生活福祉資金貸付制度の審査に通る条件は?市役所でお金を借りる方法も解説
収入が少ない世帯や、高齢者でなかなか借入業者が見つからない方は、生活福祉資金貸付制度でお金を借りられる場合があります。
生活福祉資金貸付制度とは、生活に困っている人が経済的に自立できるように国が定めた融資制度のことです。
生活福祉資金貸付制度は、低所得者、高齢者、障害者などが、安定した生活を送れるよう、都道府県の社会福祉協議会が資金の貸付けと必要な相談や支援を行う制度です。
引用元:政府広報オンライン
失業や急な病気、災害などで生活が困窮した場合にも生活福祉資金貸付制度を利用できますが、融資を受けるには審査に通過する必要があります。
本記事では、生活福祉資金貸付制度の審査基準やどんな用途でお金を借りられるのかなどの特徴に加え、市役所での申込手順も詳しく解説していきます。
生活福祉資金貸付制度の審査基準!条件は低所得者世帯や高齢者世帯
生活福祉資金貸付制度は、低所得者世帯や障害者など生活困窮者の経済的自立を支援する制度です。
この制度を利用してお金を借りるには、以下のような条件を満たしている必要があります。
生活福祉資金貸付制度の貸し付け対象 | |
---|---|
低所得者世帯 | 他の手段でお金を借りるのが困難な世帯(住民税非課税程度) |
障害者世帯 | 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持つ者が属する世帯 |
高齢者世帯 | 65歳以上の高齢者が属する世帯 |
参考元:生活福祉資金貸付制度-厚生労働省
生活困窮者を対象としているため、「十分な世帯収入がある」「すでに他の公的融資制度でお金を借りている」といった場合は、生活福祉資金貸付制度の審査基準から外れる可能性が高いです。
生活福祉資金貸付制度は、本当に生活に困っていて他でお金を借りられない人のために設けられた融資制度といえます。
低所得者世帯は住民税非課税程度が目安
生活福祉資金貸付制度の対象となる「低所得者世帯」は、多くの自治体で住民税が非課税となる程度の世帯を指していますが、その基準は市町村によって異なります。
つまり、「どの程度の世帯年収で非課税になるのか」は、居住している地域によって変わるということです。
たとえば、筆者が居住している福岡市では、以下の条件に該当すると住民税が非課税となります。
対象 | 条件 |
---|---|
同一生計配偶者および 扶養親族がいない人 |
前年中の合計所得金額が45万円以下 |
同一生計配偶者または 扶養親族がいる人 |
前年中の合計所得金額が次の算式で求めた額以下 35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数+本人)+21万円+10万円 |
障がい者 | 前年中の合計所得金額が135万円以下 |
未成年者 | |
寡婦 | |
ひとり親 | |
生活保護受給者 | 生活保護法の規定による生活扶助を受けている |
参考元:福岡市-個人市県民税について
実際には以下のように、自治体によって低所得世帯の基準は異なるため、住民税が非課税の世帯ではなくても生活福祉資金貸付制度の対象となるケースもあります。
生活福祉資金貸付制度の世帯年収目安がある自治体の例 | |
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都道府県 | 世帯年収の目安 |
北海道 | 一人世帯の場合年収360万円程度まで |
福島県 | 生活扶助基準額の1.7倍以下 |
京都府 | 生活保護基準の1.8倍以内 |
徳島県 | 生活扶助基準額の2.0倍以内 |
「自分は一人暮らしで世帯年収300万円だけど、生活福祉資金貸付制度の対象だろうか?」と気になる場合は、居住している都道府県や市町村の社会福祉協議会に問い合わせてみると良いでしょう。
ただし、すでに生活保護など他の公的制度で受給していたり、民間業者から融資を受けていたりといった人は審査に通りにくいので注意してください。
障害者世帯は身体障害者手帳などの交付を受けた親族がいる世帯
