火焔のように燃え上がる灼熱の5月、Evraakが早稲田に見参!暗黒歌姫の呪術が都の西北を焦土のように焼き尽くし、酔ったオッサンから控えめな若者まで、見た者すべてがドロドロに溶けた蝋人形となった…~しながわロックラジオ – むしきば.COM

火焔のように燃え上がる灼熱の5月、Evraakが早稲田に見参!暗黒歌姫の呪術が都の西北を焦土のように焼き尽くし、酔ったオッサンから控えめな若者まで、見た者すべてがドロドロに溶けた蝋人形となった…~しながわロックラジオ

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しながわロックラジオ
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5月なのに夏日の東京、暗黒歌姫の叫びのように地球の狂気を感じる暑さ…

イメージショットです

みなさん、こんばんは。本稿を書いているのは、2024年5月19日の正午過ぎ。先週の「Tokyo Doom Fes Vol.1」に引き続き、前日の18日、いつもお邪魔しているEvraakが、私とはまるで縁のない早稲田という土地でスリーマンのライブに参戦するため会いに行って参りました。そして、今週もその顛末をメモに残しておこうと、煎餅布団に腹ばいになりながらワープロをカタカタ叩いている訳です。先週と違うのはTシャツに短パンという部屋着でしょうか。前日は最高気温28℃と予報では言っており、翌日は梅雨入りしたかのように異様な湿度です。

それにしても、私はいくつになっても学習しないおバカさんでして、この腰痛は自業自得も自業自得。目当てのラーメン屋に寄るため、高田馬場駅を降りて歩き出したところ、人気店はどこも並んでいたり、スープ切れだったりで、結局、ラーメンジプシーとなった結果、何も食わずに早稲田に汗だくで到着。ライブは座って見られたのに、思い切り膝、腰、間接痛にアンメルツヨコヨコなのであります。








Evraakのリズム隊の最新独占インタビュー(?)に成功しました!どうぞ!

さて、当日に話を移しましょう。17時30分くらいに目的地のあたりまで来ますと、人の良さそうなメガネさんとハンサム青年がローソンの前で目印となっている様子が目に飛び込んできました。私は猛烈に視力が悪化しており、よく知り合いに気付かなくて怒られますが、さすがにEvraakの川島さん(Ba)とヨシダタケシさん(Ds)は目立ちます。18時開場だったので、30分ほどお喋りさせていただきました。しかし、すみません。話の中身は「神楽坂からも、新宿からも、高田馬場からも歩ける早稲田は陸の孤島」「今日の暑さは5月とは思えない。暗黒歌姫の叫びくらい、地球に狂気を感じる」といったところでカラッポです。なお、目下のところ最新情報は次の通りです。

Q.タケシさんは33歳という若さじゃん。先週のTokyo Doom Fesみたいな音楽どうでしたか?オジサンたちはあんなオーソドックスなハードロックとかブルーズロックを聴いて育ったので、物凄い響くものがあったんですけど。

タケシ 母の影響でああいうロックを聴いて育ったので、すごく好きです。HARAKIRI ZOMBIEとかいいですよね。ドラムのニッタゾンビさんはRUSHのニール・パートとか、Dream Theaterみたいで凄かったです。

Q.こういう作品(The Handsome Beastsのフルレンス)もあって、雰囲気的にちょっと似た部分があったと思うんですよ。面白いでしょ、見たことあるでしょ?次もTokyo Doom Fesには出てください。

タケシ 何ですかコレ?ジャケットを僕に見せたいだけでしょ。本当にこのバンドがブルーズテイストなんですか?あと、話の脈絡がまるでないです。主催者さんから、呼ばれれば、恐らく出演すると思いますよ。

Q.タケシさんはEvraakの若い女性ファンの人気者というか、お目当てじゃないですか。「ドラムソロの時間をもらえ。少なくともブレイクの時、もっと叩き込む曲があってもいい」とか「曇ヶ原のワンマン、観てどう思った?」などと、いつもオッサンと長々と喋っていて大丈夫ですか?

