転職活動のスケジュール全10ステップを準備編・実践編で紹介
転職活動を段取りやスケジュールの観念なく始めてしまうと、本当に希望する企業への転職を逃したり、「転職したい」と思うばかりで、いつまで経っても転職できないなどの状況に追い込まれがちです。転職を決意したなら、転職活動の具体的な進め方を知り、自分の転職活動のスケジュールを想定していきましょう。
この記事では、転職活動に関する10ステップを「準備編」、「実践編」に分けてご紹介します。
目次
準備編 - 転職前に行う事前準備
転職活動は、「応募までの準備」と「応募以降の実践」で分けることにより、対策の仕方がわかりやすくなります。まずは応募までの自己分析や業界研究、企業研究などを中心とした「準備編」の1~4ステップを見ていきましょう。
転職の目的を明確にする
そもそも何のために転職をするのか、その「転職の目的」を明確にしなくては何も始まりません。これは、転職に限らず、何かしらのゴールを目指すうえで、必ず必要な作業でしょう。目的のない行動は、向かうべき港も知らないまま、船出に出るようなもの。スタートの時点で、方向がズレてしまうと、最初は少しのズレだったはずが、時間の経過と共に、取り返しのつかない地点まで行ってしまうこともあります。
ポイント:何のために転職をするのかを具体的に書き出してみよう
転職の目的を明確にするには、まず「何のために転職をするのか」を言語化し、具体的に書き出してみましょう。たとえば、「給料を上げたい」「キャリアアップしたい」「ワークライフバランスを整えたい」などです。転職の目的を明確にするために必要な考え方は、「転職の目標の先にある「転職の目的」を明確にしていこう」ページでも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
転職活動のスケジュールを立てる
転職の目的と退職のタイミングを考えることができれば、あとは行動するのみ。まずは、退職を転職活動のスケジュールに組み入れましょう。これも転職の目的を明確化する時と同じく、何をするにも必要な作業です。
ポイント:退職日を先に決めたうえで逆算したスケジュールを組もう
まずは「いつ」までに退職し、転職を達成したいのか、その「いつ」を設定しましょう。一般的に転職活動の平均期間は、3〜4ヵ月と言われています。現在就業中の方であれば、転職活動する中で、引継ぎ作業や退職の手続きなども含んで考慮しなくてはなりません。先に仕事を辞めて転職に臨むのであれば、日中でも思う存分動けるように、スケジュールをより細かく組んでいきましょう。
また転職の成功をイメージし、そこから逆算してスケジュールを組んでいく際は、「今日何をすべきか」「明日は何をすべきか」どんどん具体的にしていくのがおすすめです。より質の高い転職活動を行うためにも、一日一日の専用ToDoリストを作ってみるのもよいでしょう。
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自己分析をする
就職活動ではすでに一般的となっている自己分析ですが、社会経験のある転職者にとっても重要です。自己分析をすることで転職の目的が明確になり、それが企業を選ぶ際の基準(軸)になるからです。自己分析をすることによって、自身のスキル、仕事に対する価値観、将来のビジョンなどを掘り下げ、自分を「客観視」できるようにしておきましょう。
ポイント:自己分析を志望動機に活かそう
転職活動には、自分自身を説明しなくてはならない場面がたくさんあります。面接もそうでしょう。履歴書、職務経歴書、ポートフォリオを作成する際も、志望動機の記入を求められることがほとんどです。
その際、自己分析で自分の長所や強みを把握し、それを企業でどう活かせるかが分析できていれば、志望動機もスムーズに作成することができます。自己分析を制すものは、転職活動を制す!と言えるぐらい転職において自己分析は欠かせません。
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情報収集をする
