町中華  | 暮らし | 心の伊達市民 第一号 | 北海道洞爺湖周辺の情報共有サイト「むしゃなび」

心の伊達市民 第一号

町中華 


テレビ番組で「町中華」を紹介していた。
町中華というのは正式な中華料理店ではなく、町中にある「ラーメン」、「餃子」、「野菜炒め」などを出す庶民的な店のことである。「町中華」には懐かしい思い出がある。中学生の頃に国立駅前に「丸信」という町中華があった。
そこにはクラブ活動の後に腹が空き、よく通ったものである。


町中華「生駒軒」(月島)



その店には長野県から集団就職で来ていた若い男女の店員がいた。
私は卒業してしまったのでなん年後かはハッキリしないが、南武線の「谷保駅」近くに独立して店を出したのを知った。
私は既に結婚していたので、女房を連れてその店に行った。

するとあの時の若い男女は結婚していて、2人で貸店舗で町中華の店「丸信」をやっていたのである。その店のオヤジに『探して訪ねて来た』と言ったら、『あの時の中学生ね』と覚えていてくれた。


調理場で中華鍋を振る男



その後、商売は繁盛して近くに自社ビルを建てて、彼らの子供も店を手伝うようになった。私達はその頑張りを見て来たので、その後も通い続けた。
そしてなるべく多くの料理を注文したのであるが、年齢が上がるに連れて段々と量が食べられなくなった。

その後、私達は今のマンションに引っ越してしまったので、いまはどうなったか分からない。でも「町中華」の言葉を聞くと、あの2人を思い出すのである。


 「餃子」(600円)



女房が言った。『久し振りに町中華を食べたいわね。どこか近くにないの?』
私 『月島には何軒かあるよ』
女房『じゃあ、今夜でも行きましょう。どんな感じの店?』
私 『よくある適度に汚い店だ。町中華は中華料理店じゃないから、みんなそんな店だ』

・・・・ということになり、月島の町中華に行ったのである。
どの店がいいかは分からないので、ネットで調べて家族3人で適当な店に入った。


 「炒飯」(750円)



月島は「もんじゃ」で有名で、「もんじゃ店」が連なる「もんじゃ通り」がある。
その裏通りにに町中華はあった。
我々が店のドアを開けると、客席でテレビを見ていた3人が慌てて立ち上がった。

店は間口一間ほどの小さな店で、カウンターだけ10席まで無い店だった。
立ち上がった3人は店の者で、老夫婦と息子のようだった。お客は誰もいない。


 「酢豚」(850円)



壁に貼ってあるメニューから、3人で食べ切れる量として、「炒飯」2人前、「餃子」2人前、「酢豚」1人前、「レバー野菜炒め」2人前、「ワンタンスープ」1人前を注文した。メニューが自分でプリンターで印刷したらしく真新しいので、どうやら2月から値上げをしたのではないかと思う。

息子が鉄鍋を振っているのが、ドア越しに見える。
オヤジが奥で餃子と酢豚を作っているようだが、それは客席からは見えない。


「わんたんスープ」(350円)



間もなく出て来た料理は「可もなく、不可もなく」であった。
帰り際にサラリーマンが入って来て、餃子定食を注文していた。
支払いになったが伝票も無く、『5400円です』と言われたので、そのまま支払った。

でもレシートも無く、店を見渡したがレジスターも無かった。
次の機会があるなら、もう少し立派な店を探して行こうと思ったのだった。


「ニラレバ炒め」(750円)



(おまけの話)
私がよく行く人形町で、「町中華」をネットで検索したら「あずま軒」、「生駒軒」、「たた味」がヒットした。ここで思い掛けない情報がネットに出ていた。

「生駒軒」というのは「一大のれん会」だそうで、最盛期は120店が参加していたそうだ。だから月島の「生駒軒」は「のれん会」のメンバーだったのである。
町中華がそんな歴史があったとは! ネットは色々なことを私に教えてくれる。


「生駒軒」(人形町)



そこで迷わず人形町の「生駒軒」に、1人で探検に行ってみた。
人形町の「生駒軒」は「甘酒横丁」にあり、鯛焼きで有名な「柳屋」の少し手前の並びにあった。少し前にブログで「人形町のカラクリ時計」の話を書いたが、私は前を通っているのに「生駒軒」は全く知らなかった。

この店も小さめで、目立たない。入口の横には「ガラスケース」の中に古びたサンプルが飾ってあった。店の中は見えないが、思い切ってドアを開けて中に入った。


お馴染みらしいお婆さんが1人で来ていた。



客席はテーブル席だけで、20席はあった。清潔そうで少し安心した。
メニューには色々あるが、町中華の基本である「ラーメンと半チャーハン」を頼んだ。
しばらくして出て来た料理を食べてみた。チャーハンはまあまあだが、ラーメンはインスタント物に負けている。

昼時になり満席になったので周りを見渡したら、高齢者ばかりで若者はいなかった。
私の理想とする「町中華」は、カウンター席と椅子席があり、カウンター席からは調理の様子が見える店だ。
オヤジが中華鍋を振ると、目の前の鍋の中にも火が入るような店がいい。
これは谷保駅近くで独立した夫婦の店「丸信」である。


 「ラーメンと半チャーハン」(800円)

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コメント

  1. Shinji

    Shinji

    返信

    おいしい町中華を見つけるのは難しいと思います。外見はみな薄汚くて、でも味はいい、という出会いを求めて、これは一種の賭けですね。昼時なのに店員が座ってテレビを見ている店もよくありますね。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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