小学生LGBT映画か是枝裕和「怪物」安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、田中裕子 【機を見るに敏】
以下完全ネタバレ。、ま、タイトルからして、すでにそうなのだが(笑)。
見ていると本作は三部構成のようだ。同じビル火災の描写が繰り返され、そのたびに別の視点に移る。
1 小学生A君が母親に嘘を付き、担任にいじめを受けていたという。母親は担任、学校側に抗議。
2 担任のそれなりに誠実な児童との接し方が明らかにされ、特にいじめてはいないのだが、母親のクレームは程度を増す。
3 A君とクラスメイトB君の「友情」が明らかにされ、いじめを受けていたこともあり、その「友情」が、二人だけの秘密めいてくる。特にこの二人がじゃがいも系ではなく、どちらかというと可愛い系なので。
是枝裕和「怪物」というタイトルで、普通の人々たちの描写。じゃあ「怪物」って誰だとフツーは考えるよね。誰も怪物じゃない、というのがネットの大本の感想というようだ。
いやいや。嘘をついて罪のない担任をおいつめる、A君の嘘というのはかなり悪質だよ。最後、天使のようにニコニコ笑いながらはしゃぐA・B両君だが、お前らの罪は相当重いんだぞ。
B君の父・中村獅童の虐待は論外だし。事なかれ主義の校長・田中裕子はダメ教師の典型だし。
しかしこの役に田中は徹底的にミスキャスト。裏表のないシンプル人間の役には才を発揮する田中だが、これはどう見ても無理筋で。
おそらくここは、是枝組常連の樹木希林あたりが適役だろう。すっとぼけ続けて、裏をかくしおおせる役には最適だろう。なんらかの出れない事情があったのかもしれないが、その不在がつくづく惜しまれる。
樹木希林、その夫に内田裕也が、おそらくベストキャスティング。是枝も、勘が鈍ったなあ。
結局、この映画の結論は、母親、担任、校長などがいくら頑張っても、小学生のLGBT問題は探し当てられない、ということか。当たり前だよ、子供が嘘つきまくっているんだもの。
だから必要なんですよ、と。LGBT専門の左翼相談員を派遣して、先生や子どもたちに講習して、男の子と男の子の恋情を否定するのは、明らかな間違い、わたしたち左翼相談員が二人のカンケーを解きほぐしてみせますよ、と。それには、公金チューチュー必要ですよね、と。是枝、機を見るに敏だな。さすが映画界の公金チューチュー。
かくして、小学生男子のほのかな恋情は、りっぱにLGBT問題に昇華し、近い将来、男の子のどちらかは、ちんちん削除手術に行くかもしれない。
親からの虐待、学校でのいじめに悩む男の子は、唯一の仲良しの男の子への恋情も含め、今この虐待・いじめは、自分が男の子のせいだ、いっそ女の子になったら、この苦痛から開放されるかもと妄想を抱く。
もうイッポウの男の子もシングルマザーの過干渉にうんざり。いっそ二人でレズビアンにでもなろうかしら。左翼が虎視眈々と舌なめずりするの図。
ところで、互いに不信感を持つ、担任と母親が共同作業。台風の夜に、二人の子どもたちを探し合うために組む。この共同作業の果て、二人は和解したのかしなかったのか。ここの描写が全くの尻切れトンボ。ここにこの映画の欠点がはしなくも露呈している、というのは穿ち過ぎか。
映画『怪物』予告映像
77,362 回視聴 2023/04/14 #日本FilmIsNow
『万引き家族』などの是枝裕和が監督を務め、脚本を『花束みたいな恋をした』などの坂元裕二、音楽を坂本龍一が担当したサスペンス。けんかをした子供たちの食い違う主張をきっかけに、社会やメディアを巻き込む騒動が起こる。『万引き家族』などの安藤サクラや『友罪』などの永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、田中裕子などが出演する。
息子を愛するシングルマザーや生徒思いの教師、元気な子供たちなどが暮らす、大きな湖のある郊外の町。どこにでもあるような子供同士のけんかが、互いの主張の食い違いから周囲を巻き込み、メディアで取り上げられる。そしてある嵐の朝、子供たちが突然姿を消してしまう。
映画『怪物』は2023年6月2日より全国公開
公式サイト:https://gaga.ne.jp/kaibutsu-movie/
配給・製作:東宝、ギャガ (C) 2023「怪物」製作委員会
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by mukashinoeiga | 2023-07-01 09:25 | 新・今そこにある映画2 | Comments(0)