現在では、さまざまな媒体によって求人情報が掲載されており、いつでもどこでも求人を探すことが可能です。さらには、Web・ゲーム業界に携わっている方であれば、ITリテラシーも高く、その利便性を痛感していることと思います。ただ大切なことは、ご自身の転職の目的に合った求人を、効率よく探すことができているか、ということ。
また、応募企業に関する情報も、本当に生の現場情報を正しく入手できているか、ということです。手当たり次第に情報を得ていてはキリがありません。求人情報・企業情報と言っても、その先には現場があり、人が存在します。職場環境には1つとして同じものはありません。そこで業界研究や企業研究が必要となるのです。
業界研究を行うポイント
あなたの希望する職種がどんな業界に存在していて、将来性はあるのか。 |
他業界を考える場合、自身の活かせる経験や知識が発揮できるのはどのような部分か。 |
企業研究を行うポイント
あなたの転職の目的(社風・仕事内容・ポジション・待遇・働く環境など)に合致している企業か。 |
あなた自身がその企業の求める人物像に一致しているか。 |
業界研究や企業研究といった情報収集を行う前にすべきこととして、自分の中で「転職の目的」の優先順位をつけることです。自分の中で最も優先したい「転職の目的」は妥協せず、2番目に優先したい目的、3番目に優先したい目的と、優先順位を設定します。そうすることで、企業の募集要項を見る際も、応募するかどうかの線引きがしやすくなります。
上図のように、業界研究や企業研究を行ったうえで、明確化した自分の目的を達成できる理想的な職場環境を見つけていきましょう。
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実践編 - 事前準備を基にした行動
続いて、「実践編」の5~10ステップを見ていきましょう。実践編は「応募書類の作成」→「応募時の注意事項」→「面接を受けるとき」→「内定したら」という流れで進みます。転職活動中の方は自身の活動と比べて問題ないか、これから転職活動をはじめる方は準備編と共に頭でシミュレートしてみてください。
応募書類を作成する
企業の採用担当者との最初の接触ポイントである「履歴書」、あなたがどんな職務に携わり、どのような成果を出してきたのかを端的に伝える「職務経歴書」。そして、Web・ゲーム業界では必須となる「ポートフォリオ」。全てが重要な応募書類であり、企業はこれを見て、あなたという人材を判断します。つまり企業にとっては「応募書類=あなた」です。どのように作成すれば、最適な形であなたという人材を企業にアピールできるのか、時間をかけてていねいに作成していきましょう。
ポイント:3つの応募書類それぞれの役割を明確化する
主にクリエイティブを行うWeb・ゲーム業界に応募する人は、通常の履歴書・職務経歴書だけでなくポートフォリオの提出を求められる場合が多いです。特に転職者は業務経験やスキルのクオリティを示すうえでもポートフォリオは欠かせません。しかしキャリアが長く、書くことの多い人にとっては応募書類自体が膨大となって、3種類もの書類があるとなれば余計に何をどう書けばいいのか悩むことも多いでしょう。採用担当者にとっても、応募者を表す内容が3つの書類に上手く整理されているのはありがたいことです。
履歴書の役割 - 学歴・職歴であなたのこれまでの人生を端的に表す指標
3種類の書類の中で個人のオフィシャルな情報を開示していくのが履歴書です。職歴の部分は職務経歴書でも詳細に表現できますが、学歴など社会人となる以前のあなたを知ることができるのは履歴書のみといっていいでしょう。企業の採用担当者が決して目を通さずに採用することはできない書類です。自分の人となりを表す書類として、正確に書くことを心がけましょう。備考欄や志望動機の欄を使って自分の応募企業に対する思いを伝えることもできます。
履歴書の書き方に関しては、「履歴書の見本 - 転職活動用の標準テンプレート無料ダウンロードあり」ページで紹介しています。
職務経歴書の役割 - あなたのクリエイターとしての能力に直結する経験を見せる
あなたの経験やスキルを語るうえで職務経歴書は重要な役割を担います。時系列に沿って、あなたの成長度合いと合わせた業務経験をしっかりと表現することを心がけましょう。ポートフォリオとの役割分担としては、職務経歴書は経験した仕事内容やポジション的なキャリアアップの状況など、客観性を持った内容を担当することとなります。詳細な内容をテキストで正確に表現することを目指しましょう。
