1 大人の事件と何が違うのか
20歳未満の人(少年)については、成人に適用される刑事訴訟法だけではなく、少年法という法律が適用されます。そして少年法が適用される事件を「少年事件」と呼んでいます。少年事件の具体的な流れ等の詳細は少年事件のページをご覧ください。ここでは、少年事件と成人の事件との違いのみをご説明します。
2 逮捕されるとどうなるか?
少年が逮捕される場合にも、成人と変わることはありません。警察に逮捕され、取調べを受けることとなります。
3 勾留段階での違い
ただし、勾留される場面では、少し異なる点が出てきます。
まず、勾留するための要件が増えます。少年の場合にはやむを得ない場合しか勾留請求できないとされ、成人の場合より勾留するかどうかについて慎重に判断される傾向にあります。
次に、勾留ではなく勾留に代わる観護措置というものを選択することができます。勾留される場合には成人の被疑者と同じように留置場に入れられるのですが、観護措置の場合は少年鑑別所に入れられることになります。警察の留置施設に入ることは、取調べが長期化することにもつながる等、少年の心身に悪影響を与えることが予想されます。そこで、留置施設ではなく少年鑑別所を留置場所にするように争っていくことも場合によって考えられます。
Q 学校のテストなどで出席が必要な場合一時的に身体拘束を解いてもらえないか
A 場合によっては可能です。
勾留の一時執行停止が認められれば試験の時間に身体拘束を解いてもらい学校で試験を受けられるようにすることも可能です。勾留の一時執行停止は裁判官に事情を主張した上で、検察官、裁判官と交渉を行っていくことになります。
4 検察官の処分に関する違い
成人の場合、犯罪となるような場合でも、事案が軽微な場合等に、起訴猶予といって、罪に問わない選択肢があります。
しかし、少年の場合には、検察官が犯罪の嫌疑が不十分だと考えた場合は別として、罪となると考えた場合には、必ず家庭裁判所に送致されます。つまり、少年に起訴猶予という考えはないのです。そこで積極的に示談をしていくか等弁護方針も成人の場合と異なることがあります。詳しくは弁護士にご相談ください。
5 逮捕された少年の身柄がどうなるか
逮捕された少年の事件が、家庭裁判所に送られると、裁判所が審判のために必要と判断すれば、観護措置という形で身体拘束が継続します。観護措置とは、家庭裁判所が審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置である。成人の場合は、逮捕後の勾留が起訴後も継続するのに対し、少年の場合は少年鑑別所という別の場所に移されることになります。
少年鑑別所では、少年の資質を計る様々な試験や課題が課されます。
6 少年審判
成人の場合、公開の法廷で裁判を受けることとなりますが、少年の場合は、非公開の法廷で少年審判を受けることとなります。法廷もののドラマで見られるような法廷とは違ったイメージの場所で行われます。
そして、少年審判の結果下されるのは、成人のような懲役・禁錮・罰金等ではなく、不処分・保護処分・逆送という選択肢になります。それぞれの詳しい内容や、事件の見込み等は弁護士にご相談ください。
7 刑事裁判になってしまった場合の違い
少年は原則家庭裁判所に送られますが、事案が重大である場合等に「逆送」といって成人と同じ手続きで刑事裁判を受けることがあります。少年が逆送され、刑事裁判を受ける場合の違いとしては、判決の内容があります。具体的には死刑・無期の刑に処するの相当とする場合に刑の緩和が行われるほか、不定期刑という刑期を定めない判決をすることができます。ただし、18歳以上の少年については、刑の緩和や不定期刑が認められないこととなっておりますので、18歳以上の少年が逮捕されるようなことがあった場合、特に注意する必要があります。
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