身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人がいる世帯も生活福祉資金貸付制度の貸し付け対象になります。
身体または知的障害があって日常生活に制限がある人や、精神疾患により社会生活が困難であると認められた場合、低所得者世帯の世帯年収より条件が緩和されるケースもあります。
家族の中に日常生活において介護が必要な高齢者(65歳以上)や身体障害者(身体障害者手帳所持)、知的障害者(療育手帳所持)、精神障害者(精神障害者保健福祉手帳所持)のいる世帯の場合、利用する資金によって所得制限が①(※筆者注:所得の比較的少ない世帯のこと)より緩やかになることがあります。
引用元:千葉県社会福祉協議会
たとえば、障害者の介護サービスにかかるお金や福祉用具の購入費用、通院費用などで借入申請ができます。
高齢者世帯は65歳以上の家族や親族が対象
65歳以上の高齢者がいる世帯も、日常的な介護を必要とするケースが多いため、生活福祉資金貸付制度の申し込みが可能です。
低所得者世帯向けの生活福祉資金貸付制度より年収条件が緩く、住民税非課税世帯ではなくても借り入れできます。
全国社会福祉協議会の資料にも「高齢者を含む4人世帯でおおむね年収600万円程度の世帯」という記載があり、低所得者世帯より少しハードルが低い印象です。
返済免除になる条件とは?総合支援資金は償還免除も可能
生活福祉資金制度は原則として返済しなければいけない貸付制度ですが、資金の種類や条件によっては返済を免除(償還免除)してもらえるケースもあります。
償還免除の対象となる生活福祉資金の種類は、以下のとおりです。
- 総合支援資金の初回貸付分
- 総合支援資金の延長貸付分
- 総合支援資金の再貸付
- 緊急小口資金
借りている資金が上記の4種類に該当しており、国が定めた条件を満たしている場合に限り、返済の必要がなくなります。
償還免除の条件は住民税非課税世帯であること
総合支援資金と緊急小口資金の返済が免除される条件は、資金を借りた本人と世帯主のどちらも住民税非課税であることです。
借受人と世帯主が住民税非課税(均等割・所得割いずれも)であれば、返済免除の対象とします。そのほかの世帯員の課税状況は問いません(免除決定時点で返済している金額は免除対象外)。
引用元:厚生労働省生活支援特設ページ
仮に資金を借りた本人が住民税非課税だったとしても、世帯主が課税の場合は返済しなければいけません。
ただし、事情により返済が困難な場合には、返済時期を遅らせる方法もあります。
免除対象外でも1年間償還猶予できるケースがある
生活福祉資金貸付制度の免除対象外でも、以下のようなやむを得ない事情がある場合は返済を待ってもらうことが可能です。
- 地震や火災などの災害にあった
- 失業した
- 病気が原因で働けない
- 債務整理をする可能性がある
- 生活苦で公共料金を滞納し続いている
「償還期間が始まるけど急病で働けなくなった」などの事情やアクシデントがあった場合は、速やかに自治体の社会福祉協議会に相談してみましょう。
相談した結果、償還が困難な事情だと判断されると、返済免除は難しくても1年間の猶予期間をもらえる可能性があります。
生活福祉資金貸付制度とは生活困窮者がお金を借りられる制度
生活福祉資金貸付制度とは、お金がなくて生活に困っている人が経済的に自立するために国からお金を借りる方法のひとつです。
生活困窮者が自立するためのお金はもちろん、学費や介護サービスの利用資金も借りられます。
低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯等世帯単位に、それぞれの世帯の状況と必要に合わせた資金、たとえば、就職に必要な知識・技術等の習得や高校、大学等への就学のための資金、介護サービス利用のための資金貸付け等を行います。
引用元:全国社会福祉協議会
生活福祉資金は、大きく分類すると以下の4種類です。
資金の種類 | 用途 |
---|---|
総合支援資金 | 生活費、住居を借りるための費用、生活再建費など |
福祉資金 | 生業を営むための経費、住宅のリフォーム費用、福祉用具等の購入費など |
教育支援資金 | 低所得世帯に属する子どもの修学費や入学費 |