職務経歴書の書き方に関しては、「職務経歴書の書き方 - 職務経歴書サンプル無料ダウンロード」ページで紹介しています。
ポートフォリオの役割 - あなたの人材力を表現しながらクリエイタ−としての主張も
クリエイティブを行う職種を中心に広まってきたポートフォリオですが、今では他職種であってもポートフォリオを有効に使って採用の確率を上げている人が多くいます。ポートフォリオは自身の実績をビジュアルを用いて具体的に表現できると共に、あなたのこれまでの仕事への関わり方、クリエイターとしてのあなたの実力から主張まで表現可能です。応募する企業へのアプローチによって見せるべき実績のパターンも変わってきます。表現のしかたの自由度が高いだけに作成には手がかかりますが、クリエイター募集では採用担当者の注目度も特に高い書類です。
ポートフォリオの作成に関しては、「魅力的なポートフォリオの作り方!絶対入れたい5つの要素」ページでご紹介しています。
求人に応募する
転職の目的を明確にし、スケジュールも立て、自己分析、情報収集、応募書類もある程度形になったら、実際に求人に応募しましょう。ここまでのステップをていねいに一つひとつ踏んできたら、おのずと自分に適した求人とはどんな求人か見えてくるはずです。
ただ、ここでも、気をつけなくてはならないことは、決して焦らないことです。焦ってしまうと、ついつい明確化した転職の目的を忘れ、表面上の求人情報に惑わされることがあります。あくまで、転職の目的へと繋がる求人企業を見つけることが大切です。
ポイント:求人へ応募する前に5つの最終チェックを行おう
世の中にはさまざまな求人があふれており、応募しようと思えば何十社でも応募することは可能です。しかし、応募から内定までのプロセスは企業にとってもあなた自身にとっても一つひとつ大変な労力を費やすこととなります。「本当に応募すべき企業か」を見極めるための最終チェックを行っていきましょう。
転職の目的に合致しているか?
そもそもあなたが何を目的に転職しようとしているか。これを第一に考えて応募する企業、職種の選択を行ってください。あなたの経験はこれまで在職していた企業と同じスタイルの企業に最もアピール力があるということを自覚しておきましょう。求められるまま流れに任せて入社を決めてしまうと転職の前と後で何も変わっていないという事態も起こりえます。
募集対象に自分はマッチしているか(勝算はあるか)?
転職で自分の希望を叶える一方であなたを採用する企業にも明確なメリットを与えなければなりません。あなたが参加することで企業にはどんなメリットが生ずるのか。応募条件という枠の中であなたがこれから自分自身をプレゼンするのだと考えましょう。その前提として、能力、スキル、経験を含めた企業の求める人物像に自分が合致しているかが大切です。
募集されているポジションや待遇に納得できるか?
収入やポジションにおいてアップとなるかダウンとなるか、それとも現状維持か。転職の目的がたとえ収入アップではなくても、待遇、ポジションの条件を軽く考えてはいけません。キャリアチェンジではなく、専門スキルを活かせる転職なら最低でも現状維持または収入アップを目指しましょう。応募要項に書かれている条件が現状の自分の条件よりも明らかに低いとき、採用の可能性が低くなるということを覚えておきましょう。企業は高い能力の経験者ではなく、成長の見込める経験の少ない人を採用しようとしているのです。スペックが高すぎて不採用ということもよくあることなのです。
自分と応募する企業の将来を展望できるか?
転職はやはり短期的なビジョンで行ってはいけません。たった今その企業が行っているプロジェクトだけを見て、「それがやりたい」というだけでは転職を希望するうえでは十分とは言えないでしょう。企業が持っている将来の展望、自分の進むべき方向性とそれぞれの成長性を鑑みて応募企業を決定していかなければなりません。人材流動が活発となった現在でも転職のリスクはあります。転職せずに長く勤められるということは、それだけ人生のリスクを減らすことにも繋がるのです。
その会社に強い関心を抱いているか?
