10月1日から復職することになった。最初の1か月は別室出社のような形で、午前中→15時まで→定時までというように徐々に勤務時間を伸ばしていくということになるそうだ。7月の初め頃から休職しているのでもうすぐ2か月。8月も終わりの節目ということで、不眠症についてこれまでのことを記録しておく。
はじめのうちは夜になると仕事のことばかり考えてしまって、とにかく眠るのが難しかった。医者に「仕事のことを考えるのをやめて薬を飲んで寝てください」と言われても、「何がいけなかったんだろう」とか、「どうすればよかったんだろう」とか、「今頃私の分の仕事を残りのメンバーで回してるのかな」等の考えてもどうしようもないことが頭に浮かび続けて心臓がバクバクしてしまうのだ。睡眠の質を改善する薬だけでは寝付くことができなかったので、寝付きをよくする睡眠導入剤も出してもらい、ようやく眠ることができるようになった。
だがその後、薬が効きすぎているのか今度は午前中起きていられなくなった。そこで睡眠の質を改善する薬のグラム数を減らしてもらったところ、「22時頃睡眠導入剤で寝付いた後、夜中1時頃に目が覚め、そこから眠くならず明け方になってやっと眠くなりまた朝の10時頃目が覚めてもまだ寝不足の頭痛がする」という状態に陥ってしまった。要約すると「一晩中通してまともに眠れている時間帯がない」ということで、この時期が一番絶望が深かった。昔顎関節の手術をした夜に顔が痛すぎて一睡もできず、朝が来るまで槇原敬之の「明けない夜が来ることはない」を無限脳内再生しながら必死に耐えたことがあったが、まさか同じ目に2回以上遭う羽目になるとは思わなかった。
現在は身体が断薬に慣れてきたのかその他の生活習慣改善が功を奏したのか、睡眠の質を改善する薬をなくして睡眠導入剤のみでそれなりに眠ることができるようになってきたので、出社に向けて朝6時に起きられるよう時間帯を調整していく段階にまで辿り着くことができた。
本当に怖かった。ハイテンションな勉強法解説で有名なYouTuberのブレイクスルー佐々木さんが不眠症にかかった当時のことについて「死んでしまおうかと思うくらいの苦しみを味わった」と話していたが、冗談ではなく「薬を飲んでもまともに眠れない」ということがこんなに辛いと正直思わなかった。(今回の私の不眠症治療においては、午前中外に出る、午後はカフェインを取らない、寝る1時間前以降はスマホと食事禁止、睡眠関連の記録を付ける、マインドフルネス瞑想等の生活改善とともに下記の動画の「寝るとき以外はベッドに入らない」という原則がとても参考になりました)
不眠症をかっこいいものとか不健康ワルみたいな一種のオシャレやアイデンティティみたいに語ることは、私にはもうできそうにない。The Smithsの曲で『That Joke Isn’t Funny Anymore』(もうそのジョークでは笑えないんだよ)という曲があるが、他人の話で聞いていただけの不幸が自分に降りかかってみると、人は1つ笑うことができなくなるというのは本当のことだった。自分は帰って来られて良かったものの、帰って来られなかった人もいると思うとどうしようもない気持ちになる。地球上の人類が飢えないでほしいというのはよく聞く世界平和の願いであるが、それと同じくらいみんながまともに眠れるようになってほしい。