ノーベル化学賞を受賞した下村脩氏の息子下村努氏は超凄腕ハッカー - 空中の杜

空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

ノーベル化学賞を受賞した下村脩氏の息子下村努氏は超凄腕ハッカー

ノーベル物理学賞に続き、下村脩氏がノーベル化学賞を受賞し、株価暴落のニュースを各ニュースサイトのトップから追い出すほどのニュースになっています。さて、この下村脩氏というのはどういう方で、どのような研究をされてきたかというのは、各報道に任せるとします。一応Wikipediaも。

下村脩 - Wikipedia

今日はそれに関連することから、ネットの人たちにとって非常に興味深い話題をひとつ。
「下村努」という方をご存じでしょうか*1。この方、先の下村脩氏の息子さんだったりします。しかしネットユーザーには、もしかしたら昨日まではこちらの下村努氏の名前のほうを知っている方のほうが多かったかもしれません(それでも知っている方は、かなりディープな知識の持ち主だと思いますが)。実はこの方、ネットセキュリティ方面では非常に有名な人なのです。

この方の名前を知らなくてもインターネットをやっていれば「ケビン・ミトニック」という名前を目にしたことのある方は多いのではないでしょうか。彼は史上最強と言われたハッカー、というよりクラッカーで、数々のコンピュータをクラックした伝説を持つ人物です。

ケビン・ミトニック - Wikipedia

近年釈放され、日本でセキュリティの講演をしたりもしています。余談ですが、彼が「伝説」と言われるのは、情報を盗むだけでそれを金目当てに悪用していなかったからなのかもしれません。

ケビン・ミトニック氏、ソーシャルエンジニアリング攻撃を易しく解説


実は彼の逮捕には、先述の下村努氏が大きく携わっています。下村努氏はそれまでもコンピュータ・セキュリティでかなりの腕前を持つ人物でしたが、ケビン・ミトニックにクラッキングされたのをきっかけに、彼への反撃が始まります。そして他の人やFBIとも連携して、とうとうケビン・ミトニックを逮捕させるに至ります。

この攻防を映画化したのが、『ザ・ハッカー』(原題:Takedown)です(レンタルショップで探した方が早いかも)。

CinemaScape/ザ・ハッカー(1999/米)

ザ・ハッカー

追記:で、その映画の元となったのがこの本(もちろん下のは邦訳)。

テイクダウン―若き天才日本人学者vs超大物ハッカー〈上〉 テイクダウン―若き天才日本人学者vs超大物ハッカー〈下〉


こんなことがあったため、彼は一部の人にはすでに有名でした。今、ブログ検索したら早速気づいて驚いている人がけっこういたり。
では、彼はどんな人なのか。ちょっと古い(13年前)ですが、以下にインタビュー記事がありました。これによると、下村努氏の本業は物理学者。下村脩氏がアメリカに渡る少し前に生まれたそうです。

下村努 インタビュー by 大野和基

Wikipediaによると、現在はUCSDのサンディエゴスーパーコンピューティングセンターにおいて主席特別研究員を勤めているとのこと。

下村努 - Wikipedia

というわけで、親子ですごいなあと思ったりすると。あと、その能力を使って、好きなことを出来る環境もうらやましいなと思ったり。


しかし……

−コンビュータ犯罪を裁くのは難しい?
「常に技術が法律よりも先行するので、法律がついていけないのも深刻な問題」

10年以上前の言葉ながら、これが深いです。なぜなら今も状況は改善されてないので。


■参考:らばQ:ハッカーに憧れちゃう子供たちが知っておくべき有名ハッカー5人

*1:場所によって「務」と「努」ばらばらだったので、Wikipediaであわせます→追記・どうやら「努」表記が正しいようなので修正しました。