【最優秀受賞のことば】ニッポン放送/公共キャンペーン・スポット/ラジオ・ チャリティ・ミュージックソン 白杖体験 篇 (2024年民放連賞ラジオCM第2種) | 民放online

【最優秀受賞のことば】ニッポン放送/公共キャンペーン・スポット/ラジオ・ チャリティ・ミュージックソン 白杖体験 篇 (2024年民放連賞ラジオCM第2種)

高橋 晶子
【最優秀受賞のことば】ニッポン放送/公共キャンペーン・スポット/ラジオ・ チャリティ・ミュージックソン 白杖体験 篇 (2024年民放連賞ラジオCM第2種)

目の不自由な方が歩行に使う白い杖「白杖」。白杖を使って、路面や周囲の状況、距離感などを確認しながら歩いている姿を、駅や街で見かけたことがある方も多いと思います。

この120秒の作品「白杖体験篇」では、実際に白杖を使って音を録音し、目の不自由な方が白杖を使って歩行する状況を再現しています。可能でしたらヘッドフォンを使い、目を閉じて聴いてみてください。白杖を使って歩く感覚を疑似体験することができるのではないでしょうか?

テーマである「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」は、目の不自由な方たちが、「安心して街を歩くことができる」ことを目指し、「音の出る信号機」を一つでも多く設置することを目的とした基金を募るキャンペーンです。「ミュージックソン」という言葉は、「音楽=ミュージック」と「マラソン」を掛け合わせた造語です。音楽の力とラジオの力で社会に貢献できたら、という想いから1975年にスタート、今年で50回目を迎えます。当時ラジオのチャリティ・キャンペーンは、画期的な試みでした。日頃からラジオを聴いてくださっている目の不自由な方たちのために、お役に立ちたいという思いから出発しましたが、現在では、さまざまな状況の方々への理解を促し思いやりの気持ちを広く伝え育んでいくことも目指しています。

このキャンペーンは期間中の募金活動と、クリスマスイブの12月24日正午から12月25日正午まで24時間の生放送番組を中心に行っています。放送スタッフだけでなくニッポン放送の社員全員が総力で作り上げてきた募金キャンペーンであることも特徴の一つです。

「白杖体験篇」の制作は、電通クリエイティブの山本修さんのアイデアからスタート、当社ミュージックソン事務局担当(当時)の保坂健二と相談しながら、毎年ミュージックソンでアドバイスをいただいており目の不自由な方の社会活動や、取り巻く「バリア」について詳しい慶應義塾大学の中野泰志教授、さらに社会福祉法人日本視覚障害者団体連合常務理事の三宅隆さんにもアドバイスをお願いしました。三宅さんに白杖を使って歩いていただき、実際のシーンや使い方を説明してもらったことにより、リアルな状況を再現できたのだと思います。こうして作った白杖の音を中心に、声優の野島健児さんの優しいナレーションが加わり、120秒が短く感じるような完成度となりました。

インパクト重視のCMが多い中、シンプルな構成、映像のない音声表現だけのラジオCM、ニッポン放送の財産である「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」をテーマとした、この作品が高い評価をいただいたことは大変光栄です。これを機会に今年の「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」も、より一層多くの皆さまのご協力をいただければ幸いです。今回は誠にありがとうございました。


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