犬が亡くなってから散歩してる犬がかわいくて仕方がない。
運転中も犬が歩いてるとじっと見てしまう。
先日。車で通勤中。
犬が歩いてるのが見えた。
かわいいなぁ。
ちょっと待って。
一人で歩いてない!!?
辺りを見回してみるけど飼い主や人の気配がない。
怖い怖い怖い!
慌てて車を、、どうしようどうしよう。
近くの大きな駐車場へ勝手に停める。
どこ行った?いる?
このままでは遅刻する。そんなことは構わない。
命が危ない!道路に出たらひかれちゃう!!
車から降りて探しに行く。
近くで電柱の匂いを嗅いでいた。よかった。
びっくりして道路に出ちゃっては大変です。しゃがんで低い目線になって近付く。
驚かさないように丁寧に声をかける。
「こんにちわー。」
こっち見た。マルチーズかな?かわいい。
くんくん。匂い嗅がれる。
「嗅いでくれるの?」
触れるかな?
「触っていいかな~?」
ふわっとよけられる。しかし友好的です。人間に慣れてる。大丈夫そう。
「抱っこするね。ごめんねー。」
よっ。
自分ち犬を抱っこする感じで、右手をお腹の下に滑りこませ左手でお尻を支える。
簡単に確保できた。暴れない。おとなしい子です。
さあ、どうするか。
警察?
私の車は犬と車中泊仕様なので荷室に乗せられる。犬が運べると思う。
ここから近い警察署が思い浮かばない。
なんとなく目の前のインターホンがあるお家が目に入った。
インターホンを押してみる。ピンポーン。
「はーい。」
ご年配の女性が出てきてくれた。
なんとなく押したため言葉が出ない。
全然知らない他人同士。お互い止まる。
「えーと、そこを、この犬が一人で歩いてたんですけど。迷子だと思うんです。この犬見たことありますか?近所の犬とかじゃないですか?」
「うーん、わからない。」「そうですか。」
じゃあやっぱり警察に届けるしかないか。
「ちょっと待って、隣の家が犬飼ってるから聞いてみよう。」
「ああ、ありがとうございます。」
そうかも、犬犬ネットワークがあれば知ってるかもしれない。あー助かりますー。
一緒に隣の家に向かう。
歩きながら「これから仕事で、遅刻しそうなんですけど、先月飼ってる犬を亡くしたんです。だから命の大切さが私にはわかるん・・・」
全然聞いてくれてない。しゃべるのやめた。
わんわんわん!飼ってる犬が吠える。ごめんねー。
「○○さーん、この犬が迷子なんだって知ってるー?」
玄関から人が出てくる。どれどれ。
「知らなーい。お父さんにも聞いてみよう、おとうさーん!」
入れ替わり立ち代わり家族全員のお目通り。みんな知らないそうです。
「この人この犬が欲しいんだって!」「いやいやいや、言ってません言ってません!」首を横に振る。
犬が亡くなった話聞いてたのか。そう思ってたのか。
トリミングが綺麗にされている。お洋服着てるし。かわいがられてるねー。
リードはついてないけどチェーンが首についてる。ちぎれたのかな~?
警察ですかね?どこにあります?あそこにあるよ。あそこ?あーあそこあそこ。
抱っこに飽きたのか。マルチーズが降りたがる。じたばた。
はいはい、ごめんねー。でも怖いから、いなくなると怖いから降りれないのよ。
「使ってないリードがあるからあげるよ。」「ありがとうございます。」
とかやってたら。
ご年配の女性が遠くに声をかけた。
「いぬさがしてるー?」
え?飼い主?
ニコニコした70代くらいの小綺麗な紳士が向かってきた。
「あー近所の、そこの人だわ。知ってる。」
近所の人でも犬飼ってるかどうかって意外とはわからないものなのかな。
「飼い主さんですか?」ニコニコしてる。
マルチーズが駆け寄る。飼い主さんだ、良かったねー。
隣の家の人と最初の家の人にお礼を言う。お辞儀。「ありがとうございました。見つかってよかったです。ありがとうございました。」ぺこぺこ。
マルチーズを抱っこした紳士と最初の家の人は並んで帰って行った。
見つかってよかったし。
マルチーズもとてもかわいかった。
無事で良かったんだけど。
誰にもお礼を言われなかった。
紳士に至っては一言も言葉を発しなかった。
私だったら泣いて喜んじゃうけどね。
お礼を言われるためにしたわけじゃないけど。モヤモヤ。
そして遅刻もしなかった。拍子抜け。
最近感謝されないから過敏になってるのかしら。
私の心は狭い?
インフルエンザになる前の話でした。
おわり。