自分の勤める会社に対する評価はどのように行われているでしょうか。仕事や待遇も重要ですが、それだけではないことも業務経験のある方なら感じられているはず。経営者の理念であったり、その会社の持つ社風や文化であったり、働く仲間との交流やチームワークであったり。その会社の持つ独自性が魅力を形作っているのです。応募企業を選ぶときには、仕事内容や待遇だけでなくその会社そのものに関心を持てるかが重要です。
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面接を受ける
書類選考が通ったら、いよいよ面接です。Web・ゲーム業界でのクリエイティブに携わってきた方も、この面接では自分の言葉で、これまでの経歴や作品について説明しなくてはなりません。入念に面接対策をし、しっかり押さえるところを押さえていきましょう。また、面接担当者が、自分に何を期待しているのか、それを知るためにも、応募する企業のビジョンや特徴などを調べておくことも大切です。面接は、誰もが緊張する場面ですが、チャンスでもあります。自然体で堂々と自分をアピールできるように、面接日当日まで念入りに準備を重ねていきましょう。
ポイント:面接での失敗・トラブルを回避しよう
面接という自分の今後の人生を左右するかもしれない一瞬に緊張するのは当然のことです。ここでは、応募者が緊張やパニックによって面接でやってしまいがちな失敗・トラブルの代表例3つとその対応方法を確認しておきましょう。この3つを意識しておくだけでも緊張やパニックを抑える効果があります。
面接アポは時間厳守!それでも遅刻してしまったら?
突然の体調不良や交通のトラブル、在職中の会社の仕事でどうしても抜けられない。中途採用の応募者が面接に間に合わない、あるいは行けなくなってしまったという事態は、実は思いのほか多いのです。そんなときは、できるだけ早く事情を正直に説明し、可能ならば時間をずらしてのスタート、あるいは別日へのリスケジュールをお願いするしかありません。電車遅延などの交通トラブルはあなたの責任ではありませんが、それでもしっかりと謝罪するのが社会人としてのマナーです。
採用側はそのときのあなたの対応にも注目していることを忘れずに。遅れたことでどうせ不採用だろうと、そのままアポイントをすっぽかしてしまう人が残念ながらいます。そんなことをしたらどんな魅力的なポジションの募集がかかったとしても、その企業に入社することは2度とできないのは言うまでもありません。トラブルになったときほど冷静にていねいに対応しましょう。
間違った言葉づかいをしてしまったら?
日頃からプレゼンなどで人前で話すことに慣れている人なら大丈夫ですが、専門スキルを活かす仕事の人の中には対面のコミュニケーションが苦手という人もいるでしょう。それでなくても面接の場は緊張のあまり言葉づかいがおかしくなってしまう人は少なくありません。尊敬語、丁寧語、謙譲語の違いをよく理解して間違った言葉づかいをしないよう日頃から心がけておきましょう。それでも緊張で間違ってしまったら、口ごもってうやむやにせず、もう一度はっきりと言い直すのがおすすめです。
面接でありがちな尊敬語と謙譲語の間違いなど、緊張で言い間違えただけなのか、それとも常識を知らないのか、採用担当者は見ているからです。間違いをそのままにしてしまうと対面的な能力を疑われてしまいます。一方でしっかりと言い直せれば問題視されることもありません。緊張しないためにもあまり神経質にならずにリラックスして会話するように心がけましょう。
- 尊敬語 - 目上の人を立てたい表現で使う言葉
例:「ご覧になる」「ご利用になる」「貴社・御社」「いらっしゃる」 - 丁寧語 - 相手に対して敬意をこめた表現で使う言葉
例:「〜です」「〜でございます」「お聞きになる」「ご連絡」 - 謙譲語 - 自分自身をへりくだった表現で使う言葉
例:「いただきます」「参ります」「拝見します」
自分のウィークポイントへの質問・圧迫面接をされたら?
