面の進化が遅れているだけで、今後修理可能なクォーツ時計が登場する可能性はあります。
いずれにせよ、「寿命が短い=資産価値が低い」とは言い切れないのです。
グランドセイコーのクォーツ時計の寿命は?
グランドセイコーは、日本が誇る時計メーカー「セイコーグループ株式会社」による高級腕時計ブランドです。軽量薄型の「9Fクォーツ」を開発し、多数の高性能クォーツ時計を生み出してきました。グランドセイコーのクォーツ時計は、どの程度使うことができるのでしょうか。
グランドセイコーの時計の電池寿命は、およそ3年とされています。電池が切れても交換すれば問題なく使えます。正規サービスに依頼すれば、純正電池への交換が可能です。ただ、部品に不具合が生じた場合はパーツ交換する必要があるでしょう。
基本的に、グランドセイコーの修理用パーツは、廃盤後も10年間ほど在庫があると言われています。パーツの製造・保有期間内であれば、修理して使い続けられるはず。特に、同じ電子回路が製造・保有されている限りは、故障したときも元通りに直して使うことができるでしょう。製造期間の長い電子回路を採用した時計なら、10年とは言わず20年、30年と使える可能性もあります。
また、オーバーホールを依頼して定期的にメンテナンスすることも寿命を延ばすコツと言えます。3年から4年に1回のオーバーホールが推奨されているため、電池交換と同時に済ませることもおすすめです。
タグ・ホイヤーのクォーツ時計の寿命は?
タグ・ホイヤーはスイスの時計ブランドです。スポーツウォッチのラインが有名で、数多くの著名人をアンバサダーとしています。価格帯の幅が広く、お手頃価格で購入できる時計も人気を集めています。機械式時計とクォーツ時計のどちらも製造しており、好きなほうを選べるのも魅力の一つ。
タグ・ホイヤーのクォーツ時計の電池寿命は3年程度です。2針の場合は5年ほどもつこともあります。クロノグラフ機能付きの場合は2年ほどで交換することもあるようです。修理用パーツの保有期間は10~15年のため、ある程度は長く使えると予想できます。2年ごとの防水性能検査や、5~6年ごとのオーバーホールも推奨されているため、長持ちさせたいときは検討してみましょう。
長く使える機械式時計
一方でクォーツ時計よりも歴史が長い機械式時計の場合は、もう少し長く使えます。
巻き上げられたゼンマイを使って動力を確保する仕組みを採用しており、メンテナンス次第で寿命を延ばすことが可能です。
とはいえ「半永久的に使える」というわけではなく、製造から30年から50年も経過すれば、経年劣化による部品交換が必要なパーツが非常に多くなってしまいます。
交換が難しい基幹パーツの摩耗が進み、寿命を迎えてしまうでしょう。
太陽の光で動くソーラー時計
まだまだ新しい仕組みを採用したソーラー時計は、太陽からエネルギーを得てバッテリーを充電し、時計を動かしています。
「太陽の光があれば、半永久的に使えるのでは?」と考えがちですが、こちらも間違った情報です。
バッテリーを充電するため、そして充電したエネルギーで時計を動かすためには、やはり電子回路が必要となります。
クォーツ時計の場合と同じく、10年程度で寿命を迎えてしまうでしょう。
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メンテナンス状況によっても大きく変わる
上で紹介した時計の寿命は、あくまでも「最長寿命の目安」です。
メンテナンスの状況によっては、高価な機械式時計であっても、わずか10年程度で寿命を迎えるケースもありますから注意してください。
使い方によっては30年から50年も使えるはずの機械式時計が、なぜ10年で寿命を迎えてしまうのでしょうか。その理由が気になる方も多いことでしょう。
内部にゼンマイを使った機構を持つ機械式時計は、そのほかのタイプと比較して非常に繊細な作りをしています。
定期的なオーバーホールをさぼれば、内部のパーツを動かすための潤滑油が不足し、パーツそのものをどんどん摩耗させてしまいます。
「故障」の段階であれば、駄目になってしまった部品を取り換えることで、時計を復活させられるかもしれません。
しかし全く手入れをしないままで放っておきますと、わずか10年程度で、時計が完全に動かなくなってしまう可能性も高いのです。
寿命を延ばすために必要なメンテナンスとしては、以下のものが挙げられます。
・使用するたびに行う簡単な清掃や磨き作業など、自分で行えるメンテナンス
・数年に一度、プロの目でチェックしてもらうオーバーホール
これらは、クォーツ時計やソーラー時計にも当てはまるポイントです。
特にオーバーホールは重要ですから、購入時にざっくりとした「メンテナンス計画」を立てておくのがおすすめです。
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腕時計の寿命を縮めるNG行動
