マンダリンオリエンタルホテルの灯りが消えた・・・長かった。いつからだったであろうか。
我が家から見える大手町、日本橋方面の夜景は、新大橋通りの信号と車のライト、それに多くの高層ビルの灯りが瞬き、夜は結構、いい感じだ。特に、夜遅くまで煌々とつく白い窓の明かりと赤い航空障害灯が瞬く風景・・・自分は結構好き。ちょっと大袈裟だが、星間旅行で宇宙を漂っている感じw
今回のCOVID-19のため、海外からの観光客やビジネスパーソンの利用がまずなくなり、国内の人の移動も制限され、いつか、マンダリンオリエンタルの客室の灯りは全て消えた。まったく一つもつかなくなった。ロビーがあると思われるフロアの灯りはそれでもしばらくはついていたが、そこもついには消えてしまった。
いつもついている灯り、そこにあって当然の灯りがついていない・・・夜空に輝く恒星、あるいは銀河が突然なくなったような・・・夜景の中にあった灯りがなくなっている。ぽっかり穴が空いたようだった。これは不思議な感覚だった。
本来なら明るいところ、光があるべきところに光がない。ビルは見えるが、そこの部屋は一つとして灯りがついていない。感染者数の増大よりも、このマンダリンオリエンタルホテルの灯りが消えていることの方がよっぽど不安を実感させた。
これは単純に新型コロナの拡大というだけでなく、これからの経済活動はどうなるのかということもあったと思う。今、思い返してみても不安な日々だった。
そういう不安があったからだと思うが、一時は、もう一度あのビルの灯りが灯ることがあるのだろうかと漠然とした思いがよぎり、何となく毎晩確認することが日課になっていた。
6月に入ってからの自粛の解除でいつの間にか灯りを確認することは忘れていたが、今晩、ふとみたらいくつかの部屋の灯りがついていた。
なぜかホッとした7月12日日曜日の夜だった。