「正直に言うと、自分にうそをつきたくないんです」と、LEXは6作目のアルバム『Logic 2』についてApple Musicに語る。「マッチョイズムというのか、自分はそういうタイプの人間ではないんじゃないか、自分を強く見せる必要はないんじゃないかって。そう考えるようになってから、曲の内容、曲の雰囲気が変わってきました」。2021年のアルバム『Logic』の続編となる本作は、音楽性の広がりと共に、LEXの人間的な成長や変化がありのままに投影されている。「『Logic』収録の『GOLD』という曲で『欲しいもの全てをゲット』という一節があるんですけど、今回、13曲目の『もうすぐ電車がくる』のリリックは、『全てをゲットしたらしいじゃん/そして大切なハートの全てが壊れたらしいじゃん』という内容的なつながりがあって。『Logic』以降に経験したこと、そこには本当に嫌だったことや今でも忘れられないこともあって。そういったことを赤裸々に僕は歌詞にしたので一番思い出がありますし、恥ずかしい話なんですけど、ずっと泣きながらレコーディングしていました」 トライバルなビートに¥ellow Bucksをフィーチャーしたフロアバンガー「力をくれ」や、2年前にGrace Aimiと沖縄で制作した80'sポップマナーの「I'm Trying To Know」、滞在したロサンゼルスでの出来事に触発されたレイジチューン「今日くらいはいい子でいようよ」。ジャージークラブ「テンションを上げてよ」に、両親の親友たちがやっていたバンドを通じてロックに触れてきた自身のルーツに立ち返ったという「Control」、KM、JP THE WAVYを迎えた「なんでも言っちゃって」の続編にして、破格の説得力が宿る「もう一度キスをして」と、サウンドの多彩さが際立つ全15曲は、喜怒哀楽を意識した感情のフロウが印象的。それは実妹であるLANAとの「明るい部屋」でポジティブに転じて締めくくられる。「終盤の『もうすぐ電車が来る』と続く『カムバック』は悲しみに触れるセクションで、実際に自分もそういうフェーズに入っていたんですけど、それを救ってくれたのが妹のLANA。彼女には教えられることが多いし、いつも助けられていて、LANAがいなかったら僕はたぶんここまで来てない。この作品もLANAに救われて、暗い気持ちのまま終わらずにいられたので、「明るい部屋」で締めようと思いました」。そう語るLEXは、自身の弱さを認める本当の心の強さを身につけ、尽きることのない創造力と共に、音楽家としてのさらなる飛躍の季節を迎える。
ミュージックビデオ
- 2024年
- Only U
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- JP THE WAVY & JIGG