最近では随分少なくなってきましたが、応募者にプレッシャーをかけて反応を見る圧迫質問を行う会社があります。また、その際、応募書類などで採用者側が知り得たあなたの職務に対するウィークポイントについて質問してくる場合もあります。応募前の自己分析によって自分のウィークポイントについては必ずチェックしておきましょう。
想定される質問の答えを用意しておくだけでも面接での動揺を抑えられます。企業側が本当に見たいのはあなたのトラブルに遭遇した際の対応力です。自身のウィークポイントに関して、動揺して反論したり否定したりするのではなく、課題を認識し、どう解決していくかの建設的な意見が言えるかが鍵です。頭を柔軟に、臨機応変な受け答えができるようマインドを整えておきましょう。
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内定獲得
見事、自分の希望する企業から内定通知を受けることができたら、やるべき準備に取りかかりましょう。転職を経験したことのある方であれば、内定通知を受けたときの感動を想像できると思いますが、ここからは企業との条件調整や入社日の調整、現在就業中である会社との退職手続きなど、やらなくてはいけないことが、実はたくさんあります。現職の会社への退職手続きは、もちろんご自身で行うものです。気持ちよく転職活動を終わらせるためにも、退職日の最後の最後まで誠実に振舞いましょう。
ポイント:内定獲得後もひと踏ん張り!その後も気を抜かずに対応しよう
転職活動における大きな目標の1つが入社を希望する企業からの内定獲得です。内定を得たことでそれまでの緊張の糸が切れてしまったりもしますが、大切なのは内定という結果だけでなく、その後の入社に至るまでのフローです。内定獲得後はその後のフローにもしっかりと目を向けていきましょう。
内定を獲得したら確認しておくべき3つのポイント
労働条件確認書 - 入社の条件が正しく満たされているかを確認
内定に関する通知がされた後に、労働条件確認書が送られてくるか、オファー面談のときに提示されるのが一般的です。応募要項に記載されていた条件と面接などの採用フローにおいて提示された条件を踏まえて、労働条件確認書がその内容に則ったものになっているかを確認します。もし、細かな部分であっても違っていたら人事など、採用窓口にすぐに問い合わせて記載ミスか、条件の変更かを確認しましょう。
オファー面談 - 自分と企業の意志を最終確認しよう
内定後は労働条件確認書の提示だけでなくオファー面談を実施してもらうのが理想的です。あなたの働く条件について、詳細な部分まで面談で確認していきましょう。内定を受けた後は企業側は正当な理由なく内定を取り消すことはできません。一方内定者は、この段階で入社を拒否することも可能です。自分の希望の転職を果たせるよう交渉できる最後のチャンスでもあります。オファー面談の機会を有意義に活用しましょう。
また、労働条件通知書やオファー面談については、「内定後のオファー面談で事前に知っておきたい4つのポイント」でも詳しく解説しています。是非ご覧ください。
内定獲得済み、もしくは選考中の他社との比較
オファー面談を終えたら入社するか否かのあなたの最終判断が必要です。内定を獲得した企業が複数ある場合、あるいは選考中で入社したい企業がある場合など、検討できるのもここまでです。オファー面談によって会社の印象が変わったり、応募時よりも高い条件の提示によって入社の優先順位が変わることもあります。また選考中の企業に気持ちがある場合は、内定を蹴って選考中の企業にかけるという選択肢もあります。リスクを理解したうえで、自分が一番納得できる企業への入社を選択しましょう。
円満退職を行う
現在就業中の会社との退職交渉は、内定通知を受け、承諾後に早急にしなければならないものです。これまでの職場への不満が、転職を考え始めたきっかけだったとしても、あなたにとっては、大切なキャリアです。前触れもなしに、退職願や退職届を提出することはタブーであり、マナーに反するでしょう。まずは、上司に退職の意思表示をし、就業規則なども再度確認しておきましょう。
ポイント:手を抜くと後で後悔する!円満退職こそしっかりと行おう
転職における大きな2つの課題は、希望の会社の内定の獲得と在職していた会社の円満退職です。誰もが転職先企業に目を向けがちですが、これまで在職していた企業の同意を得られなければあなたの転職は本当の意味での成功とは言えません。円満退職を実現するために特に「やってはいけないこと」に注目して4つのポイントをここで紹介します。
円満退職のためにやってはいけない4つのこと
退職が決定する前に転職先の情報を話してしまう
退職を申し出る上司にはもちろん、普段仕事を共にしている同僚や後輩にも、退職が認められ、社内的な発表が済むまでは転職先の情報は漏らさないようにしましょう。在職企業が慰留を強く求めて転職を妨害しようとするケースは意外に多くあります。業界内での関連で、そんな事情が転職先に伝わってしまうリスクも避けねばなりません。
