返済中の複数のローンをまとめられる、アイフルのおまとめローン。負担を減らせて返済管理が楽になるというメリットがありますが、返済中に突然一括請求されるケースがあります。毎月少しずつ返済できるおまとめローンを利用しているのに、一括請求されてしまうと困りますよね。
そこで今回は、アイフルのおまとめローンを利用しているときに一括請求される理由を解説します。一括請求に応じないと起こることや、適切な対処法についてもわかりやすく説明するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
金融機関勤務を経て1級ファイナンシャルプランニング技能士の資格を取得。ファイナンシャルプランニングオフィスParadise Wave(パラダイスウエーブ)の代表。現在は独立系ファイナンシャル・プランナーとして各種ローンに関する相談業務・セミナー講師・執筆活動を行っている。さらに、海外生活ジャーナリストとして移住支援も行っており、得意ジャンルは金融にとどまらず多岐に渡る。 【主な著書】 『貯める!儲ける!お金が集まる94の方法』(ローカス) 『あなたのファンを増やす魔法の質問 テラー必携!!』(近代セールス社) 『介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本』(近代セールス社) 『宅建資格を取るまえに読む本』(総合資格)
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
アイフルのおまとめローンである「おまとめMAX」や「かりかえMAX」を利用しているときに、突然一括請求されることがあります。毎月少しずつ返済していたところから、なぜ一括での返済が求められてしまうのでしょうか。考えられる理由としては、次のようなものがあります。
アイフルから一括請求される主な原因は、支払い遅延や滞納です。それによって「期限の利益の喪失」が発生すると、月々の返済ではなく一括での返済が求められます。詳しく見ていきましょう。
返済の遅延や延滞が続くと「期限の利益」が失われ、一括請求される場合があります。
期限の利益とは分割払いができる権利のこと。ローン契約を結ぶと、期限になるまで借りたお金を返済する義務を負わず、催促もされないという権利を得ます。しかし、契約書の内容に違反するとこの権利が喪失。一括返済を求められることがあります。
アイフルのおまとめローン契約規約では、第10条で期限の利益の喪失について定められています。その一例を見てみましょう。
このように、支払い遅延や滞納を起こした場合や虚偽の申告があった場合など、アイフルが問題ありと判断した場合は期限の利益が喪失し一括請求されます。
アコムにでは、届出事項に住所情報が含まれており、変更があったときには届け出る決まりになっています。引っ越したときには、忘れずに手続きしましょう。
突然、一括返済を求められたらどうしようと不安に感じる人もいるかもしれません。しかし、返済が数日遅れただけで、突然一括請求されるケースはありませんので、その点は安心してください。
返済日にお金を支払わなかった場合、まずは督促の電話がかかってくるのが一般的です。この段階では、支払いが遅れていることを知らされ、いつ支払えるのかを確認されます。ここできちんと対応すれば、一括請求される事態を防ぐことが可能です。
滞納状態が2か月ほど続くと信用情報機関に事故情報が登録され、いわゆるブラックリスト入りの状態になるので注意。多くの場合、この頃にアイフルから一括請求されます。
一括請求が行われるのは支払い遅延や滞納をした場合だけではありません。ほかにも規約に違反してしまうことで、一括での返済を求められることがあります。詳しく確認していきましょう。
ローンの利用中に、転職で勤務先が変わったり引っ越して住所の変更があったりしたときは必ず申告しなければなりません。変更の申告を忘れると、一括請求されることがあります。
申告している情報に変更があったにもかかわらずアイフルに知らせなかった場合は、悪意がなかったとしても虚偽申告になってしまう可能性が高いので気を付けましょう。
審査に通るために年収を多めに申告したり、在籍確認を恐れて嘘の勤務先を報告したりした場合も虚偽申告となります。ただし、これらは審査のタイミングで発覚することが多いので、一括請求の原因になることは少ないでしょう。
気をつけなければならないのはローン利用中に登録情報が変わったときなので、情報の変更があったら速やかに変更手続きを行いましょう。
契約後に他社から追加で借金をしてしまったときも、規約違反となり一括請求される可能性があります。「アイフルのおまとめローンでは、他社からの借入は問題にならない」という主張も見られますが、契約規約を確認すると、第15条で以下の内容が定められています。
おまとめローンを利用すると、他社の借入額が減り限度額に余裕ができるので、新たな借入を考える人もいるかもしれません。しかし、アイフルのおまとめローンでは他社での新規借入が禁止されています。追加借入をすると、規約違反と判断され一括請求される可能性があるので気をつけましょう。
ローン利用中に信用情報が傷ついた場合も、アイフルから一括請求されるリスクがあります。
信用情報は、クレジットカードやローンなどの利用歴が記録される個人情報です。クレジットカードの引き落とし日に利用額を支払えなかった、スマホの分割払いを滞納してしまったなど支払いに関するトラブルや悪い記録が残ると、信用情報が悪化してしまいます。
契約時だけでなく、契約期間中も定期的に利用者の信用情報はチェックされます。そこで支払い遅延などのマイナス情報が見つかった場合は、延滞をさけるために一括請求される場合があるので気を付けましょう。
一括請求をされた場合は、速やかに応じる必要があります。とはいえ、一括での返済を求められても支払えないケースがあるでしょう。アイフルから一括請求されても返済ができない場合、何が起こるのかをこれから解説します。
