「ごみゼロカヌー・SUPツーリング」が7月7日、大村湾南部の時津町沿岸で開催された。
昨年に引き続き2回目となる同イベントは「次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる」ことを目的に日本財団が取り組む「海と日本プロジェクト」の一環で、一般社団法人「海と日本プロジェクトinながさき」が実施する大村湾ワンダーベイプロジェクトの企画の一つ。大村湾のことを学んだ後、カヌーやSUPで出かけることで大村湾の特徴を肌で感じ、環境保全やごみ問題への意識向上を図るのが狙い。
当日朝、時津町B&G海洋センター(時津町日並郷)に定員の倍以上の応募者の中から抽選で選ばれた50人が集合。長崎県地域環境課の職員が、大村湾の特徴や大村湾に生息するアサリの水質浄化作用などについて説明。水質基準となるCOD(化学的酸素要求量)やその推移などについても解説した。
大村湾ワンダーベイプロジェクトのプロデューサーを務める高田雄生さんは、海洋プラスチックごみが世界に1億5000万トン以上存在していることを紹介。陸上で落ちているごみが雨や風で流され、川や海に流れ着いていることや、その量が毎年約800万トンに及ぶことなどを説明した。
艇庫に移動した参加者はインストラクターからカヌーやSUPのこぎ方について指導を受けた後、順番にカヌーやSUPに乗り込み大村湾へと出かけた。当日は南西の風が強く、初心者には難しい海況だったが、参加者らはパドルをこぎ進め、沿岸を南下。時津港方面に迂回(うかい)して対岸の崎野自然公園を目指した。参加者からは「パドルをこいでも思ったように進めず、難しかった」という声が聞かれた。
園内にあるガラスの砂浜に上陸した参加者はキャンプ広場に移動。大村湾漁協が準備した海鮮バーベキュー(BBQ)を楽しんだ後、ガラスの砂浜で清掃活動を行い、カヌーやSUPに乗り込んで時津町B&G海洋センターを目指した。
高田さんは「イベントでは実際に大村湾に触れてもらうことで海を守る意識を持ってもらったりすることを大切にしている。今日は波風があり、海上でのごみ拾いは思うようにできなかった。SUPが風に流されて棄権してしまう子どももいたが、自然の厳しい面も肌で感じてもらう機会になったのでは」と振り返る。「大村湾を好きになって、環境を守っていくために考えてもらう機会になれば」とも。