不動産担保型生活資金 | 高齢者世帯の不動産を担保とした生活資金 |
さまざまな用途でお金を借りられる生活福祉資金貸付制度ですが、生活に困っていてもすぐには融資を受けられません。
審査に時間がかかり、実際にお金が振り込まれるのは1ヶ月から3ヶ月後になってしまいます。
そのため、できるだけ早くお金を借りたい場合は即日融資が可能なカードローンを検討するのもひとつの手段です。
特例貸付(緊急小口資金)は一時的に生活が苦しいときの少額融資制度
先述したとおり、生活福祉資金貸付制度は融資を受けるまでに時間がかかりますが、なかには例外もあります。
生活福祉資金の特例貸付である緊急小口資金は、緊急かつ一時的に生活が苦しくなった場合に、最短5日で20万円以内の金額を借りられる制度です。
しかし、緊急小口資金は新型コロナウイルス感染症の影響で失業や休業となり、生活が困窮した人を対象としていたため、2022年9月30日で申し込み受付が終了しています。
緊急小口資金について、申請期間は令和4年9月30日で終了となりました。
引用元:厚生労働省生活支援特設ページ
新型コロナウイルス感染症が長引き、緊張事態宣言の延長などに伴って特例貸付の再貸付も行われていましたが、こちらも終了しています。
緊急小口資金の新規申し込み受付は終了していますが、総合支援資金と同様に償還免除や償還猶予は可能ですので、期間内に返済できない人は社会福祉協議会に相談しましょう。
今すぐお金が必要な人は、ほかの借り入れ方法を検討するのが賢明です。
総合支援資金は生活費として必要な資金を借りられる
総合支援資金は「生活支援費」「住宅入居費」「一時生活再建費」の3つがあり、衣食住の日常生活を立て直すためのお金を借りられます。
総合支援資金 | |||
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貸付種類 | 内容 | 貸付限度額 | 返済(償還)期限 |
生活支援資金 | 生活再建までの間に必要な生活費用 |
|
10年以内 |
住宅入居費 | 敷金や礼金など住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用 | 40万円以内 | 10年以内 |
一時生活再建費 | 生活を再建するために一時的に必要かつ日常生活費で賄うことが困難である費用
|
60万円以内 | 10年以内 |
総合支援資金はいずれも返済期間が最長10年と長く、住居や就職といった日常生活に直結する用途でお金を借りることができます。
一時生活再建費はさまざまな用途で最大60万円借りられる
一時生活再建費とは、文字通り生活を立て直す目的で一時的に必要なお金を借りられる制度のことです。
借りられる金額は最大60万円で、就職の準備や滞納している公共料金の支払いなどに充てられます。
生活支援費用と併用できるため、日常生活のサポートを受けながら、貸付期間終了後に確固たる生活基盤を構築することも可能です。
福祉資金は高齢者や障害者の介護サービス費として使える
福祉資金は、高齢者の介護サービスや障害者の福祉用具購入などに使えるほか、病気療養の通院費用にもあてられます。
福祉資金 | |||
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貸付目的 | 貸付限度額 | 据置期間 | 返済(償還)期間 |
生業を営むために必要な経費 | 460万円 | 6ヶ月 | 20年 |
技能習得の経費とその期間中の生活費 | 130万円〜580万円 | 6ヶ月 | 8年 |
住宅のリフォームに必要な費用等 | 250万円 | 6ヶ月 | 7年 |
福祉用具等の購入に必要な経費 | 170万円 | 6ヶ月 | 8年 |
障害者用自動車の購入に必要な経費 | 250万円 | 6ヶ月 | 8年 |
中国残留邦人等にかかる国民年金保険料の追納に必要な経費 | 513.6万円 | 6ヶ月 | 10年 |
負傷又は疾病の療養に必要な経費とその期間中の生活費 | 170万円〜230万円 | 6ヶ月 | 5年 |
介護・障害者サービス費とその期間中の生活費 | 170万円〜230万円 | 6ヶ月 | 5年 |
