危うく積読状態になりそうだったアジャイルサムライ、RubyWorld Conferenceに参加するための移動中に一気に読み終わりました。
- 作者: Jonathan Rasmusson,西村直人,角谷信太郎,近藤修平,角掛拓未
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2011/07/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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現時点で、最高のソフトウェア開発本と断言できます。
自分でも良く考えてみます
ですが、本1冊でソフトウェア開発が劇的に改善することはありません。本書が15章にも渡り、ずっと記されていることは
自分でも良く考えてみます。
の一言。教科書通りに進むことなんてまずありえません。
星の数ほどあるプロジェクトに、個性豊かなプロジェクトメンバー。朝令暮改を繰り返す顧客に、「日本語でOK」と言わなきゃあかん上司。
アジャイルマニフェストやアジャイルソフトウェア開発の12の原則がそのまま適用できないからと言って、すべてを諦めてしまってはいないだろうか。
必要なのは、自分に合うように適用することです。
- 毎週、価値ある成果を届けられているか?
- たゆまぬ改善への努力を惜しまず続けているか?
この2つの問への答えが「イエス」なら、君はアジャイルだ。
本書を読んで思い出したのは、 @yoshiori さんの「三週遅れのXP」という発表。
XPを@yoshiori さんに合うようにカスタマイズされた発表です。合わせて見られることをおすすめします。
簡単?No。
本書は、数あるアジャイル開発本の中でも一番ゆるく書かれています。だからといってアジャイル開発が簡単ということでは無いのです。
私たちの業界が過去40年にわたって続けてきた、ひどいごまかしに加担するんじゃない。私はアジャイルサムライの道が簡単だなんて言ったおぼえはない。
と本書の154ページに書かれています。
過去40年の歴史に立ち向かうのは困難ばっかりなんだけど、ひとりで出来ることもあります。
それが第?部 アジャイルなプログラミング。
サラリーマン化・OL化した職業プログラマが、全員アジャイル開発になじむわけではない。過去40年の歴史はそう簡単に変わることはない。
出来ることは色いろある。ひとりでも、みんなでも。
本書は入り口でしかない。入り口からの進み方は我々に託されている。アジャイルであれ、なんであれ、我々の拠り所は、
- 毎週、価値ある成果を届けられているか?
- たゆまぬ改善への努力を惜しまず続けているか?
だ。これさえ出来れば、我々はアジャイルだ。