アクティブ・レンジャーだからできることを探して~支笏洞爺国立公園を守る人
アクティブ・レンジャーという職業 皆さんご存知でしょうか? どんなことをする人なのか イメージできますでしょうか? では「国立公園」はどうでしょう? 「洞爺湖」や「有珠山」が 近くにあるのは知っていても ここが「支笏洞爺国立公園だ」と 意識されている方は どれくらいらっしゃるのでしょうか? そんなの皆知ってるでしょ!と 思われる方も多いかもしれませんが・・・・ 反面 「知っているけどだから何?」 そんな方も多いのでは・・・と 思うのは私だけでしょうか??? 今回は「支笏洞爺国立公園」を フィールドに お仕事をされている 環境省のアクティブ・レンジャー(管理官補佐) 小松瑠菜(こまつるな)さんに お話を伺いました。 そもそも国立公園とは 次世代も私達と同じ感動を味わい、 楽しむことができるよう、 優れた自然を守り、 後世に伝えていく場所。 国が指定して、 保護・管理をする役割を担っています。 支笏洞爺国立公園ってどんな所? 西胆振に住んでいる私達には 身近な国立公園です。 お馴染みの洞爺湖と支笏湖の 二大カルデラ湖。 (カルデラ湖:火山の噴火でできた凹みに 長時間かけて水が溜まった湖) 洞爺湖エリアは周囲約40kmの ほぼ円形のカルデラ湖。 洞爺湖を1周する 洞爺湖マラソンや 洞爺湖2DAYマーチが コロナ前には 毎年開催されていましたよね(^▽^) 他にも、身近な有珠山や羊蹄山は勿論のこと樽前山など 様々な火山地形を楽しむことができます。 洞爺湖の中央には火山活動で誕生した 洞爺湖中島もあります。 また約2万年前に 火山活動が始まった有珠山があり、 有珠山の周りには多数の側火山 (大きな火山体の斜面や裾野にある小火山) があります。 支笏洞爺国立公園には 「支笏湖エリア」「定山渓エリア」 「洞爺湖エリア」「羊蹄山エリア」「登別エリア」があります。 瑠菜さんが所属する 洞爺湖管理官事務所では 「洞爺湖エリア」「羊蹄山エリア」「登別エリア」が 管轄になっているそうです。 事務所は洞爺湖温泉街にあるのですが、 管轄範囲、広いですよね~! アクティブ・レンジャーって何をしている人? 洞爺湖管理官事務所には 瑠菜さんの他に レンジャー(国立公園管理官)がいます。 レンジャーは会議や許認可指導など 室内業務が多くあります。 アクティブレンジャーはレンジャーの補佐役として 国立公園のパトロールや調査、 自然観察、利用者への指導など 主に野外の現場業務をされています。 洞爺湖地域での活動 ・国立公園の普及啓発活動 新聞社の取材依頼や SNS(Facebook、Instagram)運営、 パンフレットの配布などを通じて、 支笏洞爺国立公園の情報を 発信されています。 ・環境教育活動 どんなお話をされているのか 大人も聴きたくなりますね! 洞爺湖町虻田小学校では 毎年、環境省による 環境教育の授業があるそうです。 洞爺湖町だけではなく この支笏洞爺国立公園に隣接している 市町村、全ての学校で こういった授業があるといいのにな・・・ と思います。 (この記事を読まれた各教育委員会の方々! 是非ご検討を!) ・国立公園内のパトロール ・パークボランティア活動の運営業務 (パークボランティア:環境省が募集しパークボランティア養成研修を経て無償で国立公園をより良くするために活動する人のこと) ・登山道の整備 ・外来種防除 ♦ウチダザリガニの防除の様子 ♦アメリカオニアザミ防除活動の様子 ・国立公園利用者へのマナー指導 ・堅果類(ドングリなど)の結実状況調査 (どんぐり等が豊作か不作かなどニュースで聞くことありますよね?それに使われる調査だそうです) ・直轄施設の整備 ♦洞爺財田自然体験ハウス ビオトープ整備の様子 ・清掃活動 ♦環境省標識看板の清掃 ♦洞爺湖畔のゴミ拾い などなど・・・ 国立公園を守り、管理するために 様々な活動をされていらっしゃいます。 山登りや 散策を楽しんだり。 アウトドアを されていなくても、 この地域にお住まいの方は 通勤途中やドライブなどで 支笏洞爺国立公園内を通りがかる方も 多くいらっしゃると思います。 