『Singer Songwriter's Club』長坂と並木、棚木竜介、他 @ 武蔵小杉マッキャンズ - 月夜のドライブ

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『Singer Songwriter's Club』長坂と並木、棚木竜介、他 @ 武蔵小杉マッキャンズ

夢見る港の長坂さん&なみきさんのユニット“長坂と並木”、それに棚木竜介さんが出演のイベントと聞いて、武蔵小杉方面はあまりなじみがないけど行ってみた。(武蔵小杉のホームから出たい改札にたどり着くまでに駅内を10分ぐらい歩かされてびっくり!しつつ、)駅を出て歩いていくとほどなく現れる素敵なお店が、会場のアイリッシュバー・マッキャンズ。

 

Singer Songwriter's Club
武蔵小杉マッキャンズ
2024年9月7日(土)17:30~
入場無料

Okubo Mitsuki
あおいひろ
ソフテロ
長坂と並木
片瀬浩一
棚木竜介
リナン
Tepps
音璃

 

 

シンガーソングライターさんが何人か集まって歌を披露するこのイベントは、この日トップバッターで歌ったTeppsさん主催でずっと続けられているものみたい。最初に今日の参加者がまず1曲ずつ歌って、一巡りした後に、各演者さんがたぶん3曲ずつかな、自作曲を披露。基本全員ギター弾き語りの方だったけど(おひとりインストの方も)、みなさんのギターケースがお店のあちこちに並んでいたり、そろそろ順番という人が隅で小さくチューニングを始めたりという光景が、見てるだけで嬉しくなっちゃうような感じだった。知ってるアーティストさんも今日初めて名前を聞く方も、それぞれの個性がしみ出る歌、よかったなー。

 

(以下感想は順不同)
お目当ての“長坂と並木”は、最初の1曲に「秋の歌を」、と「一滴」。そっか“秋雨一滴滑り落ち”…だ。春には春に、夏には夏に、似合う曲があるよねぇ夢見る港。そのあとの「グッデイ」も夏の終わりという歌詞が入っていたし。長坂さんの曲のそういう、ささやかな季節の変化や生活の色合いと結びついている感じがとても豊かだなあと思う。長坂さんの歌声に乗ってくるなみきさんのデュエットコーラスも、「グッデイ」の弾むようなトロンボーンも、「やあ、おはよう」の甘くて深いフルートの音も、すべてがじんわり心にしみる。何度も聴いた曲でも毎回初めて聴くみたいに『いい曲だなあ』って思わせてくれる、“長坂と並木”のシンプルでつよーい歌心。最後に演奏されたのが「香りと全て」だったんだけど、どこからか美しいコーラスが聴こえる…と思ったら、客席の音璃さんのハミング!昨年の夏に上野公園のワイキキイベントで観た、まさに音璃さんがゲストコーラスだった「夢見る港・祝祭バージョン(←私が勝手に言ってるだけだけど 笑)」再び!という感じで、めちゃめちゃ素敵だったなあ…!ドキドキするようだった。ありがとう音璃さん。

 

もうひとりのお目当て、棚木竜介さん。といっても私はこのあいだ初めて棚図書のCDを買い、初めてライブに足を運んだばかりの超ビギナーファンなので、棚木さんの弾き語りももちろん今回がお初。あのふわーとさりげない感じでギターを抱えて始めた1曲目が「ひかりを愛でながら」で、棚図書いいなって思ったきっかけ曲なので『わー』となったし、目の前で弾き語られるこの曲が思った以上に刺さってしまった…。バンドで演奏している曲のまだ生まれ落ちたばかりのところを巻き戻して見せてもらうようで、眩しいようなソワソワするような。そのあと披露してくれた新曲も棚木さんならではの印象で、これからどんなふうになっていくんだろう?と想像がふくらんだ。バンドとはまた違うよさのある棚木さんの弾き語り、とてもグッときたなあ…。

 

音璃さんは、先述の夢見る港のゲストの時に観たことがあるだけでオリジナル曲を聴くのは初めてだった。最初の満員電車の歌、小柄なからだから発されるボーカルの迫力に圧倒された…カッコイイ!そして2曲目以降の曲、音璃さんの歌ってやっぱりどこか女神のような気高さを感じるな~と思いながら聴いたのだった(夢見る港で初めて観たときそう思ったのだけど、今回も)。

 

こちらも昔から名前だけはよく存じ上げていたけどナマで観るのは初めてだったソフテロさん。イイ意味で、思っていたのと違った!(まあだいたいいつも私の「思っていた」がいいかげんなんだけど…。)どの曲も言葉がすごくキャッチーで、でもちょっとイナたくて、聴いてて私の中に浮かんできたのはベルウッドとかURCなんてワード。ああいうところからレコード出してる70年代の歌い手さん直系のスピリットを感じたんだよね。弾き語りだったからバンドだとまた違うのかもしれないけど。シュワシュワの歌とかももんがもんもんの歌とか、客席も手拍子したり歌ったり、すごく楽しかったー。(ちなみに音璃さんもソフテロさんも夢見る港サポメンのマサキングさんつながりでもあり、私には何かご縁を感じる今日のラインナップだった。)

 

まったくの初めてだったシンガーソングライターさんたちも、それぞれの個性が伝わる歌や演奏で、同じ「ギター+声」なのに、音楽の世界は豊かだなあとあらためて。その人にしか奏でられない音で世界を震わせる、その人だけのやり方で世界に影響を与える、って尊いことだ。イベント主催のTeppsさんは英語詞のせいと場所もあいまってか、アイルランドあたりの森林を思わせるような静かな音世界が心に残ったな。ジャポニカ学習帳を歌詞ノートにしてた、あおいひろさんかな?やわらかで優しい歌声。“今日やる新曲、微妙だったらもうやりません”と冗談ぽく言ってたけど、とってもよかった!沖縄出身だというリナンさん、一度聴いたら忘れられないような透き通って奥行きのある歌声に聴き入ってしまった。キャップかぶったイマドキ風な、たぶんOkubo Mitsukiさん?めちゃめちゃ歌うまいしお若いのに世界観がしっかりあって驚かされたなあ。唯一インスト曲を聴かせてくれた片瀬さん(たぶん)、メロディも演奏も繊細で美しい。

 

客席にはたけとんぼ平松稜大さんや夢見る港のアダチさんの姿も。平松さん(客だけどギターは持参!)は招かれて飛び入りでステージにも立ち、2曲も聴かせてくれた!最初に演った曲はなんと松山猛さんに歌詞をいただいたのだとか。平松さん、世代を超え世代をつなぐアーティストのひとりだね。そういえばジャポニカ学習帳の彼が、まさにそのノートに「実は以前平松さんにサインをいただいたんです」とMCで明かして見せてくれ、みんなでおおおとなった!

 

出演者みんながそれぞれ、自分の大切な歌を身近な人に「どう?いいでしょ?」って聴かせてくれるような、アットホームなライブ。個性もいろいろで、楽しくて満たされたなー。チャージ無料でお店の飲食代だけでこんなに濃い時間を過ごせていいのかしらと思うようなイベントだった。主催のTeppsさん、出演者のみなさん、心からありがとうございました!なかなかに出不精な私だけれど、また伺う機会があればいいな。

 

 

【2024/09/12記】