災害を受けたことにより臨時に必要となる経費 | 150万円 | 6ヶ月 | 7年 |
冠婚葬祭に必要な経費 | 50万円 | 6ヶ月 | 3年 |
引っ越しや給排水設備等の設置に必要な経費 | 50万円 | 6ヶ月 | 3年 |
就職・技能習得等の支度に必要な経費 | 50万円 | 6ヶ月 | 3年 |
その他日常生活上一時的に必要な経費 | 50万円 | 6ヶ月 | 3年 |
福祉資金の限度額は最大580万円となっており、生活福祉資金貸付制度の中でも特にまとまったお金を借りられます。
また、医療や介護だけではなく、冠婚葬祭や災害時など幅広い用途で利用できる点も魅力のひとつです。
教育支援資金は高校・大学の入学費を最大50万円借りられる
低所得者世帯に属していて、高校や大学への入学や就学が困難な場合は、教育支援資金で最大50万円を借りられます。
教育支援資金 | ||||
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貸付種類 | 内容 | 貸付限度額 | 据置期間 | 返済(償還)期限 |
教育支援費 | 高校や大学等に就学するための経費 | (高校)月3.5万円以内 (大学)月6.5万円以内 (高専・短大)月6.0万円以内 |
卒業後6ケ月 | 据置期間終了後20年以内 |
就学支度費 | 入学する際に必要な入学金 | 50万円 | 卒業後6ケ月 | 据置期間終了後20年以内 |
なお、子どもの進学・入学支援の貸付制度には他にも国の教育ローン(日本政策金融公庫)や労働金庫(ろうきん)の入学時必要資金融資などがあります。
母子家庭・父子家庭の場合は「母子父子寡婦福祉資金貸付金」でも幅広い用途で教育資金を借入できますので、あわせて検討してみると良いでしょう。
不動産担保型生活資金は高齢者が持ち家を担保に生活費を借りられる
不動産担保型生活資金は、65歳以上の高齢者が持ち家などの不動産を担保に生活費を借りられる制度です。
住み慣れた自宅に住み続けたい高齢者のかたに、土地・建物を担保として、生活資金を貸し付けます。
引用元:神奈川県社会福祉協議会
「所有している家に住み続けたいけど、所得が少ないため難しい」という場合に適した貸付制度となっています。
また、不動産担保型生活資金には、居住不動産を担保に「月額貸付される」「対象高齢者の死亡時または融資期間終了時に不動産を処分し返却する」といった特徴があります。
不動産担保型生活資金 | |
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貸付限度額 | 居住用不動産(土地)の評価額の70% |
貸付期間 | 借受人の死亡時まで または貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間 |
貸付額 | 1ヶ月あたり30万円以内の額を3ヶ月分ごとにまとめて貸付 |
貸付利子 | 年利3.0%または毎年4月1日時点の長期プライムレートのいずれか低い利率 |
償還期限 | 貸付契約の終了後、措置期間が3ヶ月 |
償還の担保措置 |
|
ただし、不動産担保型生活資金を利用するには「マンションなど集合住宅は対象外」「居住していない不動産は担保物件にできない」などの条件がありますので覚えておきましょう。
生活福祉資金貸付制度は無利子または低金利で借りられる
生活福祉資金貸付制度のメリットとして、無利子または低金利でお金を借りられることがあげられます。
連帯保証人を立てられれば原則として無利子、連帯保証人を立てない場合でも年1.5%の金利です。
銀行系カードローンや消費者金融の金利が約15.0%~18.0%に設定されていることを鑑みれば、生活福祉資金貸付制度の金利は低いといえますね。
しかし、生活福祉資金貸付制度は利用条件が厳しいため、条件に当てはまらない人は低金利のカードローンに申し込むのが賢明です。
生活福祉資金貸付制度の審査に落ちる理由!収入制限や借入状況に注意
生活福祉資金貸付制度は生活困窮者を対象とした制度ですので、世帯に十分な収入や貯蓄があり、自己資金で生活できると判断されると審査落ちになります。