タケシ 僕は男女問わず年輩の方に好かれて、若い世代にはあまり話しかけられません。いつだったか「あなた、Evraakのドラムの人よねえ。頑張ってね」と70歳くらいお母さんに長々と手を握られたことがあります。ついさっきも、かなり年配の方にライブハウスの場所を尋ねられました。そうです、あの中華屋さんのところにできていた行列です。でも、最近、かなり太ってきたし、どうにかしないとダメだなあ…なんて悩んでいるんです。

これを持っていくとライブやデモの音源をいただける闇組織の会員証

Q.タケシさんはそれだけカッコいいのに肥満オジサンに太ってきたとか言うと、男性ファンを失うと思いますよ。あと、女性ファンの人気を一手に抱えていることはわかっているので、もっと頑張ってください。ところで、Evraakは2NDのリリース前ですし、会員向けUSBの新コンテンツは今回もなしですよね。

川島 すみません。リリースに向けて話が定まってくれば、たくさん出せると思うのですが、今回もということでご了承ください。

Q.ほぼ完成しているであろうニューアルバムは1STのリマスター盤が出たWormhole death japanから出るのですか?あのレーベルの代表の方は元テイチクの有名な方ですよね。いったい(……以下自粛)ところで、曇ヶ原のフジロック出演が決まったようです。

川島 ニューアルバムがどこからリリースされるかなどについては、もう少々お待ちを。曇ヶ原はこの前の単独も素晴らしかったし、素直におめでとうございますと言いたいです。おめでとう!








臨時ニュースです!Tokyo Doom Fesに出没した暗黒歌姫にしきりにお辞儀をし、手を合わせる外国人さんの謎が解けました!

背前逆族さんが主宰するこの日のライブでEvraakは2番手でした。実は私は期待していたことがあったのです。ライブの動機としては不純というか、たいへんふざけたものですが、先週、暗黒歌姫、瀬尾マリナさんのパフォーマンス中、しきりにお辞儀をし、挙げ句の果てに、手を合わせていた外国人の方が再び現れるのではないかと予感していたのです。ライブとはファンのリアクションが面白かったりするので、彼を見たいと思っていたことを否定しません。手を合わせるというのは、古今東西、尊い者への敬意の表れ。果たして彼はまたしても畏怖の念に襲われ、トイレに行くはめになるのか?いずれにせよ、憑りつかれたように見入るほど、熱烈なファンなら、帰国でもしていない限り、今回も来ると半分くらい信じていたのであります。

(※詳しくは下のリンクをご参照ください)

話を引っ張っても仕方ないので、最初に種明かししてしまいますと、入場しましたらそれらしき外国人さんがひとり。そして、オープニングのCall Of Hierophanyで答えは出ました。明らかに彼ですね。前回は私が彼の2人くらい挟んだ左斜め後ろだったのですが、今日は真ん中通路を挟んだちょうどほぼ同じ並びの右側。顔を初めて確認でき、この曲が終わるまでに、そうだと結論付けることができました。

Tokyo Doom Fesでは出番直前の音出しにチラッと聞こえたこの新曲。石川さゆり張りの歌唱、薄暗い昭和歌謡にあったようなスキャットなど、天城越えの歌詞にも通じる情念といいますか、暗黒歌姫の濃い精神性が炸裂です!とにかく、歌が始まった瞬間、昭和という時代を生きた者なら、きっとゾクッときます。また、今川天国さんのSAXとの掛け合いのようなシーンも印象的で、その様子は、鬼才デヴィッド・ジャクソン(EX.VdGG)を従えたゴシック演歌歌手といった趣きで、あまりに存在感が強烈過ぎました。

今回は先週と違ってステージからかなりの至近距離だったため、視力がかなり悪い私でも、瀬尾さんが両手の指をエロティックに絡めたり、腕を掲げたりする一挙手一投足をつぶさに観ることができ、ネイルの色まで確認できたほどです。また、インストパートでは、このように深々と礼をするように下を向く様子までばっちり観ることも可能だったので、私もこういう機会に恵まれたことへ感謝の念を込めて軽く手を合わせておきました。

