縦サミ2011に行ってきた - miyohide's blog

縦サミ2011に行ってきた

2月に行われたデブサミの二日目朝イチの講演を順に再演する「縦サミ2011」が開催されましたので行ってきました。

これからの「RIA」の話をしよう

はじめは@take3000さんの『これからの「RIA」の話をしよう』。RIAは使い勝手が高く、配布性/保守性の高いアプリケーション形態。Adobe FlashやMicrosoft SilverlightHTML5などがRIAテクノロジーとして有名。

  • HTML5があれば、Flashはイラネってことがよく言われるけど、適材適所なので、安易に判断しないことが必要。
  • 例えば、HTML5はあくまで仕様なので、実装は各ブラウザ依存。そのため、テストは環境ごとにやる必要があるよってこと。

にわかHTML5厨だった自分は、適材適所ってことにハッと気がつかされた。俺って単純だな。^^;

ユーザーエクスペリエンスの目的

講演の中で、ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」という本に書かれていた次の言葉の引用が印象に残った。

どんなユーザーエクスペリエンスも、目的は効率の改善だ。これは基本的に2つの形式になる。
(1)人がより早くできるようにすること
(2)より間違いが少なくなるようにすることだ。

なんか、今つくっているシステム、「間違いが起きてはダメなので、チェック処理を充実させよう」という方向に走ってしまったんだけど、これだと効率も落ちてしまうしダメなんだろうなと感じてしまいました。orz

UXはデザインだけ?

また、UXはデザインだけと考えると開発者側としても痛い目に合う。例えば、UXにおいて、アジャイルもいいけど受け入れられる変化にも限度があるというお話があった。「見た目の変化だけだからちょろっとできるでしょ。」とお客さんから言われることがままあるけど、

  • コンセプト
  • 採用した技術

が変わるようなことは許容できない変化なので、そこはできないとはっきり言う必要があるとのこと。確かに経験あるわ。
一方で、RIAはいろいろ試行錯誤しながら仕様を決めていくので、そこのバランス取りが難しいかなと思う。

なぜソフトウェアアーキテクトが必要なのか

二番目は@yusuke_arclampさんの「なぜソフトウェアアーキテクトが必要なのか」。
資料はここに。

アーキテクチャとは

アーキテクチャとは、

  • システムのミッションに従い、システムのおかれた制約を前提としながら
  • システムに関わるい複数の利害関係者の関心ごとを整合させ、
  • ライフサイクル(設計から保守)まで意識した
  • システムの分け方と組み合わせ方のこと

ということ。で、我々が属すIT業界は、正しい見積もりをするために、同じアーキテクチャを使いまわしたい思いがあるが、一方で、新しいアーキテクチャによる効率化が現在のアーキテクチャの使用により得られる効率化を上回ることもあり、アーキテクチャを変えることが多い。

アジャイルとソフトウェアアーキテクチャ

アーキテクチャを変えるということは過去の経験から将来を予測する(つまり、見積もりする)ことが難しいことを意味する。特に長期的な見積もりは難しい。そこでアジャイルという方法論、短期間での見積もりという考え方が生まれた。

ただ、アジャイルも長期的な展望が必要ないかというとそういうわけではなく、厳密な正確性は必要ないが、長期的進め方が必要とのこと。土台がしっかりしないと、上でいくらいいもの立てても無意味。

また、アジャイルは変化を許容するという文化を持っているが、変化を許容するためには、土台としてのアーキテクチャが重要。アーキテクチャが変わるというソフトウェア業界においては、ソフトウェアアーキテクチャのプロが必要という結び。

プログラマが知るべきたったひとつの大事な事柄

これは、前回聞いてめもったものがあるので、こちらを参考に。

ハッカー中心の企業文化を日本に根づかせる

最後に@hyoshiokさんのお話。デブサミでも@t_wadaさんの話にしようかこちらにしようか最後まで悩んだもの。

文化を伝えるということ

文化というのは属している本人は当たり前なんだけど、外の人はなぜ?っていうようなもの。例えば、日本人でいう箸。

企業文化も同じ。企業文化は特に伝達が緩やかで、転職者などでないと伝わることが殆ど無い。自分の世界に閉じこもるのは、蛸壺化し、激しい企業競争には生き残れないのではないか。
そのために、伝達してこういう世界があるよという話をすることが必要ではないか?という@hyoshiokさんのお話。

う〜〜ん、もう、うちの会社のシステム構築のやり方を否定されているみたいで、かなり耳の痛いお話。最後には「みんな徹夜して頑張ろう。それがシステム開発というものだ」という文化だからなぁ。

自分と会社

さて、ここからは私の自分が置かれている会社と自分の考えついて。

なんだか、モノが作れなくて、プロジェクトのマネジメントも精神論に終始する会社(部署?)にこれからの将来性は正直感じられない。組織が大きくなって蛸壺化していることを身に染みている。まぁ、そっちのほうが楽だもんね。

ただ、ハッカーも多く、そこを見ると会社もまだまだ捨てたもんじゃないなと思う。@hyoshiokさんも「勉強会に反応する人は5%はいるはずで・・・」という発言があった。うちの会社だと500人はいることになる。おぉ!結構いるみたいだw。方向性は結構違うだろうけど。会社の未来をたったの5%の人間に託していいのかと思うとものすごく不安になるけど、組織的に最終型は取締役たちのわずか数名で成立するもんだから、まぁ、確率的には託してもいいのかもしれない。

ともあれ、私は来週から社内勉強会を行うための準備に入ることになった。そのためのヒントが今回の発表に数多く盛り込まれていた。例えば、頑張りすぎない事とか、会社との調整とか。これを参考に、ゆる〜くやってみよう。