奥田英朗「空中ブランコ」 - ねこもまぐれる日記

奥田英朗「空中ブランコ」

空中ブランコ (文春文庫)

空中ブランコ (文春文庫)

 アニメ面白い→アマゾン当日便余裕でした。
 いやあ、いいねこの小説。巷だと笑える笑えるって評判なのだが、自分はどうもそんなに笑えるという感じではなく、むしろちょっと心を病んだ人間たちのストレートなドラマに泣ける。いや、かなり楽しいのはもちろん。良質なコメディだから。でもそれだけじゃない。
 伊良部医師は、ほとんど大馬鹿に見えて、ひょっとしたら超有能なんじゃないか。そう思わせる描き方が上手い。思えばアニメはその「ひょっとしたら」感をさらに増幅させた、いやもっと直接的に有能っぽい演出になってる。監督の解釈なんだろうな。なるほど。
 奥田英朗の文章は一文がやたら短く、テンポが良い。かなり改行多いのはラノベっぽい気もする。読みやすさ、で言えば天下一品。
 かなり昔に「イン・ザ・プール」読んだときは、そこまで、って感じだったがこっちはもっと良いような、うん。いいねこれ。