そしてです。例の外国人さんに目を何度かやりましたら、いちいち瀬尾さんのこういった身振り手振りを真似しているじゃないですか。お辞儀に見えたのは曲に乗って、こっくりこっくり船を漕ぐように首を動かす時。合掌に見えたのは、手振りをなんとなく真似しながら、身体をやや前傾させた時の錯覚だったのでしょう。ただし、暗黒歌姫の妖艶な動作には、西洋文化にはない言葉では説明が難しい呪術的な何かが感じられるのかもしれません。東洋の神秘はザ・グレート・カブキか瀬尾マリナといっても過言ではありません。「郷に入れば郷に従え」的な説得力を外国人に対して持っているように映りました。

この現象はロックの西洋における日本人の歴史と、東洋人が西洋文化をどう捉えてきたかを考えればわかりやすいと思います。ドイツのCANが、瀬尾さんが敬愛するダモ鈴木さんの醸す未知なる部分とぶっ壊れた印象が面白そうだからという理由だけで、ヴォーカリストに迎えたような感覚に近いと想像します。そして、逆説的に言えば、日本人が初期Black Sabathの黒魔術的な演出にシアトリカルな面白さ以上の怖さを感じるのと同じことであるとも考えます。要するに異文化に触れるというのは、こういうことなのではないでしょうか。そして、この日もそれくらいインパクトがあった訳です。








ハードロッキンな側面を強める進化の過程にあって、銀の旋律でEvraakⅠにあった叙情性を担保する現在のバンドの影の支配者!その名も鍵盤のミキティ!

ちなみに、ヘヴィメタルの爆音相手に横綱相撲だった前回とは違い、この日は暗黒歌姫にも甘さがあってグッとくる場面が多かったように思います。Asylum PeaceとSaethiの落差などを持ち出すまでもなく、セットリスト全体にもフックが感じられ、緩急があるという意味で、Fushigi Rock Festivalから格段に進化を遂げていることを感じ取れました。実際、現在のEvraakは川島さんのベースがバキバキに唸るし、タケシさんのオカズやアドリブの数が詰まった尺の中にも増え、グンと迫力と面白みを増しており、タイトでハードロッキンな側面を強めている印象を強く受けます。しかし、だからこそ、光る叙情性を感じる人は多いのではないでしょうか。

その立役者はもちろん、ミキティこと、長谷川さんの銀の旋律!シアター・ミュージックにも携わってきたという才媛は、ステージを色彩豊かに彩るということへ常に目を配っていることに気付かされます。実際、個人的にはエレピのしらべがどれだけ印象に残るかで、その日のステージが好みであるか、度合いを測っていることに気付かされました。ニューアルバムは甘さが1STに比べて少し控えめになると想像していますが、それでも甘美な叙情性を期待してしまうのは、ミキティの魔法のようなアクセントがあるからだと思っています。

また、ドゥームフェスの時のように、瀬尾さんは野郎が相手の対バンとなると、ある程度、あのカルトムービー的なイメージを前面に出して戦わざるを得ない。こうなった場合、もともとバンドが持っていたCureやInto The New Worldのようなイメージが失われることがある。しかし、そういったエレメントをファンの耳に常に意識させつつ、新しいステージへバンドが向かわせている立役者なのだと確信しました。この日はインパクトではナンバーワンのファタモルガーナをあっさり削って、Sacrificeをじっくり魅せる感じ。ここの余韻が妙に強く残ったことは決して贔屓目ではないように思います。








