心の伊達市民 第一号
ロサンゼルスに住む親戚から、思い掛けない「ブログネタ」を提供された。
それは「水道橋の由来」で、見知らぬ人の「東京都水道歴史館の訪問記」をメールで知らせて来た。そんな施設があるのを初めて知ったが、「知らせて来たからには、行かねばならぬ」と思った。
そして天気の良い日を狙って、文京区本郷二丁目の歴史館に行ってみた。
そこは大江戸線に乗って、本郷三丁目で降りて、数分の場所だった。
入口でイヤフォン・ガイド(無料)を借りた。
展示物には番号があるので、そこへ行ったら首から下げた装置の番号を押す。
するとその展示物の説明が始まる。
これは大変に良い。老眼の高齢者が展示物の小さな字を読まなくて済むからだ。
昔の水道管は金属ではなく、木製だったようだ。
これでは痛みも早いし、水漏れも多かっただろうと思う。
昔の庶民の生活の模型があった。長屋のような一角に、井戸がある。
そこに女性が木桶を持って、水を汲みに来ている。
もう1人の女性が、井戸から水を汲んでいる。
近くには小さな神社が置かれ、井戸を守っている。
以前は見掛けたが、「立小便禁止」の場所に鳥居の印があったが、それはこれから来ているのかもしれないと思った。
面白いものがあった。それは「馬水槽」という名の装置で、昔の東京には色々な場所に設置されていたようだ。それは『赤花崗岩で造られた水槽で、前面の上部が馬用、下部が犬猫用の水飲み場、その裏面が人間の水飲み場になっている』
『今では世界でも数少なく貴重な史跡として、新宿区指定文化財に選ばれている』そうだ。ここは文京区なので、新宿区にもあると知り、後日、見に行くことにした。
歴史館は3階建てで1階と2階がメインで、3階は資料の図書館である。
壁に貼られた資料は、私にはあまり面白くない。
やはり現物を見るのが楽しい。
水道管も本管は大きい。家庭に入る頃になると、かなり小さくなっている。
最近のシールド工法の巨大なパイプも展示してあるが、私は現役時代に現場で見たことがあるので、あまり興味が無い。
神田上水掛樋(石樋)に興味があり、模型が置いてあった。
説明によると『家康が入城した時期の江戸は、海辺の湿地帯でした。このような土地では井戸を掘っても塩が混じった水しか出ず、生活用水に適しません。江戸にとって、生活用水を確保することが急務でした。神田上水はこうした背景から開設されました』とあった
東京都水道歴史館を見終ってから、館内にも資料で出ていた「神田上水掛樋記念碑」を見に行くことにした。ここから歩いて、約10分の距離であった。
神田川に沿った外堀通りを御茶の水駅から水道橋駅寄りに歩くと、その一角に目立たないが記念碑があった。
「樋」とは管のことで、「掛樋」は上空を渡すための管である。「水道橋」の地名の由来は、この「掛樋」である「水道用の橋」から来ていると知った。
(おまけの話)
馬水槽をネットで調べていたら、新宿駅東口に本物が設置されていると知った。
資料によると『東京の水道の育ての親である中島鋭司博士が、明治34年に欧米諸国を視察した際、ロンドン市飲水泉及牛馬給水層協会から東京市に寄贈された』
『明治39年に東京市役所前に設置され、大正初期までは荷馬車をひいた馬がこれを利用する光景が見られた。大正7年に麹町の東京市水道局守護門前に移され、関東大震災の被害を受けてからも各地を転々とし、昭和39年に現在地に設置』とあった。
新宿まで来て思い出した。
以前に「玉川上水を歩く」という仲間との企画で、新宿御苑の横を歩いた。
そこは僅かな水が流れている。そこは「玉川上水」を見ながら歩ける遊歩道になっている。現在は玉川上水の本流は久我山の先からトンネルに入り、高井戸辺りで神田川に合流している。
新宿には江戸時代から明治時代にわたって玉川上水が流れていたので、その歴史を残すために、わざわざ分流して小川を作ったようだ。
小川伝いに進み新宿御苑の「大木戸門」で、小川は地下に入ってしまう。
大木戸門の右手にあるビルには「東京都水道局」があった。
以前に友人達と歩いた時は、ここを見学した帰りに東京都の水道水のペットボトルを記念にもらった覚えがある。それを思い出して、ビルの中に入った。
ところが既に「東京都水道局」は移転していて、現在は新宿営業所になっていた。
そこで分かったことは、『12月1日は「東京水道の日」で、1898年12月1日に淀橋浄水場より、神田・日本橋地区に給水を開始した日』を記念して定められた。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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