私達がなにげなく見ている 美しい景色も レンジャーやアクティブ・レンジャー、 パークボランティアの方々などが 守ってくれているのです。 なにげなく見ている景色が 国立公園である という事は とっても贅沢なことだと私は思います。 他の地域にお住まいの方は わざわざこの景色を見にやってくるのに。 地元の人々の中には 国立公園の価値に 気付いていない人々が多い気がしてやみません。 どうしてアクティブ・レンジャーに? 幼い頃から自然や動物が好き! 動植物に携わるお仕事に就きたい! と思っていた瑠菜さん。 中学3年生の時に読んだ 高槻 成紀さん著の本との出会い。 『野生動物と共存できるかー保全生態学入門ー』 この本を読んで、 「私たち人間には、 破壊してしまった野生動植物の 生息環境を整える 責任や義務がある。」 と考えるようになったそう! 人間が産業の発展・利便性を優先させ 壊していった自然環境。 動植物に影響があるということは 私達人間、 そして地球全体の問題となっています。 中学生で 「生息環境を整える責任や義務がある。」 と考えていらっしゃるなんて!!! 自然が好きな 瑠菜さんだからこそですよね♥(*'▽') この想いから 中学校の卒業論文のテーマにもされたそうです! 大学では主に 生態学や 野生動物と人間との軋轢を 中心とする環境問題について 学ばれたそうです。 環境教育サークルの活動の一環で 動物園で子ども達への環境教育活動を行ったり、 獣害対策を行う企業のインターンシップに参加したりし、 異なった立場から どのように環境問題に アプローチすることができるかを考え、 まずは現場での仕事の経験を積みたい! とアクティブ・レンジャーになったそうです。 アクティブレンジャーの活動での困りごと 高い志を持って、 アクティブ・レンジャーとなった瑠菜さん。 活動する上での困りごとがあるそう。 1.「国立公園」の認知度が低いこと! 洞爺湖綺麗! 有珠山登るの楽しいな♪ 楽しむ目的で このエリアを訪れる人も多いでしょう。 地元の人々にとっては 「いつもの景色」でもあります。 ここで「国立公園だ」と 知っているかどうか。 「国立公園である」ということは 私達は、このエリアを利用する際に 気を付けなければならないことがある・・・ これを知っているかどうか・・・ これが次の問題に繋がっていきます。 2.ルールがあることを知らない! 「国立公園」としての価値を保護するため、 管理するためのルール(自然公園法など)があるのです。 それを知っている人が少ない! その必要性を 理解している人が少ない!のです。 2021年夏には 以前から問題になっていた 洞爺湖中島に勝手に設置されていた 桟橋の撤去のニュースについては 記憶に残っている方も多いと思います。 ここでの言い分は 「桟橋を設置してはいけないことを知らなかった」 というものです・・・ 国立公園内では 自然公園法に基づいて 許可や届出が必要なものがあります。 ★(第1~第3種)特別地域、普通地域 ・工作物(柱があって、屋根があるもの=テントを含む)の新築、改築、増築 ・屋根、壁面等の色彩変更・広告物(看板、のぼり等を含む)の設置 ・木竹の伐採 ・鉱物や土石の採取 ・土地の形状変更 ・河川、湖沼の水位水量の増減 ・水面の埋め立て ・汚水の排出 ●特別保護地区 ・(第1~3種)特別地域、普通地域の規制 + ・植物の採取、損傷、植栽 ・家畜の放牧 ・火入れ ・焚火 ・車馬(スノーモービルを含む)の乗り入れ 知らずにやってしまいそうな事柄としましては・・・ ・野営場指定地以外での野営(テント設営) ・民間事業者の看板、のぼり の設置 ・特別保護地区での山菜の採取 などがあるそうです。 知らなかった!Σ( ̄□ ̄|||) という内容もあると思います。 でも、国立公園を利用しよう♪と思うならば これらの事をする時には 許可や届出が必要! と頭の片隅に入れておきましょう。 「これはどうなのかな?」