秘密のミーニーズ、前回からぴったり2か月のライブは"道玄坂ルーツ・ミュージック同好会"と題した双六亭とのツーマン。悪かろうはずがないこの2バンドの競演、発表あった瞬間からワクワク楽しみにしてた!土曜日のお昼の渋谷へGO。円山町の一角は他にもライブいろいろあるようで大にぎわいだった。
2024年9月21日(土)
渋谷7th FLOOR
"道玄坂ルーツ・ミュージック同好会"
11:30 open / 12:00 start
Adv¥2500 door¥3000(+1drink)
■双六亭
双六亭はニシイケタカシ(Vo+Gt)、中原由貴(Dr+Vo)、時光真一郎(Ba+Vo)のスリーピースバンド。『囲碁お見知りおきをラヂオ』で時々触れているので聴いたような気になっているけど、生で双六亭の演奏を聴くのは初めてだ。(ニシイケさんはタマコウォルズぶり、ムーさんはBAND EXPOのサポートぶりだったかも…。)開場前エレベーターホールで待ってるときに、リハを終えた双六亭メンバーが下りてきて目の前通り過ぎたんだけど、もう3人で歩いてるだけで「デカい音出しそうなバンド」感が出まくってて強者だった(笑)。はたして初っ端からゴキゲンな演奏と3声ハーモニーを聴かせてくれ、スリーピースとは思えない音の広がりと重なりで会場を圧倒する。ムーさんのドラムはますます凄みを増して、今さらだけどうっめーなーーー!グイグイ全体を前に進めていくオトコマエなリズム。きめ細やかかつ重層的で、ドラムひとつでもまるでメロディーを奏でているように聴こえたなぁ。そしてそこにメロディアスなベースとギターと3声ハモ(カノンぽいのまであった、凄!)がのっかってすばらしく楽しいー。聴いててやっぱりムーさんのドラムは矢部さんの、ニシイケさんのギターやメロディは直枝さんの、正当な継承者とも感じた。セロファンの曲も2曲やってくれて、甘酸っぱさマシマシでとてもよかったな。
ニシイケさんの大阪弁混じりのぼやきみたいなMCがとてもおもしろく(そういえばこんな感じだった!と思いだした)、カポを忘れて青木さんに借りた話(「これええカポですよ」としみじみ 笑)とか、秘密のミーニーズのリハを聴いて「76年ぐらいからタイムスリップしてきたみたいな」「僕なんかより老けた音楽やってますよね、どうしてあんなことなったんですかね?」とか、ゆるい話しぶり楽しかったー。買ってなかった双六亭の新譜も物販で買わせてもらったので、あらためてゆっくり聴こうと思う!
■秘密のミーニーズ
この5人のミーニーズも見慣れたような気がするけれど、実際はまだ5人体制になって3回目(ですよね)のライブ。三々五々楽器の準備を始めてゆるっと試し弾きするバラバラの音が、だんだん縒り合わされてひとつになっていく。1曲目は「イディオムズ」、この5人体制になってからの淡路メインvo&たもつ高パートバージョンで。からの「午前0時2分」。アルバムの大好きな2曲をこうしてナマで聴けるのは嬉しいな…。この日、青木さんはまたNEWガジェット?エフェクター?を導入してて、マイクスタンドにセッティングしたソレのつまみををギター弾きながら操作してた~!「午前0時2分」の後半ギターソロなどさらに不思議感大増量で、まさに青木利文実験室にようこそだったなあ…。
カツ(あがたさん)抜きのタレごはんでもおいしいと言われるように頑張ります、とのMC(笑)から「大寒町」。淡路さんの滋味あふれる歌声を堪能…。そういえば先ほどのニシイケさんからの「若いのになぜ老けた音楽を?」という問いに淡路さんとたもつさんが少し答えていたのだけど、たもつさんは親世代が電子音楽全盛期リスナーで、その反動というのでもないけどむしろ60~70年代の有機的な音楽が新鮮だったしカッコイイと感じたというような話だった。(それにしたってずいぶん深いところまで掘り下げていく若者たちだと思うけれど。)ミーニーズ世代のミュージシャンのバックグラウンドは私にとってはブラックボックスで不思議に思うことが多いので、いずれまとめて話を読めたりするといいな。
ここまでアコギだったたもつさんがエレキに持ち替えて(久々のSG登場!ちなみにアコースティックギターは今日はマーチンだったかな?)新曲を、と言って前回ライブで初披露だった「蚕糸の家」。本日の私的ハイライトその1…!甘美なリフをストイックに繰り返すたもつさんのギター、魅惑的なフレーズを鳴らしながら少しずつテンションを高めていく青木さんのギター、空気の隅々までピシーッとストレートに響いていくU太さんのドラム、相本さんの色っぽいベースのフレーズ。周期の違う振り子がだんだん合っていくみたいなイントロダクションたまらん…。いやしかし青木利文さんのギターのカッコよさ、致死量に達する寸前である…。新ガジェットの効果なのか、まるでシンセ一台余計に積んでるぐらいの音の破壊力あったな…!