現職に対する不満を退職理由に挙げる
退職の理由は「一身上の都合」というのが日本の通例です。在職企業からは慰留の方法としても「あなたの不満なところを改善するから」と言ってくることも多いでしょう。しかしそこで実際に不満箇所を挙げてはいけません。会社側は、あなたが退職したらその会社の不満を外で話してしまうと考えるのが普通です。問題は解決できなくても、さらに強い慰留に合うばかりです。退職する企業には「これが原因」と言ってしまうより、自分の希望や意志の問題とするのが円満退職のコツです。
退職を届けてから退職までの期間の設定に無理がある
手がけているプロジェクト、進行中の仕事の切れ目など、無理のない引き継ぎにどれくらい時間がかかりそうか、在職したポジションの経験者として一番わかっているのはあなた自身ではないでしょうか。現実的な退職までの期間が見えてくるはずです。「後のことは知らない」といった対応で引き継ぎ可能な期間を考慮せずに退職時期を決めたとしたら、在職企業から得られるはずの協力も得られなくなってしまいます。あなたと在職企業の互いの要望をすり合わせて退職時期を決定しましょう。
退職不可能なほどの激務に追われている。中にはそんな仕事のしかたをしている人がいるのも業界の現実です。その場合は引き継ぎが完全にできなくとも、退職までの期間は最低でも1ヵ月くらい確保しましょう。それであなたは社会通念上の労働者の義務を果たしたことになります。退職後にトラブルの種とならないよう、辞める会社への気づかいを示して退職することを心がけましょう。
まったく交渉せず、一方的に退職してしまう
転職先の企業が確定すると在職企業と交渉することなく一方的に退職してしまう人がいます。これは社会通念上許されないばかりではなく、非常に危険なことです。
退職が認められないままあなたが勝手に退職したとしたら、最悪会社側に「長期間の無断欠勤よる懲戒解雇」とされてしまう可能性があります。この場合雇用保険の手続きに必要な離職票に「重責解雇」と記入されます。この離職票は転職先企業に提出を求められる場合もありますので、重責解雇の理由の説明を求められるのはもちろんのこと、懲戒解雇を受けていることを隠して応募したとなれば内定を取り消しにできる十分な合理的理由となるのです。
離職の手続きは在職企業の協力なくしてはできません。粘り強い対応と交渉の末ならば、慰留を拒否したとしても在職企業も解雇にはできません。最後まで社会人として誠意を持って退職することを目指しましょう。
いざ転職へ
いざ転職です。業務の引き継ぎや取引先への挨拶なども、しっかり時間を作りていねいに行うことが大切です。時期においても、業務に差し支えのないよう、繁忙期等を避けたりすることも1つの心配り。退職日当日は早めに出勤し、会社の備品は返却したりとデスクまわりの整理をし、新しい職場へ快く出社できるように、周辺の環境の面でも、気持ちの面でも、万全の準備を整えていきましょう。
退職から入社までの期間でやっておきたいこと
将来へ繋ぐため、これまでの仕事関係者へ挨拶
退職した企業と関わる人的ネットワークに退職後すぐにアプローチするのは業界の通例としてNGです。しかし、将来的にどんな形で再会できるかわかりません。退職前にしっかりとした退職の挨拶だけはしておきましょう。
次の職場で活躍するためのトレーニング&情報収集
仕事をやりながら、転職活動をしながらではどうしてもできなかったスキルアップやトレーニング、情報収集は退職後から入社までのこの期間に取り組むのも1つの方法です。新しい会社で必要になるアプリやツールの修得、業界知識を深めておくことなど、次の仕事目線での時間の使い方も考えましょう。
新たな仕事モードへ頭を切り替えるためのリフレッシュ
退職から入社日までに有給消化などある程度の時間が持てるなら、仕事に従事している間にはなかなかできない長期間の旅行やレジャーでリフレッシュするのもよいでしょう。これまでの業務で疲労している人は体を休めるというのも方法ですが、家に引きこもって行動を止めてしまうと、なかなか仕事モードに戻れなくなってしまう人もいます。自分に合ったリフレッシュのしかたを考えて、次の仕事に臨める自分自身をリクリエイトしてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。ポートフォリオの作成のように、クリエイターならではのものもありますが、企業へのマナーや礼儀、心配りという点では、他の職種とまったく変わりません。
この10のステップは、転職活動をする方なら、誰もが通る道。日々の忙しい業務の中で動けずにいる方もいらっしゃると思いますが、一つひとつのステップを進めていくことで転職というあなたの目標へと到達できるはずです。まずは小さな一歩から、あなたの転職活動をスタートさせてみてください。