当塾でのキャリア教育の考え方 | 個別指導塾 寺子屋もくもく

当塾でのキャリア教育の考え方

当塾で「キャリア教育の授業・カリキュラム」はありません。
キャリアカウンセラーの国家資格を持った塾長が、キャリア教育の視点を持って、学習指導を行います。

キャリア教育は、〈将来の夢〉や〈職業設計〉の指導のことではありません。

キャリアとは、「人が生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分との関係を見出していく連なりや積み重ね」と定義されています。
つまり、就きたい職業について考えることは、キャリア教育のひとつの側面でしかありません。

「夢を持とう!」「夢に向かって努力しよう!」というタイプの教育もあって良いと思いますが、当塾ではそのような考え方はしていません。

キャリア教育は、「社会に出る準備」とも少し違います。

日本には「社会に出る」「社会人」という言葉があるように、

 子どもや学生の期間(非・社会人) ⇨ 働く期間(社会人)

という、分断的・不可逆的なイメージが強く存在します。

しかし、実際ににはそうではありません。
人は生まれたときから、家族という小さな社会の一員です。
そこから、近所の人と関わったり、お店で買い物をしたり、集団生活をしたり、誰かと親密な関係を築いたり、習い事に行ったり、ニュースを見たり、SNSをやってみたり、アルバイトやボランティアをしたりしながら、グラデーション的に社会との関わりを強めていきます。

キャリア教育は、「いつか、社会に出るための準備」ではなく、
「今、そしてこれから、どのように社会と関わっていくか」を考えることだと捉えています。

当塾の、キャリア教育の考え方

考え方① 自分の将来について考えるための視点を育むこと。

「将来は〇〇の仕事に就く!」「そのために今は〇〇をする!」といったことを急いで決める必要はありません。
もちろん決めてもいいですが、決めたとしても多くの場合は年齢とともに変化していきます。

必要なことは、自分の将来を考えるための「視点」を増やし、自己の「現在」と「未来」のつながりを見通していくことです。
「視点」は、大きく3つ。

ひとつめは「自分」。
自分は、どんなことが得意で、どんなことが苦手で、どんなことに幸せを感じるのか、など。

ふたつめは「他者」。
他者と関わるとはどういうことか、他者との関係の中で自分はどうありたいのか、など。

みっつめは「社会」。
今の社会はどうなっているのか、この社会も中で自分に何ができるのか、など。

考え方② 「自分らしさ」の創出プロセス。

キャリア教育の大きなゴールのひとつは、「その人が、自分らしく生きていけること」。

「自分探しの旅」なんて言葉がありますが、自分らしさは、自分の中から探し出すものではありません。

・自分らしさは、様々な学びや経験を通して、自分の中に作りあげていくものです。
・自分らしさは、他者や社会との関わりのなかで立ち現れてくるものです。

学びや経験の中で、自分らしさが創造されるとともに、新しい価値観や視界が開けます。
その価値観や視界は、新たな学びや経験の可能性を提示してくれます。
このサイクルをぐるぐると続けながら、他者や社会と関わっていくこと。それが「自分らしく生きる」ということだと考えています。

考え方③ 汎用的な能力を育成すること。

自分らしさを創出し、活かしていくためには、「最低限、これはできた方がいいよね」ということがいくつか存在します。

たとえば、コミュニケーション能力。
いわゆる「コミュ力が高い」ことではなく、「相手への思いやりを持って言葉を使う能力」のようなもの。

最低限の数的思考力や、読み書きの力。
2次方程式や因数分解ができなくてもいいですが、ある程度の「数を把握する能力」は必要です。
読み書きの力も、人と意思疎通をしながら自分のしごとをしていく上で必要な能力です。

興味を持つ力。
新しいことに興味を持つ力は、自分の世界を広げてくれます。
他者に興味を持つ力は、人のつながりを広げてくれます。

人に依存し、依存される力。
自立することは、上手に依存すること。人に頼る力や、「助けて」と言えることは自立の一歩です。
同時に、ある程度の自己管理能力をつけておくこと。

ここに書いたものが全てではありませんが、このような能力を授けていくことは、キャリア教育のひとつの役割です。「能力」といっても、決して能力主義的な考えに流されないことも必要です。

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