また、厚生労働省や各自治体のホームページを参照すると、以下のような場合も審査に通りにくいといえます。
生活福祉資金貸付制度の審査に落ちる理由 | |
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世帯年収が十分にある | 生計を共にする人や世帯収入が十分にある場合は見送られる |
生活保護世帯 | 生活保護をすでに受給している世帯は借入不可 |
他の公的融資制度との併用 | すでに国からお金を借りる制度を使っている場合は併用不可 |
居住場所がない | 住居がない(確認できない)場合は借入不可 |
多重債務 | 借り換えを目的とした生活福祉資金貸付制度の利用は不可 |
償還可能性が低い | 就労見込みがない、返済の可能性が低いと判断された場合 |
生活福祉資金貸付制度は、生活困窮者にとって民間のカードローン業者より審査のハードルが低いかもしれません。
しかし、他の公的融資制度を利用していたり住居がなかったりなど条件を満たさない場合は、生活に困っていても審査に落ちるケースがあります。
すでに年収の3分の1以上の金額を借りている(総量規制)、就労意欲に乏しく返済見込みがないとされた場合も審査に落ちる原因になります。
生活保護世帯は原則対象外!社会福祉協議会に要相談
生活福祉資金貸付制度は、生活困窮者を支援するための制度ですが、生活保護をすでに受給している世帯は原則として対象外です。
すでに生活保護を受給している場合は審査に通らないケースが多く、申し込み前に市役所や社会福祉協議会に他の方法を提案されることが一般的です。
生活保護世帯の方は、生活保護費が初めて受給されるまでの費用で福祉事務所が借入の必要性を認めていることが前提となります。まずは、福祉事務所に相談してください。
引用元:魚沼市社会福祉協議会
生活福祉資金貸付制度は、生活困窮者の自立支援を目的とした制度のため、他の公的融資制度を紹介されることも念頭に入れておく必要があります。
自己破産の手続き中または債務整理中の人は利用できない
自己破産の手続きや債務整理をおこなっている人は、生活福祉資金貸付制度の審査に通らないケースがほとんどです。
債務整理中は生活福祉資金貸付制度に限らず、原則として金銭消費貸借契約ができません。
返済が困難で自己破産を考えるほど苦しい状況のなか、新たに借り入れするとさらに生活が苦しくなるだけではなく、債務整理を依頼している専門家から契約を解除されるリスクもあります。
そのため、債務整理中の場合は自分の判断で借入申込する前に、家計を見直したり弁護士に相談したりといった方法を選びましょう。
無職の人は就労意欲がないと審査通過が厳しい
無職や無収入の人が現状のまま生活福祉資金貸付制度に申し込んでも、審査に通過するのは簡単ではありません。
生活福祉資金貸付制度は、「返済(償還)見込みがあること」が審査通過に必須の条件だからです。
ただ、ハローワークで就労訓練を受けていたり、自治体から就労支援を受けたりといった条件を満たせば審査に通る場合があります。
無職でこの先もずっと働く気がない人が借り入れするのは困難ですが、就労意欲さえあれば生活福祉資金貸付制度の他に求職者支援制度でもまとまったお金を借りられます。
無職の公的融資制度の比較 | |
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生活福祉資金貸付制度 (一時生活再建費を想定) |
上限60万円程度 |
求職者支援制度 |
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失業保険 | 離職前の給与の50%〜80%(離職前の状況による) |
現在失業中の場合は失業保険を受けることも可能なので、自身の体調や状況を加味したうえで、どの制度が最適なのか検討しましょう。
審査に落ちたらどうなる?生活困窮者自立支援制度も使える
「住むところがなくて生活福祉資金貸付制度の審査に落ちた」など、低所得者世帯にもかかわらず審査に落ちてしまうケースもあります。
審査に落ちた場合、全国の市町村に設置されている「生活困窮者自立支援制度の相談窓口」で専門の窓口に相談するのがおすすめです。
