あいみょんの歌は、人間とはなんて愛おしい存在なのだろうと思わせてくれる。前作『瞳へ落ちるよレコード』より約2年ぶり、5作目となる本アルバムは、弱さや不完全さを抱えた人間的な歌が詰まっている。何度も経験してきた恋愛でまた間違えたり、うまくいかないことをごまかそうとしたり、恋人がかわいがる猫にまで嫉妬したり。誰にも覚えのある自分の情けなさが、あいみょんの歌で表現されるとチャーミングに感じられるから不思議だ。サウンドプロデュースには、會田茂一、田中ユウスケ、関口シンゴ、Sundayカミデ、ミツメの川辺素、鈴木 正人ら多くのミュージシャンが参加。人懐こいフォークロックで古き良き喫茶店のムードを醸す「駅前喫茶ポプラ」、駄目だと分かっていながら恋に落ちる心をパンキッシュに表現した「炎曜日」など、人間的な情にあふれた歌を生き生きとした音色で彩っている。あいみょんがDISH//に楽曲提供した「猫」をプロデュースしたトオミヨウが、“猫”つながりで表題曲「猫にジェラシー」を手掛けたところにも注目。