当ブログの人気記事「 DIYでアコースティックギターのデュアルピックアップ取付」の続きになります。他所で購入したコンタクトピエゾピックアップを改良して取付け、自作のインパルスレスポンス使用しました。
先回のピックアップは取り外す
取付時にも感じていましたがハムノイズが入ってしまいそれが気になっていましたが、自作でコンタクトピエゾは作れる事がわかりましたのでこの際取付け直すことにしました。
なお、ここで紹介しているコンタクトピックアップは出力は大きくありませんので別途デュアルシステム用に使えるプリアンプが必須ですのでご注意ください。
市販のコンタクトピックアップのピエゾ端子を流用
市販で購入したピックアップ |
端をカットしてサイズを小さくする |
銅箔テープでシールド |
RCA端子を取り付けて完成 |
コンタクトピックアップ取付位置を調べる
作成したコンタクトピックアップをどこに取付けるかについては実際に表板に張り付けて音出しをしながら良い位置を探ります。そのためには素直な音が出せるアコギ用アンプや簡易PAシステムやPCモニタースピーカ等が必要になります。プリアンプに接続するためのケーブル |
取付の様子。位置はまだ決定していません |
コンタクトピックアップの取付け
ある程度位置が決まれば、新たに両面テープを貼ってギターの内側のその位置の裏側に貼って音出しをします。問題なければそのままでもいいですし、さらに良い音を追求するならばより倍音を拾いやすいようゼリータイプの瞬間接着剤でそのまま固定してしまいます。瞬間接着剤の使用は市販のコンタクトピックアップで性能がよいK&Kがその取付方法を勧めています。
あとはマグネットピックアップは以前このブログで紹介したAmumu SP60を使用、マグネットピックアップとコンタクトピックアップの接続はこのブログで紹介した自作のエンドピンボックスを使っています。
前回取付けてからグリフィスギターの登場が久しいですが、ギターの変形も全くなく超低弦高を維持したままの弾きやすい良いギターですよ。
久々の登場Griffithギター |
自作インパルスレスポンス
最近はインパルスレスポンスはAIにも使われていて他人の声をそっくり真似たり機械に特定のキャラの声を出させたりできるようになってきていますよね。アコギも別のギターの音をインパルスレスポンスを使って真似ることが可能です。今回はグリフィスギターの音とグレーベンギターの音データからインパルスレスポンスを作成しました。なお、マグネットピックアップについては音の厚みを出すために使用するのでIRは使わないで音色を決定づけるコンタクトピックアップのみに使用します。ギターの生音を録音する
まずはグリフィスギターの生音をDAWソフトを使ってコンデンサマイクで録音します。録音する時間は本当に短くて構わないのですが、奏法で使用するに必要な音を録音する必要があります。パームを使うのであればパームが入った音を録音します。また今回はグレーベンギターの音をサンプルにしますのでSoundCloudは良質な音データがありますので音質を損なわないよう直接DAWで録音します。下の音はGriffithギターのマイク取りの音です。
ギターのコンタクトピックアップのラインの音を録音する
次に今回取付けたコンタクトピックアップのプリアンプを通した音を直接オーディオインターフェースを通してDAWの別トラックで録音します。同じようにパームなど必要な奏法の音を入れます。まあ、直接のラインの音となるとマイク録りに比べたらこんなものですね。音にうるさい人がステージでマイク録りするわけです。これでも前の音さえ聞かなければスピーカーから出した音はまずまずなのですが。MFreeformEqualizerでIRを作成する
MeldaProductionのMFreeformEqualizerをネットから購入しマスタートラックに挿入、Sourceをマイクの音、Targetをコンタクトピックアップの音として差分を出し、IR出力する。手順についてはこのブログの記事「アコギのインパルスレスポンスを自作 音の着せ替えは自分でできる」をご覧ください。
まずはグリフィスギターのIRを通したコンタクトピックアップの音がこのように変わります。すこし低域がボワボワしてますがかなりマイクで録った音に近づいているのがわかるかと思います。近所の音を拾うまたは迷惑にならないようにラインでアコギの音を録っている方もIRを使えばそれなりに使える音になると思いませんか?
そしてグレーベンギターのサンプル音から作ったIRをとおしたコンタクトピックアップの音です。これは少しボディが違う事もあってややイコライザー調整が必要です。ボディが響きすぎているんですね。400Hz周辺を減らして調整します。
MCabinetでIRを調整する
同様にしてMCabinetをネットから購入してマスタートラックに挿入、コンタクトピックアップのトラックだけオンにし前述のMFreeformEQはオフにしてMCabinetを立ち上げます。先ほど作成したIRを読み込みます。「TILT」機能で波形を回転させハイよりにしたりローよりにしたりして音像を決め、イコライザー調整を行います。ボワボワしているようだったら100Hz~200Hzあたりを下げたりします。IRの波形が表示されてますので出すぎている部分を削りフラットにするといいと思います。そしてIRmonoで名前を変えて出力します。波形編集ソフトでIRの振幅を上げる
作成したIRをそのまま使うと出音が小さくなります。そのためIRを通した時の出力を上げるためにIRの振幅を波形編集ソフトやDAWのプラグインを使って大きくします。IRローダーにアップロードして音出し⇔MCabinetで調整を繰り返す
外部IRデータ利用できる手持ちのIRローダーをPCに接続してIRデータをアップロードします。私の場合はAmpero2Stompですがデータをアップロードして実際にスピーカで音出しをします。出音に不自然な響きがあればその周波数を特定してMCabinetのEQでカットしIRmono出力、それを繰り返してIRを使える状態にします。
調整の結果まとめ
GriffithギターのIRは大変生音に寄せてきましたが、最終的にはグレーベンのIRを採用しました。やはり高音の倍音成分が多くてレンジが広くてボディの響きもしっかりIRデータに収まっているので弾いていて気持ちがいいんですよね。サンプル音がアルペジオでしたのでこれがストロークとボディの叩き音の両方が収録されていればもっと正確な音に寄せられると思います。あまりにもナチュラルすぎると普通の人は「気持ちの良いラインの音」になれているのでその良さが気が付かれないのがデメリットですね~(笑)
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