ルーツロック研究会にぴったりのナンバー「さすらい人」。5人体制になってからのライブでは毎回演っていて、青木さん入りの3声もすっかり板についてる感じ。この野趣あふれるハーモニーもよいのだよなあ…。久しぶりの「おはなフェスタ」には歓喜!アルバム『おはなフェスタ』収録曲もいい曲多いよねえ、大好き、たくさん聴きたいのあるー。(そういえばこの曲前回のライブで予定していたけど時間が押してできなかったのだったね。)
さらに久しぶりの曲という紹介で「ヌマベの踊り」!ギャーーーうれしーーー!この日の私的ハイライトその2!(SNSでの「珍しい曲やるかも」の予告に私がいくつか思い浮かべた、聴きたい曲のうちのひとつだった!)空気を切り裂いてうなりを上げるたもつさんのギターーー!直枝さんにも“鳴りますね”とホメられたSGの響き!と思いながら聴いたよー。また淡路さんとたもつさんのダブルボーカルが!!!!CDバージョンは菅野みち子さんのパンチのある歌声が印象的だけど、その菅野さんの高音パートをたもつさんそのまま歌ってたよね?かっっっけぇ!そんでもってラストの青木さんとたもつさんのギターバトルがーーー!カッコよさのoverdose…!淡々と支えるU太さん&相本さんリズム隊のイケメンな音もヤバイ…はー聴き死ぬかと思った、危ない危ない。ほんとにニシイケさんじゃないけど彼らは1970年代からやってきたバンドなのではないか?と毎回思う。あっというまにラスト曲「ひとみしり」、これも5人体制で毎回演ってる曲、相本さんとの3声がなじんでる!(この日、席の位置的に相本さんあまり見れなくてザンネン…)
アンコールの拍手に引っ込む間もなく、双六亭メンバーを呼び込んでのアンコールセッション。ステージに上がってきたニシイケさんはミーニーズの演奏にとても感心していて「古い音楽といっても現代の感じもあるよね、WILCOとかPHISHとか」と言っておられた。で、セッションはまさかのはっぴいえんど「春よ来い」!淡路さん&たもつさんからニシイケさんへのボーカル回し。演奏、重くドライヴしてて最高だったなー。この曲の粘っこいリズムと母音多めの歌と独特の譜割は、やわなバンドじゃ全然カッコよくならないと思うんだけど、そこはさすがのU太さん&相本さんと淡路さんだった(ホント難しいと思うのよ)。そして「大寒町」といいこの曲といい、淡路さんの声はこの辺の曲にズッぱまりだなあ…。右側でバトッていたニシイケさんと青木さんギタリスト2名も大変楽しそうで何より。(あとから「もしかして9.21だから『春よ来い』だったのか…?(文京公会堂の解散コンサートの日)」と思ったけど、たまたまだったらしい!)
というわけで秘密のミーニーズセットリスト。
<セットリスト 公式より>
01.イディオムズ
02.午前0時2分
03.大寒町
04.蚕糸の家(新曲)
05.さすらい人
06.おはなフェスタ
07.ヌマベの踊り
08.ひとみしり
アンコールセッション
09.春よ来い(w/双六亭)
(セッティング時に1枚だけ撮った写真をペタリ。この日は相本さんが死角で写ってなくてゴメンナサイ…)
はーーーカッコよかったーーー。いつも秘密のミーニーズのライブは告知あった瞬間から楽しみにしすぎて勝手に緊張MAXまで高まってるので終わるとほわ~と魂抜けたみたいになってしまう…。『道玄坂ルーツ・ミュージック同好会』(ちなみにタイトル考案者だというたもつさんはずっと「ルーツロック同好会」と言ってたのでそっちが本来なのかも)、すっごいいい企画だなあ。同好の士を招いてまた開催してほしい。
野郎5人の野性味あふれるミーニーズもますます安定感が出てきてカッコイイ、すごく好き。でもたもつさんはMCで「がんばって高音パート歌ってるけどさすがに厳しいのでコーラス募集してます」と本音もチラリ(笑)。うんそれもわかる…ミーニーズの魅力的な楽曲群(特に3声が特徴的な名曲の数々)を最大限に輝かせたいと望んだら、やっぱりハイトーンを無理なく歌えるボーカリストいてほしいなとも思うものね。個人的にはこの日の「ヌマベの踊り」とか前回の「フォーク、ブルース&リバイバル」とか「名前のない鳥」とかめちゃめちゃカッコよかったので、淡路、たもつ+青木さんや相本さん、の今のミーニーズの歌もすごく魅力的に感じてるけど。並行世界を行き来してどっちも見れたらいいのに…!
まあどんな道を選ぶにせよ、今までそうだったように秘密のミーニーズはこれからも最高を更新し続けてくれるんだろうと思う。次のライブも、次に生まれる楽曲もサウンドも、その先も、ずっと楽しみ。今いちばん好きなバンドだから、いっぱい曲作っていっぱい歌っていっぱいライブやっていっぱい演奏していっぱいアルバム出してほしい!!!!
(それにしても、これまで菅野みち子さんmayugenさんと2代続けて並外れてスバラシイ女声ボーカルフィーチュアしてるのでなかなか次のハードル高くないですか…!?個人的にはキャス・エリオットみたいな人だといいなー。とか。←好き勝手なことを言うファン)
次の秘密のミーニーズライブは12月、なんと棚木竜介と図書館とのツーマンとのこと。わーわー!これは全人類が足を運ぶべきライブなのでは!?楽しみだー。
後日、この日のライブ動画を秘密のミーニーズ公式が上げてくれたので貼っておこっと!感動よみがえる…
【2024/09/25記】