私は2017年まではロックを聴くこととは距離があって何も知りません。最近、実際にお話させていただく機会があるかたも多いので、改めて自己紹介させてください

ところで、最近、割と読んでくださる方が多く、実際にお会いしてお喋りさせてもらう機会があります。申し訳ないなあと思うこともあるので、改めて自己紹介しておきますね。私は2017年までロックとは距離があって、基本的に何もわからないんですよ。何度も書いていることなので、もしよろしかったらリンクの日記を読んでください。あるバンドをきっかけにロックに戻ってきて、それをきっかけにライブを観に行く習慣がついただけです。また、1980年代~1990年代末頃までに伊藤政則氏という音楽評論家にロックを教えてもらったクチなので、基本的にその範疇のバンド以外はほぼ門外漢です。よってレッチリなどは1曲も知らず、邦ロックはアニメタル以外、ほとんど聴いたことがないというのが包み隠さぬ事実です。

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でも、こんな感じだから、気付くことがいくつかあるんですよね。私がロックを聴いていた時代はラジオにFAXで投稿するような時代でした。言葉にするのにもひと苦労あった訳です。ところが戻ってきた時はSNS全盛、ラジオはメールで投稿というギャップです。これは自戒の念を込めて記しますが、自己顕示欲や見返りがほしいという欲が混ざっているTwitterの言葉などはちょっと疲れてしまうのです。このような感じですので、背前逆族さんとGREEN MILK PLANET ORANGEさんについて、今の私には、文章にするだけの語彙も知識も足りないし、下手に感想を書くということは、嘘になってしまうかもしれない。なので、気持ちを上手に綴れないことを、たいへん申し訳なく思います。ですので、今回は「楽しかった」「熱量に圧倒された」のみに留めさせてください。でも、これは偽りのない事実です。

Evraakに話を戻しますと、このバンドはロックの浦島太郎にとって、浮島のような存在で、王道のヘヴィメタルや有名な泣きのプログレを聴き始めた高校時代や、それよりもっと前から親しんできた音楽に触れている時のように安らげるのです。これは本当に好きなバンドのライブにしか行かない私が言うのだから間違いない。実際、ほかよりも優先させ、2度続けて観に来る人が圧倒的に多い事実からも、当たっているのではないでしょうか。そして、私にとって、こう思える理由は取り替えの利かない瀬尾さんの歌にあるのだと思っています。

確かにEvraakの音楽を形容する時、クリムゾン系、マグマ系などといった表現も当たっているのでしょうが、五十代半ばの鼻たれがロックを覚えた80年代から90年代、そういうプログレの大御所バンド自身、そう呼ばれる「系」の音楽をやっていなかったように思います。だから、私がその手の言葉を用いると薄っぺらくなります。で、結局、何を言いたいのかといいますと、ひとつもカッコをつけない人間の好きである根拠はやはり瀬尾さんの歌。それありきで、歌を盛り立てるバックの確かな演奏力と、メタルサイドにも響く歌モノとしての楽曲の良さです。そして、1月の小岩が喉の不調があって期するところがあったのでしょうが、5月の暗黒歌姫の気合と圧は凄かった。これが長々と書いてきて言いたいことの肝というか、要点です。








次回のEvraakは8月にハードロックバンドと対バンなのだとか。なお、ハヤヲさん(G)はフジロックは再来年に出たいと言ってました笑

さて、次は8月でしたか。すみません、Twitterをまるで見ていなくて、9月のFushigi Rock Festivalだと完全に勘違いしていました。かなり健康に自信がないというのはありますが、とりあえず頑張って、最低でも現状維持の体調で会いに伺えるよう頑張ります。

蛇足ながらセーソク氏が「演る側も観る側もロックの終活」などと言っているのは知っています。ただ、これは相当前からのことでビジネス臭がプンプンして苦手な言葉です。そもそも、個人個人の財布事情への配慮が欠けており、誰でも自由に観に行けるお金を持っている前提で話すのはおかしいと感じるからです。ここに氏のかつてとの大きな矛盾があり、ロックは金持ちだけの音楽ではあってはいけないと強く反抗しておきます。

でも、Evraakについてはご安心を。私は観に行く音楽を選ばなくてはならない立場ですが、これからも優先すべき選択肢に確実に入っています。ニューアルバムのリリース情報などについては、随時お待ち申し上げております。では、今回はこんな感じです。次回まで、ごきげんよう、ばいちゃです。

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