ローン利用中に一括請求され、支払いに応じなかった場合は高額な遅延損害金が発生します。アイフルのおまとめローンで決められている遅延損害金は、20.0%です。遅延損害金は、以下の計算式で求められます。
残高×遅延損害金年率÷365日×延滞日数
たとえば、ローンの残高が30万円で、一括請求後30日間支払いに応じなかった場合の遅延損害金は以下のとおりです。
30万円×20%÷365日×30日=約4931円
遅延損害金は日割り計算なので、支払わない日数が増えるほどに金額が高くなっていきます。放置しないで、1日でも早く対策を取ることが重要です。
一括請求に応じなかった場合、金融関係の個人情報を管理する信用情報機関に事故情報として掲載されます。これが、いわゆるブラックリスト入りと呼ばれる状態です。
信用情報機関の情報は、ローン会社やクレジットカード会社と共有されています。そのためブラックリストに載ってしまうと、クレジットカードの審査に通らない、ローンやキャッシングが利用できないなどのデメリットが生じます。スマホの分割払いもできなくなるので要注意です。
延滞に関する情報の保管期間は5年間(参照:CIC)。支払い遅延でブラックリスト入りしてしまうと、完済したとしても5年間は事故情報が消えないので気を付けてください。
一括請求されても応じないでいると、財産を差し押さえられる可能性があるので気を付けましょう。
訴状や支払督促状が送られてきたにもかかわらず放置してしまうと、アイフルが裁判所で、強制執行の手続きを行います。強制執行の申し立てを裁判所が認めると、給与や預金などの財産が差し押さえられてしまうので、そうなる前の対応が重要です。
一括請求された場合でも、適切に対処するれば差し押さえなどの法的措置を防ぐことが可能です。これから解説する適切な対処法を知り、速やかに実行しましょう。
支払いを一括で求められる原因に心当たりがない場合は、まずアイフルに連絡してみましょう。どのような規約違反をしてしまったのかを確認できれば、正しく対処することができます。
一括請求されてすぐに支払えないからといって、数日以内にブラックリスト入りしたり強制執行による差し押さえが行われたりすることはありません。営業時間外でアイフルにすぐ連絡できない場合でも、まずは落ち着きましょう。
落ち着いたうえで、営業時間内にアイフルに電話して、冷静に一括請求の原因を聞くことが大切です。
一括請求された原因がわかったものの一括で返済するのは難しい場合は、債務整理任を行うのが適切です。弁護士や司法書士に相談して、手続きを進めましょう。
債務整理とは、法的に借金を減額したり免除を受けたりできる制度のことです。債務整理には任意整理・特定調停・個人再生・自己破産という4つの方法があり、それぞれやり方や特徴が異なります(参考:法テラス)。
任意整理は、債権者との交渉によって返済額や返済方法を調整し、ローンを無理なく完済できるようにする方法。借金そのものがなくなるわけではありませんが、利息分は減らせる可能性があります。特定調停でも同様に利息の支払いをカットできる可能性がありますが、原則として弁護士ではなく本人が手続きを進め、手続きは裁判所を通して行われます。
個人再生は、借金を最大で90%減額し、残りを3〜5年かけて返済するための裁判所を通した手続きです。再生計画案を作成する手間がかかる一方で、家などの財産を残せるメリットがあります。
自己破産は裁判所に破産申立書を提出して免責許可をもらい、借金を免除する手続きです。借金をゼロにできますが、財産を処分しなければならず、職業の制限を受ける場合があります。
債務整理をすれば、いずれの手続きであっても借金を減額することが可能です。利息がカットされるか借金そのものをゼロにできるかは手続きによって異なりますが、借金の負担を減らせるのは大きなメリットといえるでしょう。
取り立てや支払いをストップできるのも魅力です。無理な返済を止めることができ、取り立てによって家族や会社の人に支払い遅延がバレてしまう可能性を抑えられます。
債務整理によって利息や遅延損害金が免除される可能性がある点も見逃せません。遅延日数が増えるほどに利息や遅延損害金の負担が大きくなってしまうので、法的な手続きによってこれらの負担を抑えられるのもメリットのひとつといえるでしょう。
債務整理では、難しい手続きを弁護士や司法書士に一任することができ、安心して生活を立て直せます。専門的なことはプロに任せ、きちんと計画を立てたうえで生活を再建できるので、一括請求された場合は早めに債務整理を行うのがおすすめです。
メリットが多い債務整理ですが、デメリットがあることも覚えておきましょう。
まず、裁判所を通して手続きしたり弁護士や司法書士に手続きを依頼したりするため、債務整理には時間やお金がかかってしまいます。
債務整理をした事実がブラックリストに掲載されるのも避けられません。任意整理の場合は完済から5年間、個人再生や自己破産の場合は5〜10年ほど事故情報が掲載されるので、そのあいだは新たな借入やクレジットカードの利用はできず、賃貸住宅の契約なども困難です。
債務整理の手続きを進めることで、家族や職場の人に支払い遅延がバレてしまう可能性もあります。
ただし、債務整理をしてもしなくても、一括請求に応じなければブラックリスト入りは免れませんし、ブラックリストに載ってしまっても、事故情報は5〜10年で回復します。取り返しがつかなくなる前に債務整理を行い、生活の立て直しに励むことが大切です。
アイフルのおまとめローンで一括請求されるケースとして、住所の変更忘れや他社から追加借り入れしてしまうケースがあります。一括請求された場合は返済に応じるのが基本となってしまうものの、アイフルに電話で相談してみるのは有効な手段です。
以下の記事では、おまとめローンの特徴について解説しています。相談前におまとめローンの仕組みを振り返っておきたい人は、一度チェックしてみてくださいね。
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