腕時計の寿命を延ばすためには、メンテナンス以外にもふだんから気をつけておきたいポイントがあります。大切な腕時計をできるだけ長く使用するなら、以下の行動には注意しましょう。
5年以上放置する
5年以上メンテナンスもせずに放置してしまうと、機械内部の潤滑油が劣化し、乾いてしまう恐れがあります。油が乾いたままの状態でさらに放置すると、歯車に負担がかかり、歯車が止まったり歯が欠けたりする原因になるため注意が必要です。
時計をつけたままお風呂に入る
高い防水性能を備えている時計だとしても、つけたままお風呂やシャワーに入るのはやめましょう。防水のためのパッキンが、熱により変形・劣化してしまうと、時計内部に湿気がたまってしまいます。湿気は、文字盤や部品のさびの原因になります。
磁気帯び
磁気帯びとは、機械式腕時計やアナログクォーツ時計の精密パーツがより集まっている機構部分が、磁器の影響で狂ってしまう故障を指します。磁化してしまうスマートフォンやPCなど、身近な家電に近づけすぎないよう注意しましょう。
時計をつけたままスポーツをする
腕時計は精密機械であるため、強い衝撃を与えることは絶対厳禁です。外装のキズや割れはもちろん、機構内の精密パーツに影響が及ぶ可能性もあります。スポーツモデルなど、耐衝撃性に優れた時計だとしても、スポーツをするときの着用はおすすめしません。
アンティーク時計購入時には「寿命」との兼ね合いもチェック
時計の寿命について知ったところで、気になるのが「アンティーク時計」の取り扱いについてです。
現在は販売されていない、高級時計の過去モデルは、近年非常に人気です。
ロレックスなどの高級ブランドであっても、比較的手を出しやすい価格設定で、「人とは違うものを身につけたい」と願う方からの注目を集めています。
とはいえ「寿命」との兼ね合いを考え、「自分がどの程度使い続けたいのか」を考慮した上で購入モデルを決定する必要があります。
例えばロレックスでは、各時計の純正パーツを、製造開始から30年まではすべて保管してくれています。この間は、純正部品を使った修理に対応してもらえるでしょう。
このようなメーカー対応期間を超えて時計を使い続けようとする場合、修理が難しくなってしまうことも考えられます。
・いつ製造されたモデルなのか
・これまでにどのようなメンテナンスが施されてきたのか
これらのチェックポイントを踏まえ、時計の寿命にまで目を向けて購入するのが賢明です。
一生ものの高級時計の代表的なブランド
一生ものの時計を手に入れたいと検討した際、多くの人が選択肢に入れるのは以下のブランドではないでしょうか。
- ロレックス
- オメガ
- タグ・ホイヤー
上記のブランドには、どのような魅力があるのでしょうか。
価格
一生ものとして使える時計は、確かな技術によって丁寧に製造されています。その分、価格も高くなることが基本です。
ただ、ロレックスやオメガ、タグ・ホイヤーは、入手しやすい価格帯のモデルも販売されています。初めて一生ものの時計を買おうとお考えの人にも向いているブランドです。
正規修理
時計を長く使うために欠かせないのが修理やメンテナンスです。上記のブランドは正規サポートがあり、使っているうちに不具合が生じたときも安心して依頼できることが魅力。ただ、正規修理の値段は高額になることが大半です。コスト面を考慮するなら、時計修理専門店へ依頼する方法も検討すると良いでしょう。
知名度
ロレックス、オメガ、タグ・ホイヤーは、それぞれ世界的な知名度を持つブランドです。時計好きはもちろん、時計にそれほど興味のない人でもブランド名を聞いたことがあるケースが多いでしょう。知名度の高さはステータスの高さにつながります。ご自分のイメージをアップしたいときは、上記のようなブランドの時計を選ぶのも一つの方法です。
高級時計にも寿命はある!だからこそメンテナンスが重要
高級時計にも、残念ながら寿命があります。
たとえ「一生モノ」と呼ばれるモデルであっても、定期的にメンテナンスしなければ長くは使えません。
機械式の高級時計の場合、適切なメンテナンスをし続けることで、最長で50年程度も活用することができます。30代で購入した時計を80代まで使い続けられるということですから、本当の意味で「一生モノ」といえるでしょう。
一方、クォーツ時計も捨てたものではありません。寿命こそ短めですが、リセールバリューの高さは目を見張るものがあります。大切に扱えば長期間使い続けられるので、場合によっては、時計選びの選択肢に入るでしょう。
いずれも購入時には、「寿命」にまで目を向けて時計選びを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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