心の伊達市民 第一号
今年は近場だけだが、東京の色々なところに桜を見に行った。
気温が急に上昇し、その後に雨が降り、例年より桜の咲いている期間が短かった。
よく言われるように、「パッと咲き、パッと散った」今年の桜であったように感じている。そこで今回は「勝どき」~「銀座」~「数寄屋橋」までの桜を探す散歩に出た話である。
今回はなるべく表通りを避けて、桜のありそうな裏通りを行くことにした。
なぜなら表通りでは、ほとんど桜の木を見たことが無いからだ。
先ずは勝どき駅の少し先の「月島川」に架かる「月島橋」へ行った。
ここは屋形船の係留地でもあり、両側に見事な桜があるからだ。
月島川の桜を見た後に勝鬨橋を渡り、少し寄り道をして「はとば公園」に行ってみた。
ここには狭い広場の真ん中に丸い大きな鏡状の球面体があり、それを囲むように桜が咲いている。近くのサラリーマン達が、ここで昼休みを取っていた。
球体も私が最初に見た頃からはだいぶ古くなり、鏡面ではなくなってしまった。
でもボンヤリと球体の鏡に、満開の桜が映っていた。
また表通りの「晴海通り」に出る。少し進むと信号があり、左折すると「波除神社」がある。その道路の向かい側から大きな築地場外市場が始まり、交差点まで続く。
桜は晴海通りに面した場所に1本だけある。そこは新しく建設された「築地魚河岸」という名の建物で、飲食店と鮮魚の小売りが行なわれている。そこに目印のごとく、立派な桜が咲いている。
「築地魚河岸」の前で晴海通りを渡り、また裏通りを行く。
2つ目の道路を左折して少し銀座方面に進むと、築地川銀座公園がある。
ここは公園の下を首都高速道路が走っていて、公園の名前は「銀座」だが、住所は「中央区築地1-13-20」である。この辺りになると築地なのだが、商売によっては「銀座」を名乗っている。
魚介類に関係あるような店は、「築地を打ち出した方が有利」と考える店は「築地」を名乗っている。まあ地方都市へ行っても「XX銀座」と名乗っているところもあるから、まあ大目にみよう。
更に進むが、桜が見当たらない。昭和通りを越えて、銀座1丁目の「桜通り」に行ってみる。銀座通りと桜通りの交差点に交番がある。そこに見事な枝垂れ桜が咲いていた。
「桜通り」は名前の通りに桜の木が街路樹になっているが、ほとんどが八重桜でソメイヨシノは少ししかない。
外堀通りで左折して、数寄屋橋に向かう。
数寄屋橋交差点角の交番横の桜が見事なのだが、満開になるのが他より遅い。
向かい側の「数寄屋橋公園」で、岡本太郎作の「若い時計台」をバックに桜の花の写真を撮って、今回の私の徘徊は終った。
銀座はコンクリートばかり」と思われている。確かにそうであるが、桜も少しはあった。今回は「勝どき」から「数寄屋橋」まで、桜を探して徘徊した記録である。
銀座通りが銀座の全てではない。昭和通りを越して、歌舞伎座のある場所も地名では「銀座」である。
歌舞伎座の住所は「中央区銀座4-12-15」である。なんと三越と同じ4丁目なのである。でも銀座通りには「桜」は無かった。桜は巨木になるし、花が散ると地面が汚くなるし、虫も付くし、銀座には向かない木なのかもしれない。
(おまけの話)
家から銀座まで歩いて行くと、勝鬨橋を渡ってすぐに築地市場がある。
2017年頃の話だが、築地市場の老朽化の為に新たに豊洲市場を作ってそちらに移転するということになった時に、色々な問題が持ち上がった。
その中の1つに、「築地場外市場が寂れてしまう」という問題があった。
その時に小池都知事の説明では『東京都といたしましては、築地ブランドを維持・活用・発展させるということで、新しい戦略を展開すべきだと考えております』
『その上で透明性の高い制度の運用・改善が必要だと考えております。これらをベースにいたしまして。基本的な方針でございますけれども、「築地は守る」そして「豊洲を活かす」ことを、基本方針の1とさせていただきます。「築地のあとは築地」ということも、言えるかと思います』と言っていた。
これは築地場内市場の跡地利用の話である。
場内市場が無くなってしまった後のことを心配していたのは、場外市場の業者であった。
ところが皮肉なものである。場外市場が無くなっても、場外市場は寂れるどころか大繁盛である。国内外からの観光客が押し寄せて市場の役割は減ったが、飲食店が新しく入居して観光名所になったのである。小さな卸業者は店を閉め、貸店舗にしている。
そこに入居したのが「立ち食い店」である。
私はここへ越してきた12年前は観光客はあまり見掛けなかったが、今では外国人観光客だらけである。小池都知事の言った意味とは違うが、「築地の後は築地」になったのである。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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