2冊目の松井氏の著作。
前著「市場(Souk)の中の女の子」より、量的にも、内容としても読み応えがある。
古代ギリシャが舞台。少年、少女が成長していく過程でいろいろ考えながら、経済社会の仕組みを知り、世の中を理解していく物語。
向こう岸の市場 松井 彰彦 勁草書房 2007-08-29 by G-Tools |
構成は以下のとおり。
- 第一章 神々の島
- 第二章 神託
- 第三章 宴
- 第四章 国家
- 第五章 向こう岸
これら五章を通して、経済学の基本的な考え方を考えさせるように物語は展開していく。たとえば、利己的行動、利他的行動がそれぞれどのような時に問われるか、多様性とは何かなど、経済学を知らなくても面白く読めるが、入門レベルの経済学を終わった人が読むと自分が勉強してきたことの理解を深めるのに役立つのではないかと思う。