生活困窮者自立支援制度は生活困窮者自立支援法に基づき実施されており、各自治体の相談窓口で専門相談員が自立支援プランを考えてくれたり、就労訓練のサポートをしてくれます。
市役所でお金を借りる方法!生活福祉資金貸付制度の申し込み方
生活福祉資金貸付制度は市町村の社会福祉協議会で申し込みや相談ができます。
多くの自治体では市役所と社会福祉協議会は同じ敷地内にあり、市役所で生活福祉資金貸付制度を申し込めます。
ただし、一部の市町村では役所と社会福祉協議会の場所が別になっているケースもあるため、念のため各自治体のホームページで確認しておくと良いでしょう。
社会福祉協議会で生活福祉資金貸付制度に申し込む手順
生活福祉資金貸付制度を利用するには、事前に相談する必要がありますので、まずは社会福祉協議会の相談窓口に行きましょう。
総合支援資金の場合は、自立相談支援事業(生活困窮者自立支援制度)の利用が貸付の要件となっているため、社会福祉協議会の申し込み窓口で相談後、自立支援機関で再度面談が行われます。
面談時にヒアリングした内容をもとに、生活福祉資金貸付制度の利用が必要か否かを専門相談員からアドバイスや指示をもらい、必要と判断されれば申請書類を出します。
福祉費、教育支援資金、不動産担保型生活資金の場合は、社会福祉協議会の窓口で申し込みまで可能です。
住民票などの申請書類を提出します。生活福祉資金貸付制度の審査に必要な書類はのちほど詳しく解説します。
申請書類をもとに社会福祉協議会によって審査が行われ、完了すると貸付決定通知書または不承認通知書が送付されます。
なお、申し込みから審査完了(貸付決定通知)まではおよそ1ヶ月程度、場合によっては2~3ヶ月かかるケースもあります。
貸付決定通知を受け取ったら、借用書を社会福祉協議会に提出します。
借用書の確認後、申し込み時に記入した銀行口座へ貸付開始となります。
生活福祉資金貸付制度は国の制度のため、民間のカードローン業者より申し込みから融資までの手順が多くなっています。
すぐにお金を借りたくても、審査に1~3ヶ月程度かかるため、あらかじめ書類を準備したり、早めに窓口へ相談に行くことが大切です。
生活福祉資金貸付制度の申し込みに必要な書類
社会福祉協議会に提出する申請書類は、以下のとおりです。
- 借入申込書
- 本人確認ができるもの(健康保険証など)
- 住民票の写しなど現住所がわかるもの
- 世帯収入の証明書(源泉徴収票など)
- 連帯保証人を立てた場合はその住民票の写しなど
- 連帯保証人の収入証明書
- 障害者手帳の写し(障害者として申請する場合)
- 生活保護世帯の場合は福祉事務所長の意見書
- 借金がある場合は総額・残額・返済状況がわかる資料
- 福祉費は各必要な書類(転居なら引越業者の見積もりなど)
これらの必要な書類が不足していたり、虚偽や不正があると審査落ちの可能性が高まります。
もともと審査に時間がかかる制度のため、書類不備で躓かないよう、事前に自治体のホームページや社会福祉協議会に確認しておきましょう。
生活福祉資金貸付制度に関するよくある質問
生活福祉資金貸付制度は生活困窮者の自立支援を目的としているため、誰でも利用できるわけではありません。
生活福祉資金貸付制度の対象は、以下のとおりです。
- 低所得者世帯
- 障害者世帯
- 65歳以上の高齢者世帯
十分な収入がある世帯は貸付対象になりませんので、カードローンなど他の借り入れ方法を検討しましょう。
年金受給者でも、生活福祉資金貸付制度を利用することは可能です。
生活福祉資金貸付制度の中でも、福祉資金は年金と併用できる場合があります。
一方で、総合支援資金は他の公的融資を利用している人は対象外などの条件があり、利用できません。
年金と併用できるかどうかは種類によって異なるため、あらかじめ社会福祉協議会に相談したほうが良いでしょう。
残念ながら、生活福祉資金貸付制度の審査が当日中に完了することはありません。
生活福祉資金貸付制度は社会福祉協議会に提出した申請書類をもとに審査を行いますが、通常1ヶ月程度かかります。
当サイトおすすめの消費者金融なら、即日融資に対応しているカードローンも豊富なので、一定の収入がある場合はそちらを検討するのもひとつの手段です。