冬のカフェ訪問。「有珠cafe ハルミンタラ」NEW OPEN!! | 特集記事 | むしゃなび編集部 | 北海道洞爺湖周辺の情報共有サイト「むしゃなび」

むしゃなび編集部

冬のカフェ訪問。「有珠cafe ハルミンタラ」NEW OPEN!!

伊達市有珠に昨年11月末、小さなカフェがオープンしました。


有珠といえば、有珠善光寺やバチラー記念堂、アルトリ岬など、文化や自然をじっくり味わう名所の多いエリア。真冬のある日、積もったばかりのふわっふわな雪を踏みしめてカフェにやってきました。いろんな色の木を組み合わせたナチュラルでカラフルな玄関のドアに、クジラのかたちのドアノブ・・・わ、かわいい!


ワクワクしながら中に入ると、木のぬくもり漂う、レトロであたたかいカフェ空間が広がっていました。


ハ ル ミ ン タ ラ


という名前から推測するに

「ハルさんですか?」と尋ねたら

「いえいえ、ハルって、犬の名前なんです(笑)」



と、笑顔で迎えてくれたのは、店主の津田光子さんでした。愛犬のハルちゃんと毎日、山を散歩するほどの有珠山好きな津田さんは、一昨年2017年に札幌から移住し、長いあいだ空き家となっていたこの家を改装して、カフェを始めたそうです。驚いたのは、リフォームに使った資材のほとんどが、廃材だというのです。


津田さん:家やお店を解体すると、建築材などのゴミがたくさん出るのですが、そういうところから、まだ使える資材や家具をもらってきて「活かす・生かす」ことの出来る大工さんがリフォームしてくれました。

「物」も「食材」も「人」と同じで、まだ使える・食べられる・生きられることが出来るのに、活かされないのはほんとうに悲しいことです。

本来なら捨てられていたはずの「物」たちが生かされる空間で「毎日食べても美味しいと思えること」を大切に、手元にある食材を無駄なく生かしていくのを考えるのがとても楽しいです。

おしゃれなキッチンのドアも廃材の再利用。中央のガラスが割れてしまった部分に、別の古いガラスを組み合わせ、きれいなブルーに塗り替えて出来上がりました。お花型の窓は、なななんと、拾ってきたお皿なのだとか!もはやドアという「作品」。


さて、いきなり超前のめりでお話を伺ってしまいましたが、まずはランチをいただきましょう!


  酵素玄米のタコライス 650円


  酵素玄米とジャガイモのポタージュセット 550円

※値段は変更になることがあります


からだにしみわたる〜、おいしいメニューの数々。 ハルミンタラでは、玄米と小豆を圧力釜で炊いて、3日熟成させた「酵素玄米」を中心に、季節の野菜や、からだにやさしい食材を使ったメニューを提供しています。基本的にお肉や乳製品は不使用。アレルギーに配慮して米粉のスイーツもあります。


  アナログなおもちゃがいっぱい! お子さん連れでものんびり楽しめます


津田さんが「食」を大切にするようになったのは、3人のお子さんの子育てがきっかけでした。3人とも自然出産をしたそうですが、自然なお産をするためには、自己管理が欠かせないのだとか。お子さんがアレルギーだったこともあって、酵素玄米中心の食事をするようになったそうです。


さらに食だけでなく、札幌時代には、森の幼稚園や子育て支援に携わり、環境問題や社会問題について熱心に勉強したそうです。そんな中、東日本大震災による原発事故で被災した親子の、北海道への一時避難や保養等の働きにも関わるようになりました。


津田さん:この活動を通じて、被災地から避難してきたお母さんたちに、たくさん、たくさん出会いました。すべて捨てて、旦那さんも置いて、ただ子どもを守るために、逃げてきた、というお母さんたち・・・。

地元では避難するというと、「大げさだ」と批判されたり、「故郷を捨てるのか」と白い目でみられることもあったそうです。

それぞれに孤独、不安を抱えながらも、たくましく生きている・・・そんなお母さんたちを見ていて、私も「もっと本気で生きなきゃ」と思ったんですよね。それで、今までやってきた子育て支援や、食などじぶんの中に貯まっている経験を総動員して、いっちょ挑戦するかと思ったわけです。



様々な学びや出会いを通して「生きること」を真剣に問い続けてきた津田さん。数年前には最近話題の「ファシリテーション(※)」(会議やプロジェクト等で話し合いを円滑に進める技法)と出会い、現在はカフェを営む傍ら、「市民ファシリテーションステラ」(伊達市の市民サークル)を通じて講座を開催したり講師としての活動も行なっています。


※ファシリテーションについて興味のある方は、津田さんの所属団体「NPOファシリテーションきたのわ」のHPをご覧ください。


そんな津田さんがハルミンタラでつくろうとしているのは、食を大切にしながらも、いわゆる「カフェ」よりももっと多様な「集いの場」、コミュニティ的空間のようです。



津田さん:例えば、体は不自由だけど絵本を読むことは好きな人が、小さな子に読んであげている。


いつもは宿題のわからない所をお母さんに怒られながらやっている子が子ども同士わからないところを教え合っている。


おすそわけで戴いたたくさんの野菜を使って、こども食堂が開かれている。


音楽をやりたい人が集まって即興ライブが始まった、などなど。


いろんな世代の人が、所属や肩書や役割を気にすることなく、自分としていられる場。それぞれの持ち味が生かされる場にしていきたいですね。



  愛犬・ハルちゃんとの散歩。


津田さんの思いと、美味しい食事と、もの言わぬ「モノ」たちの「大事にしてくれてありがとう」という思い・・・


心も体もほっこりとあたためられた真冬のカフェ訪問でした。みなさんも遊びに行かれてみては!




有珠山カフェ ハルミンタラ


北海道伊達市有珠町216-1

OPEN   水〜土  11:00〜16:00

メニューや最新情報はFacebookページをご覧ください!





記事の内容は取材時の情報に基づいています。

(取材 2019年)

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