中平康「誘惑」芦川いづみ左幸子中原早苗轟夕起子渡辺美佐子
神保町にて。「恋する女優 芦川いづみ アンコール」特集。57年、日活。デジタル上映。
なかなか面白い快作コメディ。下記のあおりを受けたら、見ざるをえんでしょ。
2. 誘惑 <神保町シアターHPより>
S32('57)/日活/白黒/スタンダード/1時間34分
■監督:中平康■原作:伊藤整■脚本:大橋参吉■撮影:山崎善弘■音楽:黛敏郎■美術:松山崇■出演:左幸子、葉山良二、芦川いづみ、千田是也、中原早苗、轟夕起子、渡辺美佐子、安井昌二
芦川ファンから絶大な支持を得る恋愛コメディの傑作。銀座で画廊を営む杉本(千田)は、芸術家グループの若者達の中に、初恋の人と瓜二つ娘を見つけるが…。少ない出番ながら場をさらう芦川の鮮烈な登場を目撃せよ!*デジタル上映
やはり、思ったとおり既見作ですが、まあ内容は、まったく覚えてないので、ノープロブレム、そういう問題か(笑)。ただ、張ったりめいたあおりは、いささかオーヴァー(笑)。
銀座で洋装店主・千田是也は、店員・渡辺美佐子を見ながら、心の中で(化粧もせずに、なんて無愛想な女なんだ。売り上げか落ちているのは、この女のせいに違いない)と、つぶやく。
美佐子は(まあ、あの人、あたしのこと、じっと見ている。あたしに気があるのかしら)と、どぎまぎ。
まあ、そういう「内なる声」ナレを多用しつつも、千田是也・左幸子親子をめぐる、軽快喜劇。
左幸子は、本人たる娘と、その亡き母の、一人二役。
芦川いづみも、本人たる娘と、その亡き母の、一人二役。
芦川いづみは、相変わらず愛らしいが、ぼくには、左幸子のよさが、わからない。
魚を思わせる人間離れ?した顔。
がらがら声だが、大原麗子のような声のつやもない。
番茶も出花で、若い娘らしいが、だからといって、出ずっぱりの主演映画を見ても、楽しくもなんともない。
彼女の出番は、ぼくには何の感情も呼び起こさない。
自分には何の興味もない生物を観察しているような無味乾燥。苦痛だとは思わないが、見ていること自体が、無意味。
同じく渡辺美佐子。この時期日活では、助演女優として、大部ハバを利かしているのだが、おそらく新劇女優にしては、美人で、愛嬌がある、という理由で重宝にされているのだろうが、これまた何の感情も、呼び覚まさない(笑)。
まあ、サセレシアさんにとっての、飯田蝶子や三好栄子みたいな存在(笑)とは、言いすぎですね、はい。
で、ぼくにとっての、興味外の、幸子、美佐子、それに中原早苗が、だいぶノシている映画で、芦川いづみ、轟夕起子のふたりだけが、イップクの清涼剤(笑)。
なお、左幸子の芸術家仲間に、ちっとも青年らしさのない青年・天本英世。左幸子のパーティーに招かれる青年に、セリフなしの宍戸錠、二谷英明。エキストラ状態なのに、存在感(笑)。
千田の旧友に、東郷青児、岡本太郎。Movie Walkerでは、それぞれ西郷赤児、山本次郎というツマラン役名で記載されているが、実際の映画では、東郷青児、岡本太郎。こちのほうが、よほどすっきり。
東郷青児の演技は演技とはいえない素人モノだが、目がイッチャっている岡本太郎、変質者役などで、もっと映画に出てほしかった(笑)。
なお、回想シーンで、二十代の青年を、ノーメイクで演じる千田の不気味さ(笑)。中原早苗が「裕ちゃんや慎ちゃん」というくらいなのだから、千田の青年時代は、いっそ特出で、裕次郎あたりにやらせれば、よかったのでは、ないか。
寝ている芦川にキスする千田。ちょっとエグすぎだろ。まんま美女と野獣ではないか。
昔のアイドル女優は、容赦なくひどいシチュを演じサセラレル、という一例で。
★Movie Walker★に、タイトル検索で詳細な作品情報あり。簡単な作品解説、あらすじ紹介(企画書レヴェルの初期情報の孫引きゆえ、しばしば実際とは違うが)。
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by mukashinoeiga | 2016-03-17 19:19 | 芦川いづみ:青春快談いづみ晴れるか | Comments(2)
左幸子は「飢餓海峡」が印象に残って居りますが、テレビ(フジ)版「飢餓海峡」も良かったですな。三条泰子もエロかったし….。
私にとって中平康というのは「Mr.エキセントリック」でしょうか。
「四季の愛欲」のインパクトが未だ忘れられませんよ。
いやいや賀原夏子に嬢はないと思いますよ(笑)。それほど賀原夏子にこだわるところを見ますと、サセレシアさんこそ賀原夏子に(笑)。いや、絶対そうでしょう(笑)。
「四季の愛欲」は、あんまり覚えていませんが、関係ないかもしれませんが(笑)、倉本總脚本のTVドラマ「六羽のかもめ」で、高橋英樹?が「非情の四季」というTVドラマに出て、極寒の海に入らせられて、「これがほんとの非常識だ」といったのを、思い出しました(笑)。 昔の映画