と迷ったら 瑠菜さんが勤務する 洞爺湖管理官事務所に お問合せや 訪れて尋ねてみましょう(^▽^) (洞爺湖管理官事務所は洞爺湖ビジターセンター2階です) お散歩や登山、湖で遊ぶ時などの マナーとルールはこちら↓ ・ゴミは持ち帰ろう ・野生動物に餌をあげない ・木道や歩道からはずれずに歩こう ・花や植物を採ってはいけない 国立公園を利用するルールとマナー、 皆さんは 皆さんはどれだけ 知っていたでしょうか? 地域住民への感謝とメッセージ 困りごとがある中でも パークボランティアをはじめ、 地域の人々の協力に 感謝の気持ちも持たれているそう。 国立公園を守り、 管理していくことは 環境省職員だけでは 不可能に近い。 地域の皆さんの知恵や協力なしには 活動していくことは難しい。 この場で協力してくださる皆さんには 感謝の気持ちも伝えたい! そんな想いも 伝えてくださいました。 環境省職員の活動だけでは 限界がある! なので多くの地域の人々に 私達の身近に 国立公園があるんだ! ということをまず認識して欲しい。 国立公園を守るためには 管理するルールがある! それを知って理解していただきたい! 唯一無二のこの魅力的な洞爺湖地域。 持続可能なスタイルで 利用していくためには どうすべきなのか? 地域の皆さんと 模索していきたい。 熱い想いを語ってくださいました。 知っているかどうかで 私達の行動は変わり、 国立公園を守ることに 繋がっていくんでしょうね・・・ 今後の活動 『環境省』と聞くと お堅いイメージに思われがちな 瑠菜さんの職業。 嫌われ役になることも多いそう。 でも この国立公園を守り、管理するためには 瑠菜さん自身が 地域住民の身近な存在になることが 必要だと感じるそうです。 「アクティブ・レンジャー だからこそできること。」 「瑠菜さんにしかできない方法」 これから模索して 色々なことにチャレンジしていきたいそうです。 今でも学生時代に学ばれた 人間と野生動物との軋轢にも 関心があるそう。 狩猟の免許をお持ちの瑠菜さん。 これからもご活躍の幅が広がりそうで 楽しみですね♬ 瑠菜さんを見つけたら 「環境問題」 「自然保護」など 難しいことは考えずに、 まずは 気軽に声をかけてみてください♪ 洞爺湖エリアの美しさを お話するのもいいかもしれません~☆ イベント情報 冬休み期間中 環境省関連のイベントもありますよ♪ ご家族とでも ひとりでも 参加されてみてください♪ ♦洞爺湖ビジターセンター♦ 企画その1 エコバック作り 期間:12月24日~1月14日 (12/29~1/5、1/12はお休み) 受付時間:①9:00~11:00 ②14:00~16:00 定員:3組まで 対象:小学生以上 (未就学児は保護者同伴) 参加費:500円 所要時間:40分程度(最大60分まで) 企画その2 ワークシート 展示を見てクイズに答えよう♪ 受付時間:①9:00~11:00 ②14:00~16:00 ※時間内随時受付 対象:小学生以上 (未就学児は保護者同伴) 参加費:100円 所要時間:30~60分程 ♦火山科学館♦ 1月4日・5日 10:00~15:00に入館すると クラフトグッズのプレゼントがあるそうです♪ ♦洞爺財田自然体験ハウス♦ アロマワックスバーづくり 期間:12月24日~1月14日 (12/27.30.31 1/1~5 1/11はお休み) 受付時間:①9:00~11:00 ②13:30~15:30 対象:小学生以上 (未就学児は保護者同伴) 参加費:おひとつ800円 官×民コラボ企画! 琉球國祭り太鼓×支笏洞爺国立公園 瑠菜さんと同じ洞爺湖管理官事務所の レンジャーが 環境省のお仕事や 支笏洞爺国立公園 そして沖縄の音楽について 語りと太鼓を叩いてくださるそうです♪ 今までにないイベントですよね! 面白そ~!(*^▽^*) 私達の身近な 支笏洞爺国立公園。 みんなで楽しみ 守っていきたいですね。 環境省_支笏洞爺国立公園 (env.go.jp) 支笏洞爺国立公園 Shikotsu-Toya National Park | Facebook Shikotsu-Toya NP, Japan(@shikotsutoya_nationalpark) • Instagram写真と動画 洞爺湖ビジターセンター・火山科学館 | Facebook 洞爺財田自然体験ハウス - 検索結果 | Facebook