Nスクエア建築について | 吉備高原Nスクエア

Nスクエアのこと

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隈研吾氏インタビュー

世界的に著名な建築デザイナー隈研吾氏がCLT材をふんだんに使用して設計したNスクエアについて、インタビュー動画をお届けします。

ーまず、岡山とのご縁って最初は何だったんでしょうか?

岡山はですね、急にいろんな縁が重なって、岡山大学の縁とか、それから今回使ってるCLTですね。岡山はCLTの日本一の産地なわけですけど、僕はアドバイザーとして内閣府からCLTの普及を応援してくれと頼まれていて、それでCLTの工場を見に来たり、その周りの森を見に来て真庭とも縁ができたりしてですね、もう同時にいくつかのものが重なってきて、なんか岡山から呼ばれてるみたいな感じでしたね。蒜山グリーンナブルもそうですね。東京オリンピックの時に岡山のCLTを持っていって東京の晴海に作って、それがまた里帰りして蒜山に戻ってきたという意味で、CLTが簡単に持ち運べて軽いという利点を最大に生かしたものなんですよね。

ー吉備中央町の印象はいかがでしょうか?

岡山の中でも非常に地盤がしっかりしていて安全な場所で、しかも緑が多くて、とっても魅力的な、ある種桃源郷のようで、ここに登ってくると別世界が広がってるみたいな、そういう土地の力がありますね。

ーNスクエアのデザインってすごく奇抜で、先生の作品のなかでも他に類がないような感じがしますが、このデザインに至った経緯を教えていただけますか?

NスクエアはやっぱりCLTメインにしようと思ったんですね。CLTは岡山が日本をリードしてるものだし、これからの木の建物の中ではCLTの技術が最先端なので、それを主役にしようと思ったんですね。CLTのメリットは、パネルをバーンと大きなまま使えることで、Nスクエアでは大きなパネルをもう目一杯使っているので、CLTのパネルのそれ自身の迫力が伝ってきますね。僕はCLTもちろん使ったことあるし、木の建物もいっぱい作ってますけど、これだけスケールの迫力があるものは僕も作ったことないので、そういう意味では僕らにとっても挑戦だったし、今日見てすごいのができたなと思っています。

ーNスクエアが完成したら、2階はコワーキングスペース、1階はコミュニティスペースやカフェをやりたいと思っているんですが、そういう使い方についてはどう思われますか?

コワーキングもコミュニティも、今までのコンクリートの箱の中に詰め込んで限られた人間が働くんじゃなくて、これからの時代は開かれてるってことが重要になってくるので、この場所にぴったりなんですね。1階も2階もすごく開かれたオープンな場所で、すぐ近くに緑もある。周りのコミュニティの人たちもきっと、これは素敵なものができたって、磁石みたいに引き寄せられるじゃないかなと思うので、とても楽しみですね。

ー最後に、CLTの建物は将来的に増えていくんでしょうか?

今の欧米の流れを見ても、CLTは木造の中でも大きな建築を作りやすい。そういう意味で、地球温暖化対策に木を使わなきゃいけないという世界の流れの中で、CLTは1つの主流になってくと思いますね。日本ではまさに岡山がCLTの1番のリーダーなので、岡山がこのCLTで木造の時代をリードして、日本の木造を岡山から世界に発信するみたいなことにこれからなってくんじゃないかなと思いますね。


<建物概要>

デザイン監修:隈研吾建築都市設計事務所
設計:株式会社黒川建築設計事務所
施工:ユージー技建株式会社
建築主:株式会社システムズナカシマ
工期:令和5年4月26日着工〜令和6年2月29日竣工(予定) 約10ヶ月
面積:敷地面積1,608.32㎡(486.51坪)、建築面積385.62㎡(116.65坪)、床面積585.02㎡(1階:276.30㎡、2階308.72㎡)
構造:木造2階建(CLT)

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