前回、たまにはブログを更新していくと書いたので、さっきから、書こうと思いキーボードに両手を置いていたのだが、特別書くことなどないという結論に落ち着きそうになっていた。

正直、人目につく文章を書くことの意味がわからない。いや、誰かが読むほどの価値のある文章は書けないということだ。

例えば、友達から「昨日何してた？」とメールで問われれば、きちんと「歯医者に行ったよ」と返すが、いきなり友達に「歯医者に行ったよ」とメールしてもしょうがないだろう。受け取った方も、「はあ」としか言えないのではないか。

まあ、ブログの場合、このページを開くという行為が読む側にあるわけだから、いきなりの近況報告のメールとは多少違うが、大差はない。そうなると何を求められているのかが重要になる。

昨日、本当に歯医者に行ってきたのだが、別に近況を知りたかったわけでもないだろう。

そんなことを考えながら、書く必要も書く動機も見当たらず、書かない理由の方がたくさんあるのだが、ふと思いついたのは、木を隠すなら森に隠せと言うことだ。

頻繁に更新しておけば、その中にただの近況報告が混ざっていても目立たないと。

あなたの人間性を見たいので好きな本を一冊だけ挙げてくれ、と言われたらすごく迷うと思う。間違っても村上春樹は入れられない。
でも何十冊も挙げられるのなら、あまり気にせず、その中に村上春樹だって入れられる。

好きな本で人間性がわかるのかはともかく。

もし好きな本で人間性がわかるのだとすれば、僕の好きな一冊は中村文則の『銃』である。

と、よくわからない展開のまま終わらせることも出来る。いくつも更新していくのであれば。