外国人がわかりやすい日本語の伝え方とは | 日本語教育 むすびば

外国人がわかりやすい日本語の伝え方とは

コラム

むすびばで日本語教育事業を行なっていて企業から一番多い相談内容は、当然ですが技能実習生が想像よりも日本語を話せなくて困っているというものです。

技能実習生の採用の流れは少し特殊です。面接をして採用を決めてから実習生が日本語を勉強する流れが一般的で、採用段階では日本語力を確認することがほとんどできません。そのため、実習生は日本語を話せないまま日本に来ることもあります。

この記事では、日本語をほとんど話せない技能実習生に対して、どんな話し方をすれば伝わりやすいのかを書いていきます。

仕事現場で日本語が伝わらない理由

仕事現場で指示を出しても全然日本語が通じない理由。それは、来日前に現地で学んだ日本語と実際の仕事現場で使われる日本語が全然違うことにあります。

例えば、仕事現場で実習生に指示する時は「道具をとって」「道具とってきて」「道具とってこい」のような言葉を使うことが多いのではないでしょうか。
しかし、彼ら彼女たちが母国で学ぶ日本語は、「道具をとっていただけませんか」「道具をとってください」といった丁寧形がほとんどです。

このように語尾が異なることで、「とる」という動詞は分かっているにもかかわらず指示をしても伝わらない事態が起こってしまいます

外国人がわかりやすい日本語の話し方

日本人同士で会話する時に使う語彙や言葉遣いだと実習生に伝わらないことが多いですが、日本人が話す時の工夫1つで伝わる場合もあります。

外国人にとってわかりやすい日本語として「やさしい日本語」があります。
「やさしい日本語」とは、普段使われている言葉を外国人にも分かるように配慮した簡単な日本語のことです。


(静岡県庁 やさしい日本語の手引き)

仕事で忙しい中、話し方を変えるのは手間ですがそれだけで外国人の仕事のパフォーマンスがとても変わります。
「やさしい日本語」の中で、仕事現場で日本人が指示する時に使えるいくつかの話し方を紹介していきます。

①一文を短くして、できる限り単語で説明する

例えば、「道具とってきて」「道具とってこい」のような指示が伝わらなくても、「道具 とる お願いします」「道具 2つ とる お願いします」のように単語を区切って指示をすると伝わりやすいです

仕事の予定を説明する時も「明日は9時から現場集合。10分前には来て。遅れるなよ」と伝えるよりも、「明日 朝 9時 仕事です。8時50分 会社に 来ます。遅れる ダメ。」と伝えると実習生が勘違いする可能性が低くなります

②語尾は「〜です/〜ます」で話す

技能実習生など外国人が来日前に現地で勉強する時は、「〜です/〜ます」の丁寧形で覚えてきています。一般的な日本語の教科書は丁寧形で記載されているからです。丁寧形で話せば言葉の意味を理解できますが、活用形が変わってしまうと理解することが難しくなります。

「飲みます」という単語は知っていても「飲む?」や「飲んだ方がいいよ」「飲みな」など語尾が変わってしまうと伝わらない可能性が高くなります。
そのため、日本語が苦手な外国人と話す時は、丁寧形で話すことをお勧めします。

例えば、熱中症対策で水を飲んだ方がいいことを伝える時は、「水飲む?」「水飲みな」「水飲んだ方がいいよ」と伝えるよりも、「今日は暑いです。水 飲みます。」のように丁寧形で区切るとしっかり伝わります。

③簡単な言葉に言い換え

指示が伝わらない時は、使う単語を同じ意味の別の単語に言い換えると伝わることがあります。

例えば「荷物を下ろして」が伝わらなかったとします。
それでも「荷物 下に 置いて」、「それを 下に 置いて」「それ 下にします」のように様々な言い方に変えて話すと外国人が理解できます。

できる限り簡単な言葉に言い換えると、日本語が苦手な外国人にも理解してもらえます。

④漢字を使わない

最後は、話す時ではなく電話でラインやメールでメッセージする時に伝わりやすいコツをお伝えします。

日本語をある程度話せる人でも、漢字は全く読めないことがあります。テキストメッセージを送る時は漢字を極力使わず、ひらがなを使うと伝わりやすくなります。

「明日は9時集合です」と送る時も「あした 9じ かいしゃ しゅうごうです」に変えるだけで理解してもらえることがあります

今回は外国人に分かりやすい伝え方の4つのポイントを書きました。
丁寧形で話したり、単語で区切ったりするのは、忙しい仕事現場では手間で面倒だと思います。

それでも、指示が伝わらず外国人が仕事を間違えてしまい、その対応に追われるのはもっと手間がかかるかもしれません。ぜひ仕事現場での伝え方を工夫して、外国人がミスなく仕事を進められるよう意識していただければと思います。

だんだん日本語に耳が慣れてくると、「やさしい日本語」を使わなくても理解していけるようになりますが、来日したての外国人には特に「やさしい日本語」お勧めします。

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