最近は知らない街に行って、散歩して酒を飲むことが好きです。東京は一駅ごとに趣が変わるので、日帰りの遠出に丁度いいと思います。
どんなに飲んでも電車で帰れる。終電が遅いってだけで、夜の時間も自由になる。土曜日の夜なんて0時まで遊べる。その気になれば、楽しい時間がずっと延長できる。平日は苦しい社会人だけど、土曜日だけは心の底から大学生みたいな心持ちて遊んでます。
東京に引っ越してから行きたかった場所のひとつに、ジブリ美術館がありました。レンタルショップが身近にない頃、娯楽は金曜ロードショーの録画だけ。学校の図書館にはジブリの映画をまとめた本もあって、よく読んでました。
一番好きな作品はハウルの動く城です。ヨーロッパのような街並みと、魔法という可能性が溢れている世界観が好きでした。ソフィーが強い女性なのも好きだ。食べ物も美味しそうでお気に入りです。二番目は猫の恩返し。バロンが活躍した時に流れる曲が好きでした。
学生時代楽器をやっていたので、よくジブリ関連の曲を演奏していました。人生のメリーゴーランド、風の通り道、君をのせて…。オーケストラ編成で演奏したアシタカせっ記はいい思い出です。合奏で肌がビリビリする感覚。もう楽器を弾くことはないから、味わえないのが惜しい。イントロが好きです。
配信されていないのもあって、コクリコ坂あたりから見れていないんですがね。友人に水沼殿がいいぞって言われ続けています。
小学生の頃、友人がシュナの旅の本を持っていて、貸してくれたなあ。お母さんの親友が千と千尋の神隠しの本を買ってくれました。裏表紙にメッセージが書いてあったんですが、達筆で未だに読めない。有馬温泉に行く途中、神戸の三ノ宮の駅で火垂るの墓を思い出したな。家に主題歌アルバムがあって、小学生の頃はラジカセでずっとOn your markを聞いていました。
ジブリぐらいの作品になると、関連する思い出が沢山あります。今の子供も見ているのかな。ファンタジーって、辛い時心を救ってくれる気がします。ここじゃないどこかを意識させてくれる。
子供の頃からこんなにお世話になっているので、1度行こうと思っていました。ちゃんと1か月前にスマホに張り付いて、ローチケでチケットを購入しました。
ジブリ美術館には三鷹駅から歩いていきました。緑溢れる沿道を行きます。井の頭公園に併設されているので、高級住宅地と森の間のような場所を進んでいくと、次の回の入場を待っている人達が並んでいました。みんな早い。
到着するとトトロがお出迎え。大きい!けど大人から見たらそこまで大きい訳では無い。メイちゃんのサイズだったら確かにお腹に乗れるけど、大きめの傘が使えるぐらいの大きさ。私が大人になってしまった。
外壁に隠れまっくろくろすけ。
素敵な庭園の奥にある小さな入口。屋内は撮影禁止です。ヨーロッパの村にある小さなお家のような見た目。中は複雑な階層になっており、どうやったら上に行けるか苦労します。それが建築の目的らしく、好奇心をもって扉を開けたり、階段を登ったり、知らないお屋敷に迷ったような気持ちになれます。
外壁。2001年にできたってことは、20年以上前の建物になります。これこそ、綺麗に手入れされているって感じがします。こう見えて、中は木造で、子連れの人がたくさんいました。外人も多い。世界的に人気だからでしょうか。
11時に入場したのですが、お昼にご飯のところは混むと聞いていたので、迷子になりながらカフェに行きます。メニューは昔と変わっているので、ルパンのミートボールパスタとかはないのですが、スイーツ系が充実していました。
屋外のカウンターからはビールが買えます!オリジナルビールは外の水道で洗えるので、瓶はお土産にもできます。100円で香ばしいむぎ茶も買えるので、暑い夏は是非。ホットドッグもチキンフライも美味しかったです。
展示で特に良かったのは、宮崎駿監督の机周り。壁には過去の作品のイメージボードが沢山あります。ゆっくり見ていると時間を忘れてしまう。鉛筆と水彩絵の具というシンプルな画材で書かれているのに、沢山のキャラクターや自然が描かれていました。ハウルの動く城の書き込みとか細かくて分厚かった。
アルバムや本棚も魅力的でした。飛行機の図鑑から植物の図鑑、アルバムには海外の井戸や壁や街並みの写真。作画資料だからドアとかばかり写ってたり。大きな川の写真とかね。本棚を見るとその人となりがわかるそうですが、素人目でも確かに…と思ってしまうほど。
嬉しかったのは山盛りのタバコの吸殻があったこと。やっぱ禁煙社会に抗って欲しい。ピースとチェリーの箱がありました。作画指示みたいなメモもあって、トトロの断面図や肩を書かないで欲しいという注意書き。絵コンテを切ってるから監督はイライラしてますという注意書き。とにかく注意書きやメモが多くて、大変な現場が伺えます。
アニメーションの成り立ちや、ジブリを支えてくれた人達の話。過去作品の絵コンテ集も読み応えがありました。宮崎駿監督が児童文学が好きだからか、児童文学専門の本屋さんも併設されています。子供の頃読んだ本が沢山あって、話し合うだけで楽しかった。3匹のやぎのがらがらどんとか。長くつ下のピッピとか。
子供専用ですがネコバスもありました。乗りたい!!大人だって乗りたい!!
写真を撮り忘れましたが、いい感じの中庭がありました。
屋上には天空の城ラピュタのロボット兵。お花に囲まれていて、のどかな雰囲気でした。
近くで見ると配線が生々しい。
戦争の後、廃れた戦車が草木に埋もれて花畑が広がっている風景のようでした。
奥の方にあったラピュタの石版。「読める、読めるぞ!」とムスカごっこができます。
回すとガラガラキラキラ音が鳴る、魚のようなベンチ。
お土産屋も充実しています。ポストカードと中トトロのぬいぐるみを購入。幼い頃、中トトロのお手玉がお気に入りで、ずっと持ち歩いていました。そのことを思い出したら、お持ち帰りしていました。
出口にあった紅の豚のような蚊取り線香入れ。こういう小さな遊び心が沢山ありました。ステンドグラスもジブリの作品でしたし、探せばもっと沢山キャラクターを見つけられたんだろうなあ!
このまま吉祥寺観光へ移ります。井の頭公園を散策。石神井公園よりも広く、歩道が歩きやすい。
公園の中には飲食店が何店舗もあります。アート系のイベントをしていたのか、遠くからボサノバが聞こえていました。コーヒーを飲みながら、スワンボートを漕ぐカップルを実況して時間を潰しました。外国人のお父さんがボートを漕ぐのが凄い上手だったのに、娘は全く興味がなさそうなのも面白かった。
足を休ませたら商店街の方を散策します。行きたかったパン屋もクレープ屋も売り切れでおやすみでした。残念!
吉祥寺って住みたい街ってよく聞くので、てっきり高級住宅地とパン屋ばかりあるタイル調の閑静な街だと思っていたんですが、駅からソープランドの看板が見えるし、雑多とした繁華街もあって驚きました。
一人暮らしでも生活がしやすそうだ。電気屋も百貨店もなんでも揃ってて羨ましい。住みやすいということは、お散歩の範疇で欲しいものが全て揃えられる環境のことを言うのでしょう。
ちょっと並んで購入したメンチカツ。肉汁が溢れて美味しい。夕方に前を通ったら、並んだ列がさらに長くなってました。近所にあったら、夜ご飯にこのお惣菜が食べれるのか。
ハーモニカ横丁を歩いたのですが、初見で入るには難易度が高そう。店員の女の子がかわいいから、ガールズバーみたいになっている立ち飲み屋もあるとクチコミにあり、ちょっと先入観かあったのも否めない。2周しても決めかねて、ぐるぐる細い路地を歩く。
ハーモニカ横丁の近くにある雑居ビルの地下にあった、日本酒のお店へ。プラットスタンド 酛という、カウンターが中心の居酒屋です。
銘柄を選ぶというより、チャートから好きな味を選んで、店員さんに日本酒を選んでもらうシステムがあり、初心者も安心して飲める仕様。店員さんのチョイスが的を得ており、とても楽しかったです。この後他のお店を予約していたというのに、ついつい沢山飲んでしまった。
鯛の刺身かな。新鮮なのか歯ごたえがバッチリ。明太子の天ぷらも美味しかったです。美味しい肴と美味しいお酒。1人で静かに飲むのもいいし、数人で来ておつまみを色々食べながら自分だけの好きな日本酒を探してみてください。
全国の日本酒がありました。写真は滋賀県の萩乃露というお酒です。この日の日記には、「辛口で重くて美味しい。最後に酸味を感じられる」と書いてありました。つまり、記録に残すほど気に入ったということ。油っぽいおつまみをあっさりと流してくれたのでしょう。辛口の日本酒が好きなのですが、辛口でも沢山のレパートリーがあって楽しかったです。
ほろ酔いで当日予約したお店に向かいます。道中雷の音がしたと思ったら、遠くて花火大会をしてました。井の頭公園の木々に阻まれて殆ど見ることは出来なかったけど、夏の終わりを感じられました。
立ち呑みビストロryo に行くと、外のテーブルでは犬と吉祥寺のマダムがワインを飲んでいる。格好いいなあ。
写真は白子。今日たまたま仕入れたらしい!!壁一面にメニューがあって、どれも美味しそう。カジュアルフレンチって感じなんだろね。立ち呑みと看板にあったけども、ちゃんと座れます。
ワインをボトルで開けてガンガン飲むぞ!!ハラミのステーキは肉肉しくて美味しい!!フライドポテトも細めで美味しかった。ワイン泥棒の肴が多く、ひとつの食材でも沢山の調理法があるので迷ってしまう。先程の白子は天ぷらもあったり、羊肉はローストに煮物に炒め物。天国かな。
お店イチオシのレバーパテ!人生でいちばん美味しかったかもしれない。香辛料香る甘めのブレッドに、塩味の効いたこってりとしたレバーがとても合う!あまじょっぱい口の中を冷えた白ワインで流す幸福感よ。無限に食べてしまう。
彼が食べたいと言っていたイクラのパスタ。見た目から美味しいと分かる、贅沢な逸品でした。こんなにいくらを口の中にかきこんじゃっていいんだろうかって罪悪感と、それを上回る美味しさ!!
お腹いっぱい飲み食いしました。今度は空腹の時に来て、最初っからフルスロットルで食べたいお店。
甘いものが食べたくなって、商店街にあったキッチンカーでクレープを購入。ちょっと井の頭公園にあったコーヒー屋に似ている。系列なのかな。チョコバナナクレープを久しぶりに食べました。
家に帰ったので、中トトロさんは家の祭壇に飾りました。後ろはオリックスのグッズになります。恥ずかしい。中トトロも野球を見ようね。
高品質なお店が多く、下町っぽくないけど人も多すぎない。散歩も楽しいから日中から遊べる楽しい街でした。吉祥寺に住みたい人が多いのも納得です。いいなあ。沿線も魅力的だし、途中下車してお酒を飲む旅をしたい。素敵な場所でした。みなさんもぜひ行ってみてください。