【最優秀受賞のことば】TBSテレビ・WOWOW 放送局が開発したテクノロジーを製品化 映像伝送ソフトウェア「Live Multi Studio」の開発(2024年民放連賞技術部門) | 民放online

【最優秀受賞のことば】TBSテレビ・WOWOW 放送局が開発したテクノロジーを製品化 映像伝送ソフトウェア「Live Multi Studio」の開発(2024年民放連賞技術部門)

藤本 剛
【最優秀受賞のことば】TBSテレビ・WOWOW 放送局が開発したテクノロジーを製品化 映像伝送ソフトウェア「Live Multi Studio」の開発(2024年民放連賞技術部門)

コンテンツの出口が増えて、費用削減を日々問われる制作現場ですが、そんな中でもクリエイターとしてのクリエイティブな気持ちは失ってはならないと思っています。

Live Multi Studioは、インターネットを使った新しい映像制作を実現する革新的なソフトウェアです。男子テニス国別対抗の日本代表戦「デビスカップ」の国際映像制作、「世界陸上」といった中継制作現場で機材、スタッフ、回線などの効率化を実現しました。そうして生まれた時間で、よりクリエイティブな作業ができるようになりました。

そんなLive Multi Studio開発の原動力は、TBSとWOWOWの長年の絆です。

TBS・WOWOW共同開発のキッカケは、2013年の民放技術報告会での出会いから始まりました。私が発表したテーマは今思えばなぜか「歌番組風リズムゲーム」の企画だったのですが、発表後に話しかけてくれたWOWOWの担当者と意気投合、フロンティア精神が燃え上がり、共同開発第1弾であるマルチアングル配信のプロダクト開発が始まりました。

そこから数々の失敗を繰り返しながらも、めげずに着実に一歩ずつ前進を続けました。時には大胆に、ある時は地道に粘り強く進め、複数の映像ソースを同時に視聴できるマルチアングル配信アプリケーション「Live Multi Viewing」を開発。その成果もあって、Live Multi Viewingは、東京で開催された世界最大のあの国際大会でも採用されるなど、大きな成果を達成することができました。が、その大会以降、時代の流れもあってマルチアングル配信のプロジェクトは収束方向となりました。

そんな時、もうここで終わりかな、と思っていたところでWOWOWのメンバーから出た
「TBSのこのチームと何でもいいから一緒にやりたいんです」
という言葉は深く心に響き、このLive Multi Studioのプロジェクトを第2弾として開始しました。

そこからもやっぱり数々の失敗が続きましたが、どんなに失敗しても「次はこうしたらもっと良くなる!」という一瞬たりともネガティブにならないチームのメンタリティとお互いを信頼する心で乗り越え続けることができました。そして、これからも民放連賞最優秀という後押しを糧に「テレビのテクノロジーは凄いんだ!」「日本のテレビ局が革命を起こした!」と世界で騒がれるように引き続き頑張っていきたいと思います。

今回の受賞を大変嬉しく光栄に思います。この受賞の喜びをプロジェクトを支えてくれたTBS・WOWOWの皆、愛する家族、愛犬たち、そして年末に産まれてきてくれるベイビーたちに伝えたいと思います。

■Live Multi Studioの詳細についてはこちらから。


・全部門の「審査講評」および「最優秀受賞のことば」はこちらから